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仲良くなったら何をすべき?
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「秋なんて、おだやか名前だね、性格はアレそうだけど」
このガキ薫はニヤニヤしながらそう言った。
「お前もだろ何が薫だ」
名前負けしてるだろこいつの性格。
「最近のおじさんは失礼なんだな」
それはこちらの台詞だ。
「そういえば何食べてるの?」
そう言って薫はこちらの食べ物を指差す。
食べ物は昨日と同じホットドッグなのだが、こいつもしかして
「お前ホットドッグを知らねぇのか?」
「うん」
「……」
あまりのことに言葉を失った。
病院生活が長いのか知らないことがあることにすごい驚いてしまった。
「……病院じゃ外食止められてるのか?」
「いいや……特になんとも」
「……ちょっと待ってろ」
そう言い先程の販売車に向かい、俺はさっきまで食べてたホットドッグを買った。
「飲み物はオレンジジュースを頼む」
コーラなんかは炭酸が苦手な子どももいるし、誰でも飲めそうなジュースを選ぶ。
「辛!でもうまい!」
持ってきたホットドッグを薫に食べさせると薫は辛さに顔を赤くし、ジュースを飲みながらバクバクと食べはじめた。
辛いのが苦手な可能性を失念していたが、美味そうに食べているし問題はないだろう。
「病院食はあまり美味くない」
「そういうもんだ」
薫が食べ終わった後、ジュースの容器やホットドッグを包んでいた紙を近くのゴミ箱に捨てて、元の位置に戻ると薫がそう言いはじめた。
「久しぶりに食べるって感じだった」
「そうかい」
「また食べたい」
「そんな何日も連続で食べるようなもんじゃない」
「昨日、おじさんも同じように食べてたでしょ」
こいつ、名前を聞いてきたのにおじさん呼びかよ。
しかし、おじさん呼びを気にするほど俺も小さい人間ではない例え二十代であったとしてもだ。
「薫~」
遠くから薫の母親の声が聞こえる。
どうやら時間のようだ。
「今日もありがとう」
「気にするな」
俺はそう言って薫を見送った。
車椅子から車座席に座り直す時、少しおぼつかない感じだったがすぐに座りこちらに手を振っていた。
「……」
車が発進すると同時に俺は帰路についた。
ザァーーー
次の日は雨だった。
その日は流石に外に出る気もなれなかったが、機材の買い出しに行かないといけなかった為に傘を差し出かけた。
部屋から聞く雨の音はなかなか心地いいものだったが実際に外にいくと「はよやめ」と言った感情がうずまく。
「あっ」
機材の買い出しの後にふとなんの気なしに公園によってみた。
もしかしたらと思ったのだ。
流石にこんな雨の日にいるとは思えなかったが。
「お前!」
しかし、薫はいた、傘は一応差していたが車椅子は濡れていた。
「レインコートぐらいしてこいよ!」
俺は慌てて手持ちのタオルを取り出して薫に渡す。
「親は?」
「『今日はいないでしょ?』って言うから試しに来てみた。傘はこっそり借りた」
「泥棒やめろ」
俺はそう言いながら車椅子を押すようにし急いでる病院に送り帰す途中だった。
「なにしてるのぉ‼︎みんな心配したのよ⁉︎」
以前見た車がこちらに走ってきて、自分達の目の前に止まると窓から薫の母が出てきた。
「さぁ早く乗って‼︎」
「……」
それに対して薫はシブシブ車に乗って行った。
すいませんすいませんと繰り返す母を俺は大丈夫です。大丈夫です。と答えてすぐに病院に帰した。
その翌日、俺は公園には行かなかった雨の日なのに車椅子を押す時に雨に当たりすぎたのか風邪をひいてしまったからだ。
「う……」
俺はガンガンと響くような頭痛を受けながらぼんやりとお粥を作る、白がゆだけは嫌だから卵とネギを入れて混ぜ多少塩を入れることで食べやすくした。
(風邪をひくなんて何日ぶりだろう)
お粥を食べながらふと昔の光景を思い出す。
その時にはここはかなり狭かった。
しかし、そこには確実に心地よい賑やかさがあった。
次の日には体調が良くなってきた。
「懐かしい夢を見た気がする」
あの時、ぼんやりした頭の中でなにを考えていたのだろうか。
しかし、念のために俺は公園には行かなかった。
そして、完全に体調が回復した日に公園に向かった。
