[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる

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雨と泥水

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 午前5時。

 目を覚ました優璃は、傍らで眠る男の顔を覗きこんだ。
 乱れたやわらかい髪の毛から睫毛を覗かせた寝顔がそこにあった。昨晩の無理もあって、深い眠りについているようだ。
 数時間前、淫らに声を上げ目を腫らせていた亮の顔は、今では無垢で幼い聖女のような表情になっている。

 (…まるで魔性だな)

 優璃は軽く眉を寄せ、困惑の表情をみせた。目の前の寝顔と昨夜の色っぽさのギャップにやられている。
 甘い声で優璃のが欲しいと懇願し、奥をついてやると新鮮に反応した。優璃の名を呼びながらあられもなく腰を使い、素直にイってしまう亮のなんと可愛い事か。
 優璃は改めて亮を観察した。何度見ても飽きがこない顔だった。亮の天性の整った中性的な顔つきが造作もなく胸にくる。

 今思えば、こんなに心を奪われる事は初めてではない。十年ほど前にも優璃は、今と変わらない想いを中学時代の亮に抱いていた。

 あれは今と同じ、湿度が高まる初夏の時期だった。
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