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月の回廊5
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ガチャ…
兵士「今晩はこの部屋を使え」
兵士「では、私はこれで…」
オレオ「…あ、はい…恐れ入ります」
ガチャ、
オレオ「はあ…」
オレオ「部屋…?…部屋っていうよりは、まるで独房のように狭い場所だ…」
オレオ「……?」
オレオ(…なんだ…夜なのに…明るいな)
(…そうか…月が出ているのか……)
(そういえば歩いて来る廊下が青白くまぶしかった…)
(……月…か…)
(…小さな窓からじゃどの方角に出ているのか見えないな…)
(……はあ)
(…会いたい……)
(…会いたいなあ…)
オレオ「……」
オレオ「…ハッ!」
オレオ「弱気になるな!自分!」
オレオ(いつまでも、俺がアレク殿下に惚けてばかりいるからこんな事になるんだ!)
オレオ「そうだ、一回話を整理しよう」
オレオ「アレク殿下の弟、ギル殿下が西の街にいる。俺はギル様が裏切りを起こさないか見張り役として、ギル様のハレムに行けと命じられた…」
オレオ「ギル様が黒だと分かった時、俺は何らかの対処をしなければいけない…」
オレオ「……」
オレオ「…ああっ!やっぱり出来ない」
オレオ「ってか、アレク殿下は本当にこんな事を望んでいるんだろうか…」
オレオ「……」
オレオ「…分かる訳がないよな…俺はずっとアレク様の元で働きながらあの方の本音など聞いた事も無いんだった…」
オレオ(俺はあの人の事を何も知らない…)
(…そもそも住む世界も違う、手が届く訳でもないのだから、詳しく知っても辛くなるだけだ…)
(これからも俺があの人を分かる機会はない…月が今何処に出ているのか分からないように…モノが違うんだ…)
オレオ「やめよう、これ以上考えるのは」
オレオ「だって…辛すぎる」
オレオ「…片思いが辛すぎる」
オレオ「現実から逃げたい…てか逃げていたのか?」
オレオ「くそっ…!いっそのこと草にでもなってやりたい…」
ガバッ(毛布をかぶる音)
兵士「今晩はこの部屋を使え」
兵士「では、私はこれで…」
オレオ「…あ、はい…恐れ入ります」
ガチャ、
オレオ「はあ…」
オレオ「部屋…?…部屋っていうよりは、まるで独房のように狭い場所だ…」
オレオ「……?」
オレオ(…なんだ…夜なのに…明るいな)
(…そうか…月が出ているのか……)
(そういえば歩いて来る廊下が青白くまぶしかった…)
(……月…か…)
(…小さな窓からじゃどの方角に出ているのか見えないな…)
(……はあ)
(…会いたい……)
(…会いたいなあ…)
オレオ「……」
オレオ「…ハッ!」
オレオ「弱気になるな!自分!」
オレオ(いつまでも、俺がアレク殿下に惚けてばかりいるからこんな事になるんだ!)
オレオ「そうだ、一回話を整理しよう」
オレオ「アレク殿下の弟、ギル殿下が西の街にいる。俺はギル様が裏切りを起こさないか見張り役として、ギル様のハレムに行けと命じられた…」
オレオ「ギル様が黒だと分かった時、俺は何らかの対処をしなければいけない…」
オレオ「……」
オレオ「…ああっ!やっぱり出来ない」
オレオ「ってか、アレク殿下は本当にこんな事を望んでいるんだろうか…」
オレオ「……」
オレオ「…分かる訳がないよな…俺はずっとアレク様の元で働きながらあの方の本音など聞いた事も無いんだった…」
オレオ(俺はあの人の事を何も知らない…)
(…そもそも住む世界も違う、手が届く訳でもないのだから、詳しく知っても辛くなるだけだ…)
(これからも俺があの人を分かる機会はない…月が今何処に出ているのか分からないように…モノが違うんだ…)
オレオ「やめよう、これ以上考えるのは」
オレオ「だって…辛すぎる」
オレオ「…片思いが辛すぎる」
オレオ「現実から逃げたい…てか逃げていたのか?」
オレオ「くそっ…!いっそのこと草にでもなってやりたい…」
ガバッ(毛布をかぶる音)
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