79 / 220
『番の呪い』前編
63 昔の話
しおりを挟む
二歳年上のアルベールはヴィクトリアが物心ついた時にはもうそばにいた。子供同士で遊ぶ時にはいつも隣にいたが、他の子と仲良くしようとすると必ず間に入ってきた。
監視されているように感じ始めたのはいつ頃だっただろうか。仲良くなった子と仲違いするようなことを仕掛けられたこともあった。
ヴィクトリアにとってアルベールは目の上のたんこぶのような存在だった。
アルベールは穏やかそうな外見とは裏腹に我が強く、全く優しくなくて、ヴィクトリアにあれこれ指図しては常に彼女の上位に立とうとする意地の悪さを発揮していた。
ヴィクトリアはそんなアルベールに全く懐かなかった。
『いい? ヴィーは俺の下僕なんだから、俺が決めた相手と番になるんだよ』
いつだったかそんなことを言われたことがあった。アルベールの下僕になった覚えはないし、何でこの人にそんなことまで決められなければならないのかと憤ったヴィクトリアが嫌だと返すと、アルベールは痣が出来るくらいの強さでヴィクトリアの腕をつねってきた。
痛くて泣き出すとやめてくれたが、アルベールはそうすると今度は泣きじゃくるヴィクトリアを抱き締めて慰め始めた。
アルベールがヴィクトリアを自分で泣かせておきながら慰めるという変な光景は二人の間ではよくあることだった。
アルベールのヴィクトリアに対する意地悪は他にもいくつかあった。
魔の森を二人だけで遊ぶこともあったが、その後一人にされて置き去りにされることも多かった。
ある時は里からだいぶ離れた場所まで連れて行かれてしまい、帰る方向がわからなくて一人でうろうろしていたら、大きな熊が出て来て死ぬかと思った。結局どこからかアルベールが現れてあっさり倒してくれたので助かったが。
そもそもアルベールが置き去りにしなければそんな目には遭わなかったのだが、助けてもらったお礼を言わないと表向きは何でもない風を装いつつも本心では拗ねてややこしくなってくるので、「ありがとう」と言った所、「じゃあ俺に感謝して代わりにこの熊を里まで運んで」と言われた。
熊も里では食料になる。担げなくはなかったけど熊は重かった。アルベールはその後行方を晦ますことなく里までちゃんと道案内はしてくれたが、熊を運ぶのは最後までヴィクトリアにやらせて自分は全く手を貸してくれなかった。ちょっとぐらい手伝ってくれてもいいのにと思った。
里の子供たちは「狩り」ごっこと呼ばれる、大人がやる「狩り」を模した遊びをよくやっていた。
獣人側と人間側に分かれて、獣人側に回った者はさらに二つ以上の組に分かれ、より多くの人間役を捕まえてきた組が勝つ。
人間役は個人戦で、隠れたり逃げたりしながら終了時刻まで捕まらなければ勝ちという遊びだ。
最初に仕切り役が獣人側と人間側を誰がやるか振り分けていくが、子供たちの中で強く発言力のある者が仕切り役になる。
仕切り役をするのはたいてい年嵩の者だが、里ではある程度の年齢に達すると仕事を与えられ、子供の遊びの輪からは抜けていく。
ヴィクトリアが九歳の頃にはアルベールが仕切り役をするようになっていた。それまでは獣人側も人間側も両方やったことがあり、どちらかというと獣人側になることの方が多いくらいだったのに、アルベールが仕切り役になった途端、人間役にしか指名されなくなった。
あまりにもいつも人間役ばかりなので、たまには獣人側に回りたいと言うと、
『ヴィーはどんくさいから獣人側にすると足引っ張られて同じ組の奴らが可哀想だろ。ヴィーは人間役が適役だよ』
と言われた。理不尽だった。
ヴィクトリアが人間役を不満に思うのには他にも理由があった。
ヴィクトリアを追いかけてくるのはいつも決まってアルベールだった。暗黙の了解でもあるのか、アルベールが仕切り役になってからは他の者に追われたことがない。
アルベールがヴィクトリアを捕まえた時に一瞬垣間見える、こちらを征服してくるような勝ち誇った表情があまり好きではなかった。
「狩り」ごっこでは人間役は捕まったら檻に見立てられた場所で遊びが終わるまで待っているのが普通だ。けれどヴィクトリアはアルベールに捕まった後は、彼と一緒に他の人間役を探しに連れ回された。
人間役のはずなのにそんなことをしているのはヴィクトリアだけだった。アルベールの方が身体能力が高いので毎回息を切らせながら付いていくのがやっとだったが、そのおかげで足だけは早くなった。
結局一緒に追いかけるなら、最初から同じ獣人組にすればいいのになと思ったものだった。
あの事件が起きたのは、ヴィクトリアが十歳の誕生日を迎えて一月ほど経った頃のことだった。