すっかり薫と喋ることが日常の一部になっているのかもしれないと感じた。
しかし、その日は薫は来なかった。いやその日から何日たって薫は来なかった。
俺はホットドッグとコーラを食べ終えると帰る日々を続けていた。
そして、ふと冷静に考えると勝手に病院に抜け出すようになるなら病院側も対策するかと思い、俺はその日が続いてようやく公園に行くのはやめた。
そこから何日かした後、俺は食材を買いに近くのスーパーに向かった。
スーパーと言っても商店街のような感じでスーパーの他にも生活必需品が売っていたりしたが、それより目を引いた物があった。
「花か」
花屋がそこにはある。
「どうかしましたか?客さん」
花屋には眼鏡をかけオリジナルエプロンを身につけたいかにも優男というべき若い男性が仕事をしていた。
「なんか気になる花でもありますか?」
「いやなんでもないです」
そう言って、花屋からそそくさと離れようとしたが、
「まぁ待ってください」
「ぅ」
肩をガッと掴まれたことによって引き戻される。
「あなたは花を贈るような人はいませんか?」
「はぁ⁉︎いきなりなんの話」
花屋は「さぁさぁ」と促しながら花屋の奥に連れて行く。そこにはフラワーキーパーの中で生き生きとした花が並んでいた。
「すいません。引き止めてしまって」
「まったくです」
トゲトゲした言い分にもこの男はニコッと笑顔で受け流した優男でイケメンだからかもしれないがそれで許してくれるのは面食いな奴だけだ。
すぐに帰ろうと思ったが、それでも一つの花に目が行った。
「それはダイヤモンドリリーですね」
「ダイヤモンドリリー」
そこにあった花は一枚一枚が細く今にも千切れてしまいそうだったが、その花びらは光受けることで少し輝いているように見えた。
「これを」
ダイヤモンドリリーを指差しながら店員さんに言った。
「この花で花束を作ってほしい」
「かしこまりました」
店員はそう言いながら、なれた手つきでささっと花束を作る。そこには先程の花以外にもオレンジ色の薔薇だろうか?が入っていたりした。
「ダイヤモンドリリー?だったかそれ以外の花は頼んでいないが」
「いえいえ、一つだけでは寂しいですよ」
「……」
それもそうかと思い。お会計を済ませた。
そして、そのまま真っ直ぐ俺が向かったのは。
「よう」
「よう」
薫の病室だった。
こいつを一回運んだきりだったが簡単に病院にも行けたし簡単に訪問も出来た。
「ほら」
「ぶっ」
花束を薫の顔面に埋めるようにして渡してしまった。
「へぇ綺麗じゃん」
薫はそう言うと嬉しそうに花瓶に花束を移した。
そこの花瓶にはさっき買った花以外にも多くの花束があった。きっとこいつは人気者だったんだろう。
「学校ではさ結構、友達が多かったんだ」
「ほぉ」
「先生たちからやっかいな奴らだと思われたかもしれないけど」
「いつの時代もそういったガキがいるのか」
「おじさんにも子ども時代があったんだ」
「あるわ、校庭で爆竹や打ち上げ花火を上げようとして停学になった」
「何してんの⁉︎」
「いやだから、校庭で」
「ちがう!」
俺たちはその後も談笑に興じていた。
話の内容は至って単純な物で「公園に来れなかったのは周りが心配したから」や「学校では歴史が1番嫌いな分野」だとかを話していた。
悪くない時間だった。
「あのさ」
「なんだ」
しかし、それも長くは続かなかった、悪くない時間をやめたのは俺自身だった。
「あんたに聞きたいことがあってさ」
「……なんだよ」
薫は言葉をとめた、子ども特有の好奇心からくるキラキラした目線を男に向けた。
「あんたSilver Soldierに出てた?」
「……」
『Silver Soldier』それは仮想の肉体を持ち用意された場で戦うリアルバトルロワイアルゲーム。かつては戦争で使われた技術でもあり、それを大衆向けに変えたゲーム。多くの人が知っており、多くの人がそのゲームのプレイヤーだ。
「随分前の試合の記録だけどさ、ずっと強いやつがいてあんたがその人に似てる」
「やめてくれ」
そう言って、彼は薫の発言に静止をかける。
薫の目からはキラキラした表情が消えて少し青くなった。きっと今の俺の表情を見たからだろう。
「……」
「俺はあいつなんか知らない」
そう言って、彼は立ち上がり病室を後にした。
「私は!」
