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さらなる試練
結衣side
しおりを挟む目を覚ましてから2日が経過した。
検査の結果結局喘息だと言うことが分かった。
うすうす分かってはいたけど……
そして3日目の朝私は微熱を出した。
琉「37.4℃か……このくらいなら様子見だな。音も悪くないし。」
結「良かった…」
琉「ただ油断は禁物だからな。少しでも息苦しくなったらすぐこの吸入器使うこと。使い方は教えたから分かるな?」
結「大丈夫…。」
ちょっぴり不安だけど……
琉「なんかあったら俺の携帯に電話してくれて構わないし、ナースコール押してもいいから。1人で判断するのは禁止だからな?」
結「分かりました。」
私が笑顔でそう言うと琉兄は
琉「よろしい。」
と言って頭をポンポンと撫でた。
私の頭を撫でる琉生さんの手はとても優しく温かく感じた。
それから1時間経ったくらいだろうか。
看護師さんがやってきた。
看「調子はどうかしら?」
結「あ、大丈夫です!」
看「良かったわ。一応さっき熱出てたからもう一度熱測りましょうね。」
結「分かりました。」
私はその看護師さんから体温計をもらい脇に挟んだ。
看「矢神さんはお友達がたくさんなのね。眠っている間も何人もお友達来てたわよ。」
……そうだったんだ。
そう言えば私の寝てる時の話って聞いてないかも。
大雅兄と瑛斗兄の声は聞こえた気もするけど夢かもしれないし……
結「そう…だったんですね。教えて下さってありがとうございます。」
また心配かけちゃったんだよな。
看「いいのよ。それに琉生先生や太陽先生だって休憩の度に見に来て……愛されてて羨ましいわ。」
結「そんな事…でも皆さんには感謝してます。」
私がそう言った時体温計がピピっとなった。
看「37.5℃か…下がってないから点滴するわね。」
と言って準備し出すその看護師さん。
さっき琉生さんは様子見るって言っていたのに……
疑問に思っていた私を無視するように点滴をし始めた看護師さん。
結「い……」
チクッとするのがいつもより痛く感じる。
…ダメだ。また気持ち悪くなってきた。
でも何でだろう。
瞼も重くて身体が動かない。
看「なんであなたみたいな頭の悪いブスが琉生先生に優しくされるのよ。太陽先生にまで。それにエイトくんも来てたし……あんたみたいなやつ死ねばいいのに……」
そう言い放ち看護師さんは出て行った。
眠い………でも呼吸が苦しい。
ナースコール……はさっきの人来そうだし…
あの看護師さん…。
なんとなく雰囲気が怖かったから…嫌だ。
携帯……は机の上にあるけどそこまで動けなさそうだ。
……どうしよう。
そうだ吸入器!
慌てて取ろうとすると吸入器が手から滑って床に落ちてしまった。
どうしよう………
苦しい。
大「結衣!!」
ガラリと戸が開き大雅兄の声が聞こえた。
来てくれたんだ。
なんで…。
何でいつも助けてくれるのは大雅兄なんだろう。
駆けつけてくれた大雅兄を見て安心した私はそのままゆっくりと目を閉じた。
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