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朝霧2

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「…好きだ」

 あまりの自然な告白に亮は驚いた。亮は一瞬、胸が弾んだが、言葉を素直に落とし込めないでいた。
 なんせ相手はあの高瀬優璃だ。
 あの優璃が自分にこんな言葉を捧げてくれる筈がないと、すぐに考える。とろけるような囁きも優璃の経験値を考えれば造作もない事で、真に受けるのは危険だ。
 優璃の締め付ける腕は強くて、思った以上に亮は身動きがとれないでいた。
 香ってくる優璃の匂いに、なんともいえない気持ちになる。
 夜はとっくに開けたのに、優璃は、まだこうして自分に情を注いでくれる。
 甘い言葉を囁かれる度に心がざわつき、優璃を独占しているんだという優越感に浸ってしまう。

「…!」

 隙をつき、優璃が亮にキスをする。
 優璃は昨日の夜を思い出させるように舌を濃厚に絡ませた。

「…っ……」 

 優璃は一旦、唇を放し、綺麗な顔でまっすぐ亮を見る。

「なあ…」

「俺にしとけよ」

 低い声だ。

「返事は?」

「……!」

「…………え、えと……」

「俺とか……タイプじゃない?」

「……そんなんじゃ……っ」

 深い口付けのせいで再び亮の身体は熱を持ち始めた。優璃の唇を素直に欲しがり、下部が疼く。
 亮はなるべく優璃と目を合わさないようにゆっくりと声を出す。

「……あの…………」

「……………俺……」

「……嫌われてると思ってた」


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