Polyamoly(ポリアモリー)

花森 雲空

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柊草子(ひいらぎそうし)との出会い

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10月になる前に、田辺弁護士としっかり話をして、毎月の支払いと、多額な慰謝料を請求することができた。そして、二度と会わないことも。

「色々と、ありがとうございました」

私は、知らない涙が頬を伝ったのを覚えた。

深々とお辞儀をして、玄関が閉まり、鍵をかけた。

太一にメールをしようとも思ったが、やめることにした。

理由をつけなくていいのに、優しい風は心を埋める様にやってきてくれる。

ポルシェ911に乗るのは夢でもあった。

有名な曲にでてくる女性みたいになりたかったからだった。

うんと我慢した分、冬に向かうけれど、強く咲く花になりたい!

車を飛ばし、ファッションビル街に着き、コインパーキングに車を止めた。

私は昔から人と同じものを持つことが、好きではなかった。

一点ものしかない、ブランドショップを周りながら、冬に向けての支度をした。

「こんなものかな!」と、ベンチに座り携帯をいじった。

「太一。いつ来るか教えてね!好きな料理作るから」

メールを送信して、車に向かおうとした。



「センスのいい紙袋ばかりやね!男物がないいうことは、横空いてるな!俺と一緒で黒服好きみたいやし!名前は、柊草子(ひいらぎそうし)」34歳!」

明るい雰囲気が似合わない感じの人だと、少し笑ってしまった。

「私は、静芽桃。28歳。一度、死んでるの」

二人は一瞬止まり、大笑いをした。

「今度の16日で、俺な!35歳になんねん!よかったら、パーティーに来て!」

招待状をもらい、待ってんで!と、帰ってしまった。



「んで、ドレス着たことないからわからへんと。ウエディングドレス以外にしろよ!ドレスは用意してやるから!おかわりっ!」

もう、日本酒空くよ!?一升瓶だよ!!

ヤキモチかな?

コップに注いで、パジャマをだした。

「お風呂は朝にシャワー浴びて!体に悪いからね」

無理矢理、太一を立たせてパジャマに着替えさせようとした。

「んっ!?今日は寝かせられへんかも」

反応している。

お酒飲んだら起たなくなるとか聞いたけど。

「きゃっ!びっくりするでしょ!?」

お姫様抱っこをされ、ベッドの上におろされた。

揺れる度に鳴る、ネックレスの指輪が激しく鳴り響いた。


翌朝

起きたら太一はいなかった。

ラインが入っているのに気づいて見てみると、

「もし、Hしても比べるなよ!連絡する!」

台なしだっ!!もうっ!

こんなタヌキ顔、好いてくれるのはいない。

体つきがいいわけでもない。

「可愛くなる努力をするしかないのよっ!」

私は、シャワーを浴びにいった。



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