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最終話 永遠に共に ⬆⬆⬆
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芳一と和尚は和尚の先祖が祀られている墓所へ再び訪れた。
悪霊を成仏ないし退治するためであり、危険があるからと和尚は最初芳一を一緒に連れて行くことを渋っていたが、芳一がどうしても確かめたいことがあると言って譲らず、結局二人でやって来た。
夕刻、霊が力を持ち始めその気配を感じ取れる時間帯になると、和尚は注意深く気配を探り始めた。
「……どうやら、全員成仏したようですね」
「全員…… あの鎧の人もですか?」
芳一が指し示す先にあるのは、打ち捨てられたかのように置き去りにされている古びた鎧兜だ。
「はい。もし霊体が別の場所にいたとしてもご遺体からはわずかばかりの霊気を感じるのですが、この場からは一切そのような気配は感じられません。
ここに葬られている者たちは、あの日覚醒した私の神気で消滅しなかったとしても、全員自発的に成仏したようです」
「そう、ですか……」
言いながら、芳一は地面に落ちている鎧兜をじっと見つめている。
「何か気になることでも?」
「…………いいえ…… 彼らのご冥福を、心より祈るばかりです」
芳一はあの怒り方からもしやと思った。耳やチンコを持って行くと言っていたが、結局チンコは無事で、耳も残されていた。あの後寺の誰に聞いても、あの夜芳一の頭に包帯を巻いた者は出てこなかった。
きっと彼が思い留まりその後治療したのだろうと思った。それは彼の中にあったはずの一片の優しさだったのか。
ちゃんと話をしなければと思った。けれど旅立ってしまったのなら、彼の来世が幸多いものになることをただ願うばかりだ。
和尚の読経を聞きながら、芳一は亡くなった者たちに手を合わせ、静かに涙を流した。
芳一と和尚は寺を離れ、和尚の愛馬と共に人里離れた場所で二人だけで暮らし始めた。
和尚は神秘の力で時折訪ねてくる者たちの怪我や病気の治療をするようになり、芳一はずっと彼のそばで大好きな琵琶を弾き続け、幸せな生活を送った。
「ああっ♡ 和尚さんそこぉっ♡ 前と後ろが気持ち良すぎて死んじゃう~♡ 和尚さんの大っきいおチンコが元気すぎて美味しいよぉっ♡」
芳一は仰向けで股を大きく開き、パックリ広がった淫乱穴に和尚の巨大陰茎を挿入されながら、尿道にもそれ用の器具を抜き差しされて喜び、双方向からの快楽に喘いでいた。
「オラッ! お前の好きなようにしてやってんだからもっと喜べ! 鳴け! 喘げ! このド淫乱変態ド助平野郎がっ!」
二人で暮らすようになってしばらくしてから、和尚が酒を飲むと性格が豹変することに芳一は気付いた。以前僧侶をしていた頃は禁酒生活だったので、まさか和尚がそんな二面性を持っているとは思わなかった。
和尚は芳一をとても大事にしたし、優しくしてくれた。深く愛されて芳一はとても幸せだった。
けれど時々、あの神気が覚醒した日のように、人が変わった和尚に鬼のように責められていた時のことを思い出すと、自然と胸とアソコがキュンキュンしてしまう。
(優しい和尚さんも好き♡ でも粗雑で乱暴な和尚さんも好き♡)
だから芳一は、時々和尚に酒を盛った。
「いいか、漏らすんじゃねえぞ! 廊下にぶちまけやがったら嵌めた状態で全部テメェに舐めさせるからな!」
尿道責めに飽きた和尚は、後ろから貫いている状態で芳一の脚を抱えて風呂場まで移動していた。出すなと言われても、イク直前だった芳一は根元まで咥えた状態で揺すられて絶頂寸前だった。
