獣人姫は逃げまくる~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~ R18

鈴田在可

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レインバッドエンド 愛していると言わない男

2 分かれ道 ✤✤✤

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注)無理矢理注意

***

 レインが雄を引き抜き、身体を開いたままのヴィクトリアを置いて寝台から離れていく。言いようのない寂しさが募った。

 レインはすぐに戻ってきて、ヴィクトリアの股関あたりをハンカチで拭い、身体を清めてくれた。それから猿ぐつわを外して、ヴィクトリアに粉薬と水を寄越してきた。

 レインは避妊薬だと言った。

 さっき中に出してしまったから、子供が出来ることを恐れたのだろう。獣人と子供を作ったことがわかれば死罪だ。

 ヴィクトリアは言われるがままその薬を飲んだ。

「媚薬入りだけどね」

 と付け加えられたのは、飲んでしまった後だった。

 呆気に取られる中、水の入ったコップを奪われて、レインに押し倒される。レインがまた猿ぐつわをしようとしてきたが、ヴィクトリアはそれを止めた。

「ねえ、それやめて。そんなものしなくても私は大丈夫。枷も全部取って。もう逃げないから」

「駄目だよ。ヴィクトリアが俺のことを番だってちゃんと思い知るまでは。もっとヴィクトリアの身体に俺を馴染ませないと安心できない。だって、君は嘘をつくから」

 抵抗したが、身体の自由が効かない薬の効果は持続中で、また口の中にタオルを押し込められた。

 レインが服を脱ぎ始めた。さっきは彼だけ服を着たままだったが、今度はレインも裸になってくれるようだ。

 昨日も匂いで嗅いだけれど、改めて素肌を見てしまうと心臓がドキドキして視線を外せなくなってしまう。レインの身体はとても綺麗だった。身体を拘束されていて自由に動けないけれど、彼の筋肉を直接触ってみたいと思った。レインの全てが好きだ。

 服を全部脱いでしまうと彼の中心部が気になって仕方がなかった。自分には無いその器官は、先ほどヴィクトリアを貫いた時と同様に大きくなっていて、雄々しく勃ち上がっていた。

 レインは身体を隠していた掛け布を剥ぐとヴィクトリアの脚を開いて――――いきなり挿入してきた。

「んっ……! んんっ!」

 性急に侵入してくる感覚に喉が鳴るが、ヴィクトリアのそこはレインのものを難なく呑み込んでしまった。

 ついさっき犯されたばかりの泥濘む穴にまた熱が蘇り、レインの陰茎を歓迎するように蠕動して締め付ける。こすられる度に快楽が増してヴィクトリアを追い立てた。自分の肉体が快感に悶え始めるのが初回の時よりも早かった。媚薬が既に効いているのかもしれない。

「乳首と、ここもすごく立ってるよ。へえ、女の子もこんな風になるんだ」

 嬉しそうに指摘する声を聞いてヴィクトリアは自分の身体を見下ろした。確かにレインの律動に合わせて揺れている胸の頂点が固くなってピンと勃っていた。

 レインは繋がりながら胸に顔を近付け、舌を出して先端部を舐めてから口に含んだ。

「んっ、んんんっ……」

 胸を舐められた状態で奥を突かれていると、身体の奥から焦燥感に似た堪らない感覚が迫り上がってきて、ヴィクトリアの鼓動が早くなる。

 ヴィクトリアはレインの言う「ここ」というのがどこを指しているのかわからなかったが、そんなことはもうどうでもよくなっていた。胸を咥えてねぶりながら自分を貫いているレインのことがただただ愛しかった。
 きっともう心も身体もその両方がレインを番だと認めたのだろうと、達観した思いを抱きながらレインを見ていると、胸から顔を離したレインの手が股間に伸びていくのが見えた。

