家庭的な嫁さん

花森 雲空

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うつ病の彼方

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彼方のうつ病に理解をするために、本や情報はいらないと私は感じていた。

だって彼方は彼方だもの。

むしろ、病名がわかってよかった。

食欲がないというし、仕事をやめて申し訳ないというし、そんなのどうにでもなるよ!

虚ろ下に窓から遠くを眺めている彼方。



「おうどん作るよ!お薬飲んでみよう?余ったら私が食べてあげるからね」

私と彼方は、大学の時の知り合いだった。

卒業したら結婚しようねって、約束して自然に結婚。

式も上げてないけど、写真は撮ってある。

急に心にが風邪引いただけではないかななんて。

「彼方!少し食べて見よう!かきあげだよ!」



ゆっくり動く彼方。うどんを食べだしている。

私は薬の説明書を読みながら、用意をした。

(眠気がきますか。そうだ!)

「ごちそうさま」

少しは食べれたみたいだ。よかった!

薬を飲ませて、彼方をベッドに横に寝かせた。

「私、買い物にでてくるから、なんでも連絡してきてね!疲れたんだよ。眠たくなったら寝てね」

エプロンを取り、優しく彼方の頭を撫でた。

事前に、友人の緑に会いに行く約束をしていたのだ。

眠ったのを確認して、歩いて10分の緑のマンションに自転車で急いだ。

「ごめんね、緑。お邪魔して。この子達!」

それは、うさぎの赤ちゃんだった。

「セットは用意してあるから、車で連れて行く。仕事はどうするのよ?」

10月の風を浴びた体に、ミルクティーが染みる!

「心理カウンセラーいかして、悩み相談とか、家でできる仕事探すのと、断捨離するのに、トランクルームに預けてある服や家具とか売っていく」

緑は元気なうさぎをとり、ケースに入れていた。

「うちの旦那さんもさ、彼方くんみたいにやめてきたら、私は怒鳴るかもしれないわ!」

私は笑った!

「人はそれぞれだよ!ありがとうね!」

ごちそうさまをいい、先に自転車で家に帰ることにした。

そして、玄関前で緑を待つことに。

「お待たせ!元気な子だからよろしく!またね!」

そうっと玄関を開け、中に迎え入れた。

「彼方!可愛い家族増えたよ!」


 
「いいの!?スノー!スノーにしよう」

大きなやさしい手に掴まれたスノーに、忘れかけていた彼方の笑顔が戻った!

トイレや、ゲージを用意して、チモシーを敷いた。

よし、私も2倍は頑張ろう!

そう思えるスタートをきった一日だった。



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