「ああん♡ 我慢できないよぉっ♡♡ 出ちゃうっ♡」
芳一の陰茎は先走りで濡れ濡れになっていて爆発しかかっていた。以前、風呂場まで間に合わず射精した時は、犬のような格好で和尚に犯されながら、本当に廊下に落ちた自分の精液を舐めさせられた。
その時、和尚の怒張に貫かれながら自分の精液を舐めるという変態行為に興奮した芳一は、それだけで局所を大きくさせ、込み上がる悦楽に絶えきれずにその場で射精してしまって、さらにお仕置きの時間が増えた。
(それもいい♡)
「おいっ! 今耐えられたのにわざと射精しやがったな! そんなに舐めたきゃすぐに舐めさせてやる!」
床に下ろされた芳一は四つん這いにさせられて、後ろからバチュッバチュッと激しく動く巨根に翻弄されながら、床に落ちている精液をペロペロと舐めた。
案の定、芳一は二、三度射精してしまったので、風呂に入るのが遅くなったが、その頃には和尚の酒も抜けてきた。
「……すみません…………」
和尚は酔った状態の記憶がない時もあれば、今のように覚えている時もある。和尚は湯に浸かってしばらくすると素面に戻ったらしく、項垂れながら謝ってきた。
和尚は悪くない。なぜなら飲むと性格が変わると気付いた和尚は断酒していたのに、和尚の意志を無視して酒を盛っているのは芳一なのだから。
「優しくします……」
入浴後に寝室に戻ると、和尚はお詫びとばかりにいつも以上に芳一を優しく愛撫し、トロトロに甘やかしてきた。深く愛されて芳一は心の底から満足する。
「ああああっ……! 和尚さん! 和尚さん……っ! ぅんんんん……っ!」
正面で抱き合いながら和尚の滾りを受け止めて、芳一は最愛の人に呼びかけながら絶頂する。
「芳一……」
はあはあと激しく呼吸をして涙を流す芳一の無毛の頭を、和尚は愛おしそうに優しく撫でて口付けた。
和尚は芳一の坊主頭が大好きらしく、芳一はもうずっと髪の毛を剃っていた。
ちなみに夫夫になってからは下の毛も和尚の手によってずっと処理されている。
「もう和尚ではありません。だから、名前で呼んでください」
「はい…… ――さん♡」
「愛しています、芳一…… 永遠に私と共に生きてください……」
「はい…… あっ……♡」
神気による若返りのおかげで、絶頂期の勢いを取り戻した彼の絶倫チンコが再び動き出し、芳一を高める。
二人の夜は幾夜も過ぎていった。
その地には若返りの秘術を使い永遠の命を持つ聖人とその連れ合いが住んでいるという伝説がある。
聖人は髪の長い若い美丈夫で、若返りの他に怪我でも病気でも何でも治してしまう不思議な力を持っているらしい。
彼の連れ合いは髪がなく頭がツルツルだが、大変愛らしく妖精のような容姿をした美貌の青年で、楽器の名手であるという。
大昔は積極的に苦しむ人々を治療していた聖人だったが、権力者たちが聖人の持つ若返りの力を所望し、その地を所領とするべく大掛かりな戦争を起こした為、たくさんの人が死んでしまった。
聖人と彼の連れ合いはそのことを悲観し、以降はあまり下界と交流を持たなくなった。
今では聖人の存在を信じる者は少なくなり、昔話や御伽話の一種だとされている。しかし、聖人を祀った社には今だに聖人信仰が厚い人々により、頻繁に酒や供物が届けられていた。
聖人信仰が今でも地域の人々に根強く残っているのには理由がある。
良く晴れた気候の穏やかな日に、「聖人とその連れ合いが神馬に乗った姿である」とされる眩い光が目撃されることがあった。
何かの自然現象だろうと言う者もいたが、移動する光と共に人の声らしきものも聞こえてくるため、ただの光の屈折現象とは断言できない部分があった。
