4人の王子に囲まれて

家族との時間

結衣side

大雅兄と海辺のお散歩。

ついこの前も大雅兄が運転するバイクで海、連れて行ってもらったばかりなんだよね。

そのはずなのに。

なんだかすごく今ドキドキしている。


大「やっぱり熱海の海は人が多いな。」

結「そ、そうだね！」


大「今思えば、色んなことがあったなぁって思う。」

結「うん。そうだね。」


初めはただの怖いヤンキーとしか思っていなかった大雅兄。

突然琉生お兄ちゃん、秀兄、瑛斗兄、大雅兄…4人の兄弟との同居を強いられ、その4人のかっこいい部分や弱い部分の全てを知って。

私自身もこんなにみんなに受け入れてもらえて。

結「私本当に矢神家の人たちに出会えて幸せだよ！」


大「お前はさ、これからどうしたい？」

結「どうって？？」

大雅兄は突然真面目な顔になりそう言った。



大「俺…ずっと考えてるんだ。もし、結衣とこのままずっと一緒にいたら、って。」

結「うん…。そうだね。」





大「もしもの話。このままずっと俺らが想い合っても俺は結衣の事を幸せに出来ねぇんじゃねぇかって。」

結「え？」


大「だってそうだろ？結婚だって出来なければ子どもも産めない。俺らが一緒にいるって事はそーゆー事だ。」


そんなの…言われなくなって分かってる。

今まで何度も考えた。

だから大雅兄といてはいけないんじゃないかって。

大雅兄も私と一緒じゃない方が幸せだったんじゃないかって。


でも……。

やっぱり何度考えても…。


結「……私。やっぱり…。」

大「怖くなったか？一緒にいるのが。」


結「ううん。身勝手だけど…やっぱりずっと一緒にいたい。結婚なんてしなくても、子どもがいなくても…私はずっと大雅兄が好き。」


初めてなの。こんな気持ち。


はじめて。


こんなにもずっと一緒にいたいって…

失うのがこわいとか、誰にも取られたくないとか思ってしまうのが。

全部大雅兄がはじめて。


大「俺だってお前を幸せに出来るかは分からない。時にはお前を突き放すようなことをしたりするかもしれない。」

結「私だって……何度も思ったよ。大雅兄が女の人と話したりしてる時。私の大雅兄を取らないで、って…」

大「え？」

結「大雅兄モテるから。いつか離れていってしまうんじゃないかって不安で…。」


大「お前も…一丁前にヤキモチ妬くようになったんだなぁ。」

結「むぅ……。」

大「俺だってそうだよ。榊といる時、陽斗と買い物から帰ってきた時…本当に離れちまうんじゃねぇかって思った。陽斗の時に関してはお前に口聞いてもらえねぇ時期だったしな？」

結「それは……ごめんなさい。でも…1番は大雅兄だよ！」

大「俺も。なぁ。もう少し海の近く行ってみねぇ？どうせだしさ！！」


そう言い出した大雅兄は私の手を引き無邪気に走り出した。

それから私たちはしばらく海で遊んでいた。