その頃にはもう、母の具合があまりよくなくて、高熱を出しては意識が無くなることも頻回だった。
ヴィクトリアは母のそばを離れたくなくて、遊びにも行かずにずっと母の家に籠もっていた。
その日も友達と遊ぶつもりはなかったが、たまたま母の家の外に出た時に出くわしたアルベールに、無理矢理遊びの場へと連れ出された。
いつも通り「狩り」ごっこの役割が決められて、いつも通り人間役となったヴィクトリアが逃げて、いつも通りアルベールに捕まった。
捕まった後、いつも通り自分に付いてくるようアルベールに言われたが、ヴィクトリアはそれを拒否した。
『もういいでしょう。人間役は捕まったらそれでお終いのはずよ。私は帰る』
『ちょっと待てよ』
『私はアルと遊ぶより、お母さまのそばにいたい』
そんな事、言ってはいけなかったのかもしれない。
背を向けてヴィクトリアが歩き出しても、アルベールは何も言わなかったし追いかけても来なかった。
歩き出した直後にはもう、ヴィクトリアの頭の中は母のことでいっぱいになってしまい、アルベールの存在は抜け落ちてしまった。
しばらくして誰かが後から走ってくる音がして、直後、背中に激痛が走って前に吹っ飛ばされた。
『ふざけるな! ヴィーは俺のことが大切じゃないのか! 俺に会えなくて寂しいとは思わなかったのか! 俺はヴィーに会えなくてずっと寂しかったのに!』
アルベールの叫びを聞きながら、彼に背後から飛び蹴りを食らわされたと気付いた時には、下り坂となっていた地面を転がり、転がり、転がり……
魔の森の中で、運悪くその先の崖下に転がり落ちてしまった。
監視されているように感じ始めたのはいつ頃だっただろうか。仲良くなった子と仲違いするようなことを仕掛けられたこともあった。
ヴィクトリアにとってアルベールは目の上のたんこぶのような存在だった。
アルベールは穏やかそうな外見とは裏腹に我が強く、全く優しくなくて、ヴィクトリアにあれこれ指図しては常に彼女の上位に立とうとする意地の悪さを発揮していた。
ヴィクトリアはそんなアルベールに全く懐かなかった。
『いい? ヴィーは俺の下僕なんだから、俺が決めた相手と番になるんだよ』
いつだったかそんなことを言われたことがあった。アルベールの下僕になった覚えはないし、何でこの人にそんなことまで決められなければならないのかと憤ったヴィクトリアが嫌だと返すと、アルベールは痣が出来るくらいの強さでヴィクトリアの腕をつねってきた。
痛くて泣き出すとやめてくれたが、アルベールはそうすると今度は泣きじゃくるヴィクトリアを抱き締めて慰め始めた。
アルベールがヴィクトリアを自分で泣かせておきながら慰めるという変な光景は二人の間ではよくあることだった。
アルベールのヴィクトリアに対する意地悪は他にもいくつかあった。
魔の森を二人だけで遊ぶこともあったが、その後一人にされて置き去りにされることも多かった。
ある時は里からだいぶ離れた場所まで連れて行かれてしまい、帰る方向がわからなくて一人でうろうろしていたら、大きな熊が出て来て死ぬかと思った。結局どこからかアルベールが現れてあっさり倒してくれたので助かったが。
そもそもアルベールが置き去りにしなければそんな目には遭わなかったのだが、助けてもらったお礼を言わないと表向きは何でもない風を装いつつも本心では拗ねてややこしくなってくるので、「ありがとう」と言った所、「じゃあ俺に感謝して代わりにこの熊を里まで運んで」と言われた。
熊も里では食料になる。担げなくはなかったけど熊は重かった。アルベールはその後行方を晦ますことなく里までちゃんと道案内はしてくれたが、熊を運ぶのは最後までヴィクトリアにやらせて自分は全く手を貸してくれなかった。ちょっとぐらい手伝ってくれてもいいのにと思った。
里の子供たちは「狩り」ごっこと呼ばれる、大人がやる「狩り」を模した遊びをよくやっていた。
獣人側と人間側に分かれて、獣人側に回った者はさらに二つ以上の組に分かれ、より多くの人間役を捕まえてきた組が勝つ。
人間役は個人戦で、隠れたり逃げたりしながら終了時刻まで捕まらなければ勝ちという遊びだ。
最初に仕切り役が獣人側と人間側を誰がやるか振り分けていくが、子供たちの中で強く発言力のある者が仕切り役になる。
仕切り役をするのはたいてい年嵩の者だが、里ではある程度の年齢に達すると仕事を与えられ、子供の遊びの輪からは抜けていく。