言い伝えによると、その光を見たり浴びたりした者は、皆幸せになれるという。
【寿命なし芳一 了】
悪霊を成仏ないし退治するためであり、危険があるからと和尚は最初芳一を一緒に連れて行くことを渋っていたが、芳一がどうしても確かめたいことがあると言って譲らず、結局二人でやって来た。
夕刻、霊が力を持ち始めその気配を感じ取れる時間帯になると、和尚は注意深く気配を探り始めた。
「……どうやら、全員成仏したようですね」
「全員…… あの鎧の人もですか?」
芳一が指し示す先にあるのは、打ち捨てられたかのように置き去りにされている古びた鎧兜だ。
「はい。もし霊体が別の場所にいたとしてもご遺体からはわずかばかりの霊気を感じるのですが、この場からは一切そのような気配は感じられません。
ここに葬られている者たちは、あの日覚醒した私の神気で消滅しなかったとしても、全員自発的に成仏したようです」
「そう、ですか……」
言いながら、芳一は地面に落ちている鎧兜をじっと見つめている。
「何か気になることでも?」
「…………いいえ…… 彼らのご冥福を、心より祈るばかりです」
芳一はあの怒り方からもしやと思った。耳やチンコを持って行くと言っていたが、結局チンコは無事で、耳も残されていた。あの後寺の誰に聞いても、あの夜芳一の頭に包帯を巻いた者は出てこなかった。
きっと彼が思い留まりその後治療したのだろうと思った。それは彼の中にあったはずの一片の優しさだったのか。
ちゃんと話をしなければと思った。けれど旅立ってしまったのなら、彼の来世が幸多いものになることをただ願うばかりだ。
和尚の読経を聞きながら、芳一は亡くなった者たちに手を合わせ、静かに涙を流した。
芳一と和尚は寺を離れ、和尚の愛馬と共に人里離れた場所で二人だけで暮らし始めた。
和尚は神秘の力で時折訪ねてくる者たちの怪我や病気の治療をするようになり、芳一はずっと彼のそばで大好きな琵琶を弾き続け、幸せな生活を送った。
「ああっ♡ 和尚さんそこぉっ♡ 前と後ろが気持ち良すぎて死んじゃう~♡ 和尚さんの大っきいおチンコが元気すぎて美味しいよぉっ♡」
芳一は仰向けで股を大きく開き、パックリ広がった淫乱穴に和尚の巨大陰茎を挿入されながら、尿道にもそれ用の器具を抜き差しされて喜び、双方向からの快楽に喘いでいた。
「オラッ! お前の好きなようにしてやってんだからもっと喜べ! 鳴け! 喘げ! このド淫乱変態ド助平野郎がっ!」
二人で暮らすようになってしばらくしてから、和尚が酒を飲むと性格が豹変することに芳一は気付いた。以前僧侶をしていた頃は禁酒生活だったので、まさか和尚がそんな二面性を持っているとは思わなかった。
和尚は芳一をとても大事にしたし、優しくしてくれた。深く愛されて芳一はとても幸せだった。
けれど時々、あの神気が覚醒した日のように、人が変わった和尚に鬼のように責められていた時のことを思い出すと、自然と胸とアソコがキュンキュンしてしまう。
(優しい和尚さんも好き♡ でも粗雑で乱暴な和尚さんも好き♡)
だから芳一は、時々和尚に酒を盛った。
「いいか、漏らすんじゃねえぞ! 廊下にぶちまけやがったら嵌めた状態で全部テメェに舐めさせるからな!」
尿道責めに飽きた和尚は、後ろから貫いている状態で芳一の脚を抱えて風呂場まで移動していた。出すなと言われても、イク直前だった芳一は根元まで咥えた状態で揺すられて絶頂寸前だった。
「ああん♡ 我慢できないよぉっ♡♡ 出ちゃうっ♡」
芳一の陰茎は先走りで濡れ濡れになっていて爆発しかかっていた。以前、風呂場まで間に合わず射精した時は、犬のような格好で和尚に犯されながら、本当に廊下に落ちた自分の精液を舐めさせられた。