離れているその場から薫の声が彼に響く、
「その人の戦う姿がかっこいいって思えた」
しかし、それに対して俺は何も言わずただただ無言で外に出て行った。
このガキ薫はニヤニヤしながらそう言った。
「お前もだろ何が薫だ」
名前負けしてるだろこいつの性格。
「最近のおじさんは失礼なんだな」
それはこちらの台詞だ。
「そういえば何食べてるの?」
そう言って薫はこちらの食べ物を指差す。
食べ物は昨日と同じホットドッグなのだが、こいつもしかして
「お前ホットドッグを知らねぇのか?」
「うん」
「……」
あまりのことに言葉を失った。
病院生活が長いのか知らないことがあることにすごい驚いてしまった。
「……病院じゃ外食止められてるのか?」
「いいや……特になんとも」
「……ちょっと待ってろ」
そう言い先程の販売車に向かい、俺はさっきまで食べてたホットドッグを買った。
「飲み物はオレンジジュースを頼む」
コーラなんかは炭酸が苦手な子どももいるし、誰でも飲めそうなジュースを選ぶ。
「辛!でもうまい!」
持ってきたホットドッグを薫に食べさせると薫は辛さに顔を赤くし、ジュースを飲みながらバクバクと食べはじめた。
辛いのが苦手な可能性を失念していたが、美味そうに食べているし問題はないだろう。
「病院食はあまり美味くない」
「そういうもんだ」
薫が食べ終わった後、ジュースの容器やホットドッグを包んでいた紙を近くのゴミ箱に捨てて、元の位置に戻ると薫がそう言いはじめた。
「久しぶりに食べるって感じだった」
「そうかい」
「また食べたい」
「そんな何日も連続で食べるようなもんじゃない」
「昨日、おじさんも同じように食べてたでしょ」
こいつ、名前を聞いてきたのにおじさん呼びかよ。
しかし、おじさん呼びを気にするほど俺も小さい人間ではない例え二十代であったとしてもだ。
「薫~」
遠くから薫の母親の声が聞こえる。
どうやら時間のようだ。
「今日もありがとう」
「気にするな」
俺はそう言って薫を見送った。
車椅子から車座席に座り直す時、少しおぼつかない感じだったがすぐに座りこちらに手を振っていた。
「……」
車が発進すると同時に俺は帰路についた。
ザァーーー
次の日は雨だった。
その日は流石に外に出る気もなれなかったが、機材の買い出しに行かないといけなかった為に傘を差し出かけた。
部屋から聞く雨の音はなかなか心地いいものだったが実際に外にいくと「はよやめ」と言った感情がうずまく。
「あっ」
機材の買い出しの後にふとなんの気なしに公園によってみた。
もしかしたらと思ったのだ。
流石にこんな雨の日にいるとは思えなかったが。
「お前!」
しかし、薫はいた、傘は一応差していたが車椅子は濡れていた。
「レインコートぐらいしてこいよ!」
俺は慌てて手持ちのタオルを取り出して薫に渡す。
「親は?」
「『今日はいないでしょ?』って言うから試しに来てみた。傘はこっそり借りた」
「泥棒やめろ」
俺はそう言いながら車椅子を押すようにし急いでる病院に送り帰す途中だった。
「なにしてるのぉ‼︎みんな心配したのよ⁉︎」
以前見た車がこちらに走ってきて、自分達の目の前に止まると窓から薫の母が出てきた。
「さぁ早く乗って‼︎」
「……」
それに対して薫はシブシブ車に乗って行った。
すいませんすいませんと繰り返す母を俺は大丈夫です。大丈夫です。と答えてすぐに病院に帰した。
その翌日、俺は公園には行かなかった雨の日なのに車椅子を押す時に雨に当たりすぎたのか風邪をひいてしまったからだ。
「う……」
俺はガンガンと響くような頭痛を受けながらぼんやりとお粥を作る、白がゆだけは嫌だから卵とネギを入れて混ぜ多少塩を入れることで食べやすくした。
(風邪をひくなんて何日ぶりだろう)
お粥を食べながらふと昔の光景を思い出す。
その時にはここはかなり狭かった。
しかし、そこには確実に心地よい賑やかさがあった。
次の日には体調が良くなってきた。
「懐かしい夢を見た気がする」
あの時、ぼんやりした頭の中でなにを考えていたのだろうか。
しかし、念のために俺は公園には行かなかった。
そして、完全に体調が回復した日に公園に向かった。
すっかり薫と喋ることが日常の一部になっているのかもしれないと感じた。
しかし、その日は薫は来なかった。いやその日から何日たって薫は来なかった。
