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王子と唐揚げとボク5
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(高瀬……)
高瀬は遠い席で脚を組み、コンビニのおにぎりを食べている。
呼びかける日野の顔をチラリと見るなり、何故か怪訝な表情を見せた。
(えっ…なんか機嫌悪そ…)
高瀬は日野を無視して片方の手に持っているケータイに顔を落とす。
「おっ、みいこの弁当、チーズ入ってんじゃん!」
高瀬の無視に、全く気にも止めず日野は向かいの女子の弁当を指差す。
「うわ、すげーな」
「え?普通じゃん」
「ちょー、うらやましい顔すんなよ牧野」
「アハハハハ」
和田のツッコミもあって、周りがまた盛り上がる。
「みいこ悪いんだけど牧野のおかずとチーズ、交換してやってくれ!唐揚げ以外で!」
「アハハハ、いいよ!」
「天使来た!」
「え、ほんとに?」
「いいよ、てかおかずいらんしっ」
「バカだなあみいこ、トレードする事が大事なんじゃん」
「日野君、誰ー」
「じゃあインゲンちょーだい」
「私も交換する!」
「まじで、やった!」
「すげーな!ちょー豪華になってんじゃん」
(…ほんとだ)
二品内容が違うだけでガラリと様変わりした弁当箱に亮は感動する。
「牧野!次はあの島狙うぞ!」
「えっ、?」
日野は楽しそうに顔を亮に向ける。
「もう俺、おかず…いいって」
「いいからっ」
日野は嫌がる亮の袖を引っ張って行く。
( えっ)
連れて行かれたのは高瀬のところだった。
( えっ…ちょっと…)
日野は高瀬の手元にあるコンビニの袋をそのまま亮に差し出す。
「これやるよ」
(ちょっと待って…意味が分からない…)
袋をひろげると、一本のフランクフルトが入っている。
「日野の食うヤツ?」
「はあ?俺のなんだけど」
高瀬が初めて声をあげた。
( ダメじゃん!)
「おま、さっきまでいらねえって言ったくせに!」
( おいっ…なんかやべえ空気じゃね……?)
「……もういい」
日野が反論に対して、どうやら高瀬にも否はあるようだ。
コンビニ袋の中身に関しては日野が食べてもいい雰囲気だった。
早々に舌戦はあきらめたらしい。
「牧野、気にすんな」
日野が亮の肩に手をやりあっけらかんとつぶやく。
( 思いっきり気にするんですけど!)
高瀬は遠い席で脚を組み、コンビニのおにぎりを食べている。
呼びかける日野の顔をチラリと見るなり、何故か怪訝な表情を見せた。
(えっ…なんか機嫌悪そ…)
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「おっ、みいこの弁当、チーズ入ってんじゃん!」
高瀬の無視に、全く気にも止めず日野は向かいの女子の弁当を指差す。
「うわ、すげーな」
「え?普通じゃん」
「ちょー、うらやましい顔すんなよ牧野」
「アハハハハ」
和田のツッコミもあって、周りがまた盛り上がる。
「みいこ悪いんだけど牧野のおかずとチーズ、交換してやってくれ!唐揚げ以外で!」
「アハハハ、いいよ!」
「天使来た!」
「え、ほんとに?」
「いいよ、てかおかずいらんしっ」
「バカだなあみいこ、トレードする事が大事なんじゃん」
「日野君、誰ー」
「じゃあインゲンちょーだい」
「私も交換する!」
「まじで、やった!」
「すげーな!ちょー豪華になってんじゃん」
(…ほんとだ)
二品内容が違うだけでガラリと様変わりした弁当箱に亮は感動する。
「牧野!次はあの島狙うぞ!」
「えっ、?」
日野は楽しそうに顔を亮に向ける。
「もう俺、おかず…いいって」
「いいからっ」
日野は嫌がる亮の袖を引っ張って行く。
( えっ)
連れて行かれたのは高瀬のところだった。
( えっ…ちょっと…)
日野は高瀬の手元にあるコンビニの袋をそのまま亮に差し出す。
「これやるよ」
(ちょっと待って…意味が分からない…)
袋をひろげると、一本のフランクフルトが入っている。
「日野の食うヤツ?」
「はあ?俺のなんだけど」
高瀬が初めて声をあげた。
( ダメじゃん!)
「おま、さっきまでいらねえって言ったくせに!」
( おいっ…なんかやべえ空気じゃね……?)
「……もういい」
日野が反論に対して、どうやら高瀬にも否はあるようだ。
コンビニ袋の中身に関しては日野が食べてもいい雰囲気だった。
早々に舌戦はあきらめたらしい。
「牧野、気にすんな」
日野が亮の肩に手をやりあっけらかんとつぶやく。
( 思いっきり気にするんですけど!)
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