ヴィクトリアが九歳の頃にはアルベールが仕切り役をするようになっていた。それまでは獣人側も人間側も両方やったことがあり、どちらかというと獣人側になることの方が多いくらいだったのに、アルベールが仕切り役になった途端、人間役にしか指名されなくなった。
あまりにもいつも人間役ばかりなので、たまには獣人側に回りたいと言うと、
『ヴィーはどんくさいから獣人側にすると足引っ張られて同じ組の奴らが可哀想だろ。ヴィーは人間役が適役だよ』
と言われた。理不尽だった。
ヴィクトリアが人間役を不満に思うのには他にも理由があった。
ヴィクトリアを追いかけてくるのはいつも決まってアルベールだった。暗黙の了解でもあるのか、アルベールが仕切り役になってからは他の者に追われたことがない。
アルベールがヴィクトリアを捕まえた時に一瞬垣間見える、こちらを征服してくるような勝ち誇った表情があまり好きではなかった。
「狩り」ごっこでは人間役は捕まったら檻に見立てられた場所で遊びが終わるまで待っているのが普通だ。けれどヴィクトリアはアルベールに捕まった後は、彼と一緒に他の人間役を探しに連れ回された。
人間役のはずなのにそんなことをしているのはヴィクトリアだけだった。アルベールの方が身体能力が高いので毎回息を切らせながら付いていくのがやっとだったが、そのおかげで足だけは早くなった。
結局一緒に追いかけるなら、最初から同じ獣人組にすればいいのになと思ったものだった。
あの事件が起きたのは、ヴィクトリアが十歳の誕生日を迎えて一月ほど経った頃のことだった。
その頃にはもう、母の具合があまりよくなくて、高熱を出しては意識が無くなることも頻回だった。
ヴィクトリアは母のそばを離れたくなくて、遊びにも行かずにずっと母の家に籠もっていた。
その日も友達と遊ぶつもりはなかったが、たまたま母の家の外に出た時に出くわしたアルベールに、無理矢理遊びの場へと連れ出された。
いつも通り「狩り」ごっこの役割が決められて、いつも通り人間役となったヴィクトリアが逃げて、いつも通りアルベールに捕まった。
捕まった後、いつも通り自分に付いてくるようアルベールに言われたが、ヴィクトリアはそれを拒否した。
『もういいでしょう。人間役は捕まったらそれでお終いのはずよ。私は帰る』
『ちょっと待てよ』
『私はアルと遊ぶより、お母さまのそばにいたい』
そんな事、言ってはいけなかったのかもしれない。
背を向けてヴィクトリアが歩き出しても、アルベールは何も言わなかったし追いかけても来なかった。
歩き出した直後にはもう、ヴィクトリアの頭の中は母のことでいっぱいになってしまい、アルベールの存在は抜け落ちてしまった。
しばらくして誰かが後から走ってくる音がして、直後、背中に激痛が走って前に吹っ飛ばされた。
『ふざけるな! ヴィーは俺のことが大切じゃないのか! 俺に会えなくて寂しいとは思わなかったのか! 俺はヴィーに会えなくてずっと寂しかったのに!』
アルベールの叫びを聞きながら、彼に背後から飛び蹴りを食らわされたと気付いた時には、下り坂となっていた地面を転がり、転がり、転がり……
魔の森の中で、運悪くその先の崖下に転がり落ちてしまった。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
魔力なしの役立たずだと婚約破棄されました
編端みどり
恋愛
魔力の高い家系で、当然魔力が高いと思われていたエルザは、魔力測定でまさかの魔力無しになってしまう。
即、婚約破棄され、家からも勘当された。
だが、エルザを捨てた奴らは知らなかった。
魔力無しに備わる特殊能力によって、自分達が助けられていた事を。
みそっかすちびっ子転生王女は死にたくない!
沢野 りお
ファンタジー
【書籍化します!】2022年12月下旬にレジーナブックス様から刊行されることになりました!
定番の転生しました、前世アラサー女子です。
前世の記憶が戻ったのは、7歳のとき。
・・・なんか、病的に痩せていて体力ナシでみすぼらしいんだけど・・・、え?王女なの?これで?
どうやら亡くなった母の身分が低かったため、血の繋がった家族からは存在を無視された、みそっかすの王女が私。
しかも、使用人から虐げられていじめられている?お世話も満足にされずに、衰弱死寸前?
ええーっ!
まだ7歳の体では自立するのも無理だし、ぐぬぬぬ。
しっかーし、奴隷の亜人と手を組んで、こんなクソ王宮や国なんか出て行ってやる!
家出ならぬ、王宮出を企てる間に、なにやら王位継承を巡ってキナ臭い感じが・・・。
えっ?私には関係ないんだから巻き込まないでよ!ちょっと、王族暗殺?継承争い勃発?亜人奴隷解放運動?
そんなの知らなーい!