「んんんっ! んっ! んぅんんっ!」

 膣内をこすられているのとは種類の違うよくわからない刺激がいきなり加わって、ヴィクトリアは背中をしならせながら猿ぐつわの奥で悲鳴を上げた。涙がボロボロと出てくる。

 見ればレインの指が結合部のちょうど上あたりを捏ねくり回していた。ヴィクトリアは瞬間的に突き上がるような強い快楽に襲われて、頭が真っ白になった。

 ヴィクトリアは喉の奥で甲高い唸り声を上げた。同時にレインも呻き、二人の性器が共に躍動する。

 レインは射精直前の予感に激しく腰を振り、ヴィクトリアの体内で絶頂を迎える。ヴィクトリアも初めて感じる快楽の波に浸り、レインの雄を締め付けていた。

「君は俺のものだ……! 他の男になんてくれてやるものか! 絶対に一生離さないからな!」

 波が遠ざかっても呆然自失状態のヴィクトリアの膣内を、レインは抜かずにまた行き来し始めた……










 ヴィクトリアは宿屋で何度もレインに犯された。途中でお風呂に入ったり水や固形物を食べさせられたりしたが、風呂場でもしていたし、食事も全裸のままだったので、あらぬ所をいじられながら食べさせられた。そのため食事をしたような気分には全くならなかった。

 猿ぐつわや拘束具は途中で外してもらえたが、その代わり色んな体位を試されて、ヴィクトリアはその都度羞恥心と戦うことになった。

 けれどヴィクトリアもレインの身体の虜になってしまって、薬が抜けて身体の自由が戻ってきても、レインに抗って逃亡しようなんて気は全く起こらなくなってしまった。
 上に乗ってと言われれば、躊躇いながらも自分で跨がって男根を挿入し、促されるまま腰を振っていた。

 自身も媚薬を飲んだというレインはずっと滾ったままだった。

 疲れたら眠り、起きたら互いの身体を貪り合い、昼夜の区別もわからなくなるくらい、二人はお互いを求め続けた。

「ヴィクトリア、君の番は俺だ。もしもリュージュが迎えに来ても、絶対について行くなよ。ずっと俺のそばにいるんだよ」

 レインは交わりながら何度も同じことを約束させてきた。

 ヴィクトリアは最終的には揺らされ続けて意識朦朧としながらも頷いていた。










 遠くで歓声が聞こえる。

 ヴィクトリアはその声にゆるゆると覚醒して目を開けた。眩しさから今は昼なのだと認識する。

 窓際にすっかり身支度を終えた隊服姿のレインがいて、こちらに背を向けて立っていた。窓から入る風に乗って石鹸の匂いが香る。レインは既に湯浴みをした後のようだ。

「レイン……」

 声をかけるとレインが振り返った。レインは、笑顔を浮かべている。

「何かあったの……?」

 ヴィクトリアもつられて笑顔を浮かべながら、外の異変が気になって問いかけた。

「シドが処刑された」

 全身に衝撃が走った気がした。笑顔だったヴィクトリアの表情が驚きで固まる。言葉が何も出てこない。

「……」

 レインもヴィクトリアの反応に笑顔を消した。けれどシドの死の衝撃に包まれているヴィクトリアは、その変化に気付かない。

 レインは無言のままヴィクトリアから視線を逸らすと、窓を締めて外の歓声を遠ざけた。

「そろそろここから移動したいから身支度してもらってもいい? 俺は食事を頼んでくる。お風呂は湧いてるから」

「あ、うん……」

 レインはそれだけ言って部屋の外へ出ていってしまった。

 返事はしたものの、しかしヴィクトリアは、しばらく寝台の上から動けなかった。

 そして、異変はレインにも起こっていた――――

 レインはヴィクトリアを抱いて以降は、たとえ先に起きていて一人で湯浴みをした後だとしても、ヴィクトリアの入浴時には、浴室までわざわざ抱えて連れて行き喜んで一緒に入っていた。けれど今回レインはその行動を起こさなかった。

 他のことで頭が一杯になってしまったヴィクトリアは、レインのその異変を全く気にも留めなかった。
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