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飲み会②
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残業組もそろったという事で改めて今日何度目かの乾杯コールが響き渡る。きっと廊下にまで声が漏れてるだろうけど酔っ払いたちにそんなの関係ない。一斉に酒を煽ると大学時代の無茶な飲み方をしたのを思い出してしまう。なんだろう、社会人になってもノリはほどんど変わらないな。
教育学部出身とはいえ、全員が全員教職に就く訳じゃない。
けどやっぱり圧倒的にそういった職種の人間が多くて、こうして久しぶりに集まるとなると結果的に仕事の話が多くなってしまうわけで。
「……っでさぁ、俺のとこの教頭がまじで頭硬くて最悪なんだよ」
何杯目かのビールを煽ると、母校に赴任したという友人の1人がべしゃりと崩れ落ちた。
「俺のいた頃と校則変わってないの。今時こんなん無意味でしょって進言しても全然聞いてくれないし」
「いや新任で直談判したお前すげえよ。俺は無理」
「俺の教育担当のじじい、絶対俺の事嫌いでさ、何かにつけて嫌味言ってくんのまじウザいのなんのって」
「私はお局に嫌われてるみたい。若いからって恰好派手って毎日怒られる……はぁ」
(ぐ、愚痴大会みたいになってる……)
新任として赴任してはや数ヶ月。みんな色々溜まっていたようで話す口は止まらない。
というか酔っ払い半分だからみんな好き勝手話してるって感じだな。
みんな溜まってるようだし俺は愚痴るような事もほとんどないから聞き専に徹する。誰も頼まないからと好