その時、和尚の怒張に貫かれながら自分の精液を舐めるという変態行為に興奮した芳一は、それだけで局所を大きくさせ、込み上がる悦楽に絶えきれずにその場で射精してしまって、さらにお仕置きの時間が増えた。
(それもいい♡)
「おいっ! 今耐えられたのにわざと射精しやがったな! そんなに舐めたきゃすぐに舐めさせてやる!」
床に下ろされた芳一は四つん這いにさせられて、後ろからバチュッバチュッと激しく動く巨根に翻弄されながら、床に落ちている精液をペロペロと舐めた。
案の定、芳一は二、三度射精してしまったので、風呂に入るのが遅くなったが、その頃には和尚の酒も抜けてきた。
「……すみません…………」
和尚は酔った状態の記憶がない時もあれば、今のように覚えている時もある。和尚は湯に浸かってしばらくすると素面に戻ったらしく、項垂れながら謝ってきた。
和尚は悪くない。なぜなら飲むと性格が変わると気付いた和尚は断酒していたのに、和尚の意志を無視して酒を盛っているのは芳一なのだから。
「優しくします……」
入浴後に寝室に戻ると、和尚はお詫びとばかりにいつも以上に芳一を優しく愛撫し、トロトロに甘やかしてきた。深く愛されて芳一は心の底から満足する。
「ああああっ……! 和尚さん! 和尚さん……っ! ぅんんんん……っ!」
正面で抱き合いながら和尚の滾りを受け止めて、芳一は最愛の人に呼びかけながら絶頂する。
「芳一……」
はあはあと激しく呼吸をして涙を流す芳一の無毛の頭を、和尚は愛おしそうに優しく撫でて口付けた。
和尚は芳一の坊主頭が大好きらしく、芳一はもうずっと髪の毛を剃っていた。
ちなみに夫夫になってからは下の毛も和尚の手によってずっと処理されている。
「もう和尚ではありません。だから、名前で呼んでください」
「はい…… ――さん♡」
「愛しています、芳一…… 永遠に私と共に生きてください……」
「はい…… あっ……♡」
神気による若返りのおかげで、絶頂期の勢いを取り戻した彼の絶倫チンコが再び動き出し、芳一を高める。
二人の夜は幾夜も過ぎていった。
その地には若返りの秘術を使い永遠の命を持つ聖人とその連れ合いが住んでいるという伝説がある。
聖人は髪の長い若い美丈夫で、若返りの他に怪我でも病気でも何でも治してしまう不思議な力を持っているらしい。
彼の連れ合いは髪がなく頭がツルツルだが、大変愛らしく妖精のような容姿をした美貌の青年で、楽器の名手であるという。
大昔は積極的に苦しむ人々を治療していた聖人だったが、権力者たちが聖人の持つ若返りの力を所望し、その地を所領とするべく大掛かりな戦争を起こした為、たくさんの人が死んでしまった。
聖人と彼の連れ合いはそのことを悲観し、以降はあまり下界と交流を持たなくなった。
今では聖人の存在を信じる者は少なくなり、昔話や御伽話の一種だとされている。しかし、聖人を祀った社には今だに聖人信仰が厚い人々により、頻繁に酒や供物が届けられていた。
聖人信仰が今でも地域の人々に根強く残っているのには理由がある。
良く晴れた気候の穏やかな日に、「聖人とその連れ合いが神馬に乗った姿である」とされる眩い光が目撃されることがあった。
何かの自然現象だろうと言う者もいたが、移動する光と共に人の声らしきものも聞こえてくるため、ただの光の屈折現象とは断言できない部分があった。
言い伝えによると、その光を見たり浴びたりした者は、皆幸せになれるという。
【寿命なし芳一 了】
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