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体調不良
大雅side
しおりを挟む「お決まりですか?」
俺は慌てて花屋へと来た。
誕生日が過ぎていたならとりあえず何か渡すべきだ。
クソ…。
本当なんで気付かなかったんだ…。
あいつは俺の誕生日把握してたのに。
俺は自分自身にムカついていた。
大「花とか…買ったことなくて…。」
「どなたにお贈りですか?何か気になる花でもありますか?」
大「彼女に誕生日のプレゼントで…」
そう言いながら俺は店内を見渡した。
「お誕生日なら日にち毎に誕生花とかもご用意出来ますが…」
でも日にちまでは把握してないし…
それに……
俺が気になったのは向日葵の花だった。
明るく太陽のように咲くその姿がなんとも結衣らしい。
大「向日葵…にしようかな。」
「向日葵は“あなただけを見つめる”そんな花言葉なので彼女様にプレゼントするならとてもいいと思います。」
大「じゃあこれを…5本。…いや7本くらいにしようかな。」
「7本ですね。かしこまりました。」
店員さんはニコッと笑顔を見せると丁寧に束ね始めた。
それから会計を済ませすぐに渡すと俺は急いで家へ戻り、結衣の部屋へと行った。
そして今に至る。
結「うん!やっぱりキレイ!大切にするね!」
向日葵を花瓶に飾った結衣はそう言った。
大「近々絶対になんか買ってやっからこれで満足すんなよ!?」
結「気持ちだけで充分だよ。」
遠慮しているのかそう言う結衣。
でもそれじゃ俺の方が嫌だ。
大「ダメだー!」
結「でもなんでわかったの?誕生日。」
と不思議そうな顔で尋ねる結衣に対し、俺はボソリと答えたのだ。
大「星座占い。」
結「占い?」
大「だから、星座聞けばおおよそ分かるだろ。」
結「そんな聞き出し方があったのか…。まんまと引っかかってしまった…。」
大「ばーか。」
結「むっ!!バカって言った方がバカなんだよ!!」
怒った結衣はポコポコと弱い力で俺を叩いてきた。
大「そういえば…結衣少し背中借りてもいいか?」
結「え?背中??」
大「あぁ。ちょっとごめんな。」
そう言うと俺は結衣の背中に耳を当てた。
……やっぱり。
若干だが…喘鳴が聞こえる。
出来るだけ早く吸入器は使っておいた方が良さそうだな。
大「今吸入器あるか?」
結「あるよ。」
大「吸っておけ。」
結「また?」
大「発作が起きるよりはマシだろう。」
結「なんか大雅兄琉生お兄ちゃんみたい。」
大「いいから。」
結「わかったよぉ。」
結衣は少し嫌そうな顔をしながら吸入薬を吸った。
今日は寒暖差の激しい状態だったからな……
これからも夏場や冬場のエアコンのある場所は少し考えなきゃだな。
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