俺はホットドッグとコーラを食べ終えると帰る日々を続けていた。
そして、ふと冷静に考えると勝手に病院に抜け出すようになるなら病院側も対策するかと思い、俺はその日が続いてようやく公園に行くのはやめた。
そこから何日かした後、俺は食材を買いに近くのスーパーに向かった。
スーパーと言っても商店街のような感じでスーパーの他にも生活必需品が売っていたりしたが、それより目を引いた物があった。
「花か」
花屋がそこにはある。
「どうかしましたか?客さん」
花屋には眼鏡をかけオリジナルエプロンを身につけたいかにも優男というべき若い男性が仕事をしていた。
「なんか気になる花でもありますか?」
「いやなんでもないです」
そう言って、花屋からそそくさと離れようとしたが、
「まぁ待ってください」
「ぅ」
肩をガッと掴まれたことによって引き戻される。
「あなたは花を贈るような人はいませんか?」
「はぁ⁉︎いきなりなんの話」
花屋は「さぁさぁ」と促しながら花屋の奥に連れて行く。そこにはフラワーキーパーの中で生き生きとした花が並んでいた。
「すいません。引き止めてしまって」
「まったくです」
トゲトゲした言い分にもこの男はニコッと笑顔で受け流した優男でイケメンだからかもしれないがそれで許してくれるのは面食いな奴だけだ。
すぐに帰ろうと思ったが、それでも一つの花に目が行った。
「それはダイヤモンドリリーですね」
「ダイヤモンドリリー」
そこにあった花は一枚一枚が細く今にも千切れてしまいそうだったが、その花びらは光受けることで少し輝いているように見えた。
「これを」
ダイヤモンドリリーを指差しながら店員さんに言った。
「この花で花束を作ってほしい」
「かしこまりました」
店員はそう言いながら、なれた手つきでささっと花束を作る。そこには先程の花以外にもオレンジ色の薔薇だろうか?が入っていたりした。
「ダイヤモンドリリー?だったかそれ以外の花は頼んでいないが」
「いえいえ、一つだけでは寂しいですよ」
「……」
それもそうかと思い。お会計を済ませた。
そして、そのまま真っ直ぐ俺が向かったのは。
「よう」
「よう」
薫の病室だった。
こいつを一回運んだきりだったが簡単に病院にも行けたし簡単に訪問も出来た。
「ほら」
「ぶっ」
花束を薫の顔面に埋めるようにして渡してしまった。
「へぇ綺麗じゃん」
薫はそう言うと嬉しそうに花瓶に花束を移した。
そこの花瓶にはさっき買った花以外にも多くの花束があった。きっとこいつは人気者だったんだろう。
「学校ではさ結構、友達が多かったんだ」
「ほぉ」
「先生たちからやっかいな奴らだと思われたかもしれないけど」
「いつの時代もそういったガキがいるのか」
「おじさんにも子ども時代があったんだ」
「あるわ、校庭で爆竹や打ち上げ花火を上げようとして停学になった」
「何してんの⁉︎」
「いやだから、校庭で」
「ちがう!」
俺たちはその後も談笑に興じていた。
話の内容は至って単純な物で「公園に来れなかったのは周りが心配したから」や「学校では歴史が1番嫌いな分野」だとかを話していた。
悪くない時間だった。
「あのさ」
「なんだ」
しかし、それも長くは続かなかった、悪くない時間をやめたのは俺自身だった。
「あんたに聞きたいことがあってさ」
「……なんだよ」
薫は言葉をとめた、子ども特有の好奇心からくるキラキラした目線を男に向けた。
「あんたSilver Soldierに出てた?」
「……」
『Silver Soldier』それは仮想の肉体を持ち用意された場で戦うリアルバトルロワイアルゲーム。かつては戦争で使われた技術でもあり、それを大衆向けに変えたゲーム。多くの人が知っており、多くの人がそのゲームのプレイヤーだ。
「随分前の試合の記録だけどさ、ずっと強いやつがいてあんたがその人に似てる」
「やめてくれ」
そう言って、彼は薫の発言に静止をかける。
薫の目からはキラキラした表情が消えて少し青くなった。きっと今の俺の表情を見たからだろう。
「……」
「俺はあいつなんか知らない」
そう言って、彼は立ち上がり病室を後にした。
「私は!」
離れているその場から薫の声が彼に響く、
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