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長男編

輝く瞳の中に見た闇色 ✤✤✤

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微ヤンデレ注意

***

 意志力の甲斐なく絶頂してしまったフィオナは、愛液でぐちゃぐちゃになった水着を下ろされて脚から抜かれ、完全無防備な姿を白日の下に晒していた。

 フィオナは頭をぼうっとさせながら、水着を脱いで生まれたままの姿になっているジュリアスを見つめた。

「マッサージだけじゃなくて、女性ホルモンがたくさん出て来れば自然と胸も大きくなるはずだよ」

 ジュリアスはフィオナの身体を起こして膝立ちにさせると、岩に両手を突かせて、フィオナの腰を掴み少しお尻を突き出させる格好にさせた。

 女性ホルモンを出すために営むのだろうかと思いつつ、何もこんな所で…… とフィオナは思ったが、外でするという初めての行為に、いつも以上に気分が高まっているようで、膣内がきゅうっと疼いてしまって仕方がない。

「たまには後ろからもいいよね」

 ジュリアスは普段正常位ですることが多いのだが、ここは外で地面に砂があるせいか、あまり身体を汚さない体位を選んだらしい。

「うん………… あっ……!」

 膣内に硬いものが挿し込まれる感覚にフィオナは声を上げた。フィオナの膣は柔らかくなっていて、愛液の潤いも充分だったため、喜ぶようにジュリアス自身を迎え入れていく。

 ずぷっ、ぬぷっ、と波の音とは明らかに違う淫らな水音がその場に響いた。

「あーーっ! ジュリアス……っ! 好きっ! ジュリアスが好きっっ……!」

「俺も大好きだよ。胸が大きくても小さくても、俺の大切なフィーに変わりはないから。俺はフィーがどんな姿をしていてもずっと愛してるよ」

 フィオナはジュリアスに揺らされながら、もしかしたら外なのにジュリアスがこんなことを始めたのは、フィオナがアテナと胸を比べて気にしていることに気付いて、すぐにでも自分に自信を持ってほしいと行動に移したのではないかと思った。

 ジュリアスは他の女には全く目もくれずフィオナだけを愛してくれる。普段から男の格好をしているフィオナにとって、ジュリアスが自分を愛して抱いてくれることは、フィオナの中で自分が女性であるという部分の、大きな支えになっていた。

 ジュリアスを思って疼き収縮する膣内を、彼の硬い性器が行き来している。

 最初は探るようにゆっくりと動いていたものが、フィオナの反応に合せて段々と速さが増していき、何度も奥に先端をコツコツと当てられると、身体の奥から何かが呼び起こされるような堪らない感覚が広がった。

「ああんっ……! 気持ちいい! ジュリアス! 愛してるっ……!」 

 身体を繋げた状態でも、腰を掴んでいるのとは逆の手がフィオナの乳房を揉んでマッサージしている。時々緩急をつけて乳首を刺激されるので、膣奥の快感と合わさってイってしまいそうになる。

「子供……」

 絶頂の予感を感じ始めたあたりで、背後のジュリアスからそんな言葉をかけられた。

「子供ができたら、もっと胸が大きくなるんじゃないかな?」

(…………あれ? これってもしかして孕まされるパターン?)

 フィオナの思考は半分溶けかけていたが、ついそんな考えが浮かんでしまった。

 もしもここで自分が「そうだね」とか了承の答えを言ってしまったら、一気にデキ婚街道まっしぐらなのではないか、とも思ってしまった。

「え、あ…… 今日できちゃうの?」

 二人はフィオナの仕事のこともあってずっと避妊をしているが、その方法は、魔法で排卵日を見抜くというもので、「大丈夫!」な日はいつも中出ししまくっていた。

 フィオナは、ジュリアスの「子供ができたら云々」発言に、もしかしたら今日はデキる日なのかと、少しばかり不安になってしまった。

「今日はできる日じゃないよ。でも、フィーが近いうちに俺と結婚してもいいんだったら、そういう方法も取れるよ」

「あ…… う……」

 フィオナは喘ぎ声の狭間で困っていた。

「で、も…… 仕事、が…………」

 フィオナは、ジュリアスと結婚する時が仕事を辞める時なんだろうなと何となく思っていて、けれど近いうちに結婚というのは、すぐには答えを出せそうになかった。

「ごめんね、悩まなくていいから。ずっと待ってるって言ったのは俺だし、フィーが決断できた時でいいんだ」

 ジュリアスの慈愛を含んだ言葉を受けて、フィオナの中で申し訳なさが湧き上がってくる。

 フィオナは、ジュリアスがとても結婚したがっていることを前々から知ってはいたが、いつでもいいという彼の優しさに甘えてしまって、ずっと婚約状態を引き延ばしている。

「ごめんなさい…………」

「謝らないで。フィーが大事にしたいものを俺も大事にしたいんだ」

「ああっ! あんっ! あんっ! ああんっ……っ!」

 急に抽送が早まってフィオナは甲高い声を上げた。乳首も強めに潰されて、胸からの快感も広がる。

 ここが屋外であることも、彼の家族が近くにいることも、それまでしていたジュリアスとの会話も―――― フィオナはたかぶっていく快楽に、もう何も考えられなくなっていった。

 フィオナは、激しい絶頂の予感に震え、縋るようにジュリアスに手を伸ばす。

 いつもは正常位が多くて、ジュリアスの正面を向いて彼の首に抱きつくことが多かったが、今は背後に彼がいるので、フィオナは手を後ろにやってジュリアスの首に両手を絡め、身体全体を仰け反らせるようにしながら絶叫し、盛大に達した。

「フィー…… いつか生んでほしいな、俺の子供……」

 絶頂から戻りきらないうちに顎を掴まれて振り向かされ、ジュリアスと唇を合わせた。しかし、その前に呟いた言葉とジュリアスの瞳の中に、いつもの輝かしいジュリアスの青い瞳には似つかわしくもない、何かドロッとした暗いものを見たような気がした。

「あっ! 駄目! またイク! イっちゃうっ!」

 巧みな口付けと、再び動き出した律動に翻弄されたフィオナは、ジュリアスから感じたそのほんのちょっとした違和感については、すぐに忘れてしまった。

「フィー、俺だけのフィー、ずっと愛してる…………」

「私も愛してる! ジュリアス! ジュリアス!」

 魔法で声が聞こえないならいいかと、早くもお外での営みを受け入れ始めていたフィオナは、声を荒げてジュリアスへの愛を叫んだ。

 フィオナは体力にはそこそこ自信がある。きっと今回の夏休みでも、ずっとジュリアスとの愛を確かめられる気がしていた。

 彼の家族の笑い声と、波の音を聞きながら、フィオナはジュリアスに愛されている幸せを噛み締めていた。



長男編了
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