みそっかすちびっ子転生王女の私が、城出・出国して、安全な地でチート能力を駆使して、ワハハハハな生活を手に入れる、そんな立身出世のお話でぇーす!
え?違う?
とりあえず、家族になった亜人たちと、あっちのトラブル、こっちの騒動に巻き込まれながら、旅をしていきます。
R15は保険です。
更新は不定期です。
「みそっかすちびっ子王女の転生冒険ものがたり」を改訂、再up。
2021/8/21 改めて投稿し直しました。
闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
怒れるおせっかい奥様
asamurasaki
恋愛
ベレッタ・サウスカールトンは出産時に前世の記憶を思い出した。
可愛い男の子を産んだその瞬間にベレッタは前世の記憶が怒涛のことく甦った。
日本人ので三人の子持ちで孫もいた60代女性だった記憶だ。
そして今までのベレッタの人生も一緒に思い出した。
コローラル子爵家第一女として生まれたけど、実の母はベレッタが4歳の時に急な病で亡くなった。
そして母の喪が明けてすぐに父が愛人とその子を連れて帰ってきた。
それからベレッタは継母と同い年の義妹に虐げられてきた。
父も一緒になって虐げてくるクズ。
そしてベレッタは18歳でこの国の貴族なら通うことが義務付けられてるアカデミーを卒業してすぐに父の持ってきた縁談で結婚して厄介払いされた。
相手はフィンレル・サウスカールトン侯爵22歳。
子爵令嬢か侯爵と結婚なんて…恵まれているはずがない!
あのクズが持ってきた縁談だ、資金援助を条件に訳あり侯爵に嫁がされた。
そのベレッタは結婚してからも侯爵家で夫には見向きもされず、使用人には冷遇されている。
白い結婚でなかったのは侯爵がどうしても後継ぎを必要としていたからだ。
良かったのか悪かったのか、初夜のたったの一度でベレッタは妊娠して子を生んだ。
前世60代だった私が転生して19歳の少女になった訳よね?
ゲームの世界に転生ってやつかしら?でも私の20代後半の娘は恋愛ゲームやそういう異世界転生とかの小説が好きで私によく話していたけど、私はあまり知らないから娘が話してたことしかわからないから、当然どこの世界なのかわからないのよ。
どうして転生したのが私だったのかしら?
でもそんなこと言ってる場合じゃないわ!
あの私に無関心な夫とよく似ている息子とはいえ、私がお腹を痛めて生んだ愛しい我が子よ!
子供がいないなら離縁して平民になり生きていってもいいけど、子供がいるなら話は別。
私は自分の息子の為、そして私の為に離縁などしないわ!
無関心夫なんて宛にせず私が息子を立派な侯爵になるようにしてみせるわ!
前世60代女性だった孫にばぁばと言われていたベレッタが立ち上がる!
無関心夫の愛なんて求めてないけど夫にも事情があり夫にはガツンガツン言葉で責めて凹ませますが、夫へのざまあはありません。
他の人たちのざまあはアリ。
ユルユル設定です。
ご了承下さい。
『お前よりも好きな娘がいる』と婚約を破棄させられた令嬢は、最強の魔法使いだった~捨てた王子と解放した令嬢の結末~
キョウキョウ
恋愛
公爵家の令嬢であるエレノア・アークライトは、王国第一王子アルフレッド・ローレンスと婚約していた。しかし、ある日アルフレッド王子から「他に好きな女性がいる」と告白され、婚約破棄を迫られます。
王子が好きだという相手は、平民だけど実力のあるヴァネッサ。彼女は優秀で、その才能を大事にしたいと言い出した。
実は、王国屈指の魔法の才能を持っていたエレノア。彼女は面倒を避けるため、目立たないように本当の実力を隠していた。婚約破棄をきっかけに、彼女は本当の実力を解放して、アルフレッドとヴァネッサに復讐することを決意する。
王国第二王子であるエドガー・ローレンスは、そんなエレノアを支え、彼女の味方となります。
果たしてエレノアは、アルフレッドとヴァネッサへの復讐を遂げることができるのでしょうか?
そして、エドガーとの関係は、どのように発展していくのでしょうか。エレノアの運命の行方は――。
※設定ゆるめ、ご都合主義の作品です。
※カクヨムにも掲載中です。
奪われたものは、もう返さなくていいです
gacchi
恋愛
幼い頃、母親が公爵の後妻となったことで公爵令嬢となったクラリス。正式な養女とはいえ、先妻の娘である義姉のジュディットとは立場が違うことは理解していた。そのため、言われるがままにジュディットのわがままを叶えていたが、学園に入学するようになって本当にこれが正しいのか悩み始めていた。そして、その頃、双子である第一王子アレクシスと第二王子ラファエルの妃選びが始まる。どちらが王太子になるかは、その妃次第と言われていたが……
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる