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草むしり〜♪

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ズドドドド!

大きな音ともに地面が抉られていく。

「うぉおおおお‼︎」

僕たちはその音の主から少しでも距離を取ろうと動くが……

ズドドドド!

音は僕たちから少しも離れていない。むしろ近づいている。

『マスター何故ですか⁉︎』

アイは今にも泣きそうな目をしながら僕の横を走っている。

『何故私たちは草むしりなのに草に襲われているのですかァアアア‼︎』

僕たちの後ろには巨大な根っこが人の形をして全力で追いかけていた。




「えっ草むしりですか⁉︎」
「はい草むしりです」
『あの草むしりですか?』
「その草むしりです!」

僕たちはあまりに意外な仕事を言われて思わず何度も聞いてしまった。

「まぁ単純な話、皆さんまだペーペーなので、いくら戦闘が先程の戦いで証明されても数回は街の中の依頼になりますよ」
「なるほど……」

たしかに言っていることはもっともだ。

「ちょっと街から離れた場所にある農家さんの畑の世話ですね~移動も公共馬車で1時間もない場所ですので頑張ってください」
『了解です、さ皆さん行きますよ!』

そう言ってアイは元気よく飛び出していった。

「「「……」」」

僕たち3人は見事置いていかれだけど、

「「「場所聞いてないよね?」」」
「場所は第3区画です、道はヴァンさんについて行くと良いですよー」
「第3区画……あそこか……じゃ行こうか新人くん」
「あっはい」

僕はヴァンさん達の後をついていった。
因みにアイは扉の前「場所聞くの忘れたので聞いてきますね⁉︎」と言ってギルドに戻ろうとしたので僕たちが慌てて止めた。



「第3区角はこの町の農業施設が多い」
「そうなんですか」

僕たち四人は馬車に揺られながら目的地に向かっていた。

「ああ、この街は冒険者以外にも色々な人が来るからな、第4区画まであってそれぞれある程度役割がある第1なら鍛治や製鉄などの工業、第2は俺たちのような冒険者の区画や観光者などを招く商業区画、第4は……何かあったけ?忘れた」
「第4区画は魔法に関する区画だぞ……」

モヒカンさんの区画紹介の部分で足りないのところをシュタインさんが補足した。

「俺らは魔法にあまり縁がなくてな、簡単なやつなら使えるが、よく使うの剣や拳だ」
『へぇ~やっぱり魔獣の討伐ですか?』
「いや最近の主な使用用途は酒場の喧嘩」
『めちゃくちゃ物騒じゃないですか!』
「討伐はな~ここ冒険者が多くてマジで見ないんだよ」
「ヴァンさん達はここの街出身じゃないんですか?」

話の内容からだと他の街も見てる感じだし遠い所から来たのだろうか?

「そうだぞ俺らはな」
「あっ兄貴、依頼場所に着いたぞ」
「よし行くか」
「『気になるところで終わった!』」
「まぁ気にすんな田舎だ田舎」

そう言ってヴァンさん達は場所の御者にお金を払うと降りていった。僕たちも慌ててお金を払って後についていく。

「あれ?俺たちお前らの分も払ったぞ」
「……がめられてた⁉︎」

モヒカンさんはそれを見て腹を押さえてクックッと笑いを堪えていた。
ちくしょー油断してた。

「まぁ反省だな次にいかせ」
『了解です!』
「了解です!」

アイが元気よく返事をする。
僕も釣られて同じように返事をしてしまった。


「おぉ冒険者の方ですな」

畑に着くとそこには恰幅がよく、顎髭が長く伸びていたおじさんがいた。

「そうだ」
「畑はこちらです」

おじさんの案内通りに来てみたら確かに畑があってそこには雑草が生えていた。

「あそこのやつを抜くんですね」

僕はそう言って袖をまくると、

「あー違う違う」

おじさんは手を顔の前で左右に振って否定する。

「お前さん達冒険者はあっち」

そう言って指さす方向にあったのが、

『でか‼︎』

2メートルぐらい長さがある葉っぱが垂れている植物があった。

「えっ⁉︎あれを抜くんですか⁉︎」

村の畑でもあんなでかい雑草ないぞ⁉︎

「そうだ葉っぱを引っ張るだけで簡単に抜けるが」
『了解です‼︎』

おじさんが何かを言い切る前にアイは葉っぱを持ち思いきっり引っ張た。
その瞬間

「我ノ眠リヲ妨ゲルノハ誰ダ」

根っこの方から声が聞こえて高さ3メートルくらいの根っこが出てきた。

「葉っぱを引っ張ると魔獣ネッコーノヒトが出るぞ」
「⁉︎」

何で魔獣が出るんだよ!それにしても安直な名前!

「我ノ眠リヲ妨ゲタノハ貴様カ?」
『あっえっと……』

いきなりすぎる展開にアイも困惑してる⁉︎

「おーい植物さん!」

ヴァンさんが植物を呼ぶ。いや何してんの⁉︎

「お前さんの眠りを妨げたのはそこの嬢ちゃんとこの坊ちゃんだ」

そう言って僕を指さす。

「えっ?」
「貴様タチカァァァ‼︎」
「『あああ違いますぅううう!』」

いやアイは違わないだろ!

「許サンゾォオオオ!」

そう叫ぶとネッコーノヒトは全力で根っこを動かして僕たちの方に向かってきた。
ズドドドドと移動の際に音を立てる。

『マスター!』
「アイぃいい!こっち来んなぁああ!」

追われる瞬間、アイは無我夢中でこっちに走ってきた。

『へへへ……マスター一緒に地獄を切り抜けましょう!』
「やめろぉおお!アイぃいい!」

そして現在に戻る、ネッコーノヒトに追われていて僕たちは逃げ惑っていた。
魔術を使おうにも道具を作る時間がない!
こんなことなら着ている服に魔術を施しとけば良かった!

「頑張れよガキども~」

モヒカンさんが少し離れたところで僕たちに声援を送ってきた。

「……アイ少し時間稼げる?」

僕はアイに目線を送る。

『了解ですマスター!』

アイはすぐに意図がわかったようだ。

「じゃあいくよ離れて!」
『了解!』

僕とアイは二手に素早く分かれる。

『やーい!お前のお母さんラフレシア!』
「すごい独特な悪口⁉︎」

そんなので注目集めれるの⁉︎

「ナンダトォオオオ!」
「すごい集まってる‼︎」

むしろこれまでに無いほど怒ってる!

「て早く準備しないと!」

僕は急いで道具を拾う近くにあったのは石と、どの植物かわからない木の枝数本……

「えっととりあえず……攻撃性のあるやつを」

少し自分でも無理じゃね?と感じてしまったが、急いでやることをやらないと!

「って……ぎゃあああ!お嬢ちゃんこっち来るんじゃねぇええ‼︎」
『マスターの意図はわかりました!「魔獣が暴れて致し方のない犠牲だった」と!』

やばい!魔獣じゃなくて別の意味で作成を急がないと!

「文字効果!“氷風ひょうふう”!」

枝をネッコーノヒトに向けて強い氷の風を起こす。

「アイ!モヒカンさんとこっちに!」
『了解です!』
「うぉ!」

アイはモヒカンさんをお姫様抱っこするとすぐさまその場から離れる。

「オノレ!」

ネッコーノヒトは少し動きが遅くなった程度でアイを追いだす。
植物だから氷に弱いかもと思ってたけど…意味がなかった。

『マスターあとは頼みます!』

アイが僕の横を通り抜けるときに叫ぶ。

「任せて!」

僕はそう言うと石をネッコーノヒトに向かって投げる。

「ソンナ投石ナゾ……」

ネッコーノヒトは僕を嘲笑しようとするが……

ドカン‼︎

凄まじい爆発と共にネッコーノヒトはバラバラになって吹き飛んだ。

「石は魔力を多く貯める」

それをわざと暴発させて大爆発させた。

『やりましたね!マスター!』
「チョップ!」
『イタイ!』

アイが笑顔でこちらに向かってきたので僕は脳天をかち割るようにしてチョップをかます。

『何するですか⁉︎』
「アイ、モヒカンさんやろうとしてたでしょ!」
『えっ⁉︎違うんですか⁉︎私はてっきりモヒカンさんを合法的に……』
「違うわ!」

なんかアイ、モヒカンさんにあたり強くない⁉︎

「いや君たちその前にだね、俺の名前はモヒカンさんじゃ」
「『モヒカンさんは黙ってて‼︎』」
「よぉぉし!ガキどももう容赦せんぞ!」

その後、ヴァンさんとおじさんが僕たちのところに来た頃にはモヒカンさんと僕とアイはボロボロになっていた。

「ネッコーノヒトはそこまで強敵だったか」
「「『いえ全然違います』」」




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