上 下
19 / 20
父編

夏の思い出 ✤✤✤

しおりを挟む
女性上位あり、下品な祭り注意

***

 部屋を飛び出し、滞在中の別荘も飛び出したロゼは、ただひたすらに走っていた。

 魔力はないがロゼは、自分の脚力だけを頼りに闇夜の中を猛然と走り続け、ようやく、目的地のとある村へと辿り着いた。

 その小さな村には夏の盛りに子宝祈願の祭りを開催している。村に唯一ある寺院の周囲では露店なども出ているが、精力増強のための薬などもこれ見よがしに売られていたりする。

 寺院の祭壇にはこの時期だけ、男性器を模した巨大な木造のご本尊が祀られていて、ご本尊が乾かないようにと、夜中でも一定の時間で水を掛けなければならないそうだ。

 こんな夜更けでは露店も閉まっているだろうが、水を掛ける役割の司祭を始めとして、誰か起きている者に尋ねれば薬が手に入るのではないかと、ロゼはその可能性に賭けていた。

 ロゼが欲しいのは睡眠薬だ。薬でアークを眠らせ、その間に思う存分ズッコンバッコンやって、スッカラカンになるまで精子を搾り取ってやるつもりだ。

(妊活への執念舐めんなよおおぉぉぉっ!)

 ロゼの思いが天へ届いたのか、村に入ってすぐ、真夜中にも関わらず若者同士でワイワイと集まって語り合っている集団を見つけた。

 運良くその中の一人に実家が薬屋を営んでいるという若者がいたため、ロゼは頼み込んで睡眠薬と、それから、枯れてもまたバッキバキに復活できるという精力増強剤と、そして、「子供ができやすくなる薬」なるものをお勧めされるがまま購入した。










 再び走って別荘に戻って来た頃には、もうすぐ夜明けという時間帯だった。ロゼは超強力睡眠薬と精力増強剤を口移しでアークへ飲ませてから、自身も子供ができやすくなる薬を飲んだ。

 ロゼははやる心を抑えながらシャワーでさっと汗を流した後に、全裸のままアークに跨がった。

 アークの男根は精力増強剤のおかげか、何をせずとも硬く天を向いている。

 裏筋を秘裂に添わせて擦ると、期待に膨らむロゼの淫穴は充分に濡れ濡れだったらしく、ヌチュヌチュといやらしい音が鳴って、溢れた蜜が陰茎を伝い落ちていった。

 ロゼは指でくぱりと秘裂を開くと、アークの先端を嵌め込み、腰を落として彼の全てを飲み込んだ。

「あっ! イっちゃう! イっちゃうう……っ!」

 ズン、と最奥に彼のモノが当たった刺激でロゼは達した。涙が出るくらいに気持ちが良くて、ロゼは愛するアークと子作りセックスができる幸運に感謝した。

 アークは仕事で家にいないことも多いが、ロゼは本当は、アークのそばに四六時中ずっといたいと思っている。

 ロゼはアークと毎日毎時毎秒繋がっていたいくらいに深く彼を愛している。ロゼにとってはアークこそが幸せの源だった。

「……っ……く……」

 ロゼが上り詰めそうになりながら騎乗位で激しく腰を振っていると、アークの吐息のような色っぽい声が聞こえてきた。

「アーちゃん、気持ちいいの? いいのよ、中に出してっ! アーちゃんの赤ちゃんが欲しいのっ!」

 ロゼが叫んで膣をきつく締めながら動きを早めると、アークの陰茎がビクビクッと震え、彼女の体内が温かなもので満たされた。

 それと同時にロゼの心も喜びで満たされ、彼女もすぐに長い長い絶頂を味わった。

「アーちゃん……! もっと……! もっとちょうだい!」

 アークの大量の子種を浴びたかったロゼは、強請るように声を上げて再び動き出し、行為に耽溺した。










 薬の影響なのか、アークは昼過ぎにようやく起き出してきた。

 ロゼも昨晩のアークが激しすぎて疲れたからと適当な理由をつけて、レオハルトをアークに任せて部屋に籠もっていた。

 ロゼは夕食時に会ったシオンに、念願の受精を見破られて声を上げられるまでは、昨夜の出来事は内緒にしていた。

 ロゼの胎の中に新しい命が宿ったことを知ったアークは、珍しくも顔に驚きの表情を浮かべていたので、ロゼは夫を出し抜けたことに歓喜した。

 アークは昨夜のロゼの行動を魔法で探った後、半ば呆れてもいたようだったが、デキたものはしょうがないと、本当は嬉しいくせにそんなことも言っていた。

「ヤり溜めするぞ」

 ところが、ロゼがアークにギャフンと言わせることができたのはそこまでで、妊娠で体調が悪くなることを見越したアークに、彼女は半ば監禁のように部屋に連れ込まれた。

 ロゼはあれほど願っていた中出しで、鬼のように責めてくるアークにヤりまくられて、無間絶頂地獄を味わい続け、白旗を揚げ続けた。

 その結果ロゼは滞在中の初日しか海遊びができなかったが、別荘でずっとアークの愛を独り占めできたことは、夏の良い思い出となった。










***





《後日談》


「ねえカイちゃん、そろそろ性別わかるかしら? 見てもらってもいい?」

「あ、そうだね…… じゃあ見てみるね」

 透視魔法で自分のお腹を探るカインを見ながら、ロゼはワクワクしていた。

「えーっと……」

「どっち? どっち?」

 カインはとても言い難そうにしている。

「………………男」



「何でよぉぉぉぉっ!」





父編了
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。 「別れよう。」 その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。 飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。 「男ならキスの先をは期待させないとな。」 「俺とこの先・・・してみない?」 「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」 私の身は持つの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。 ※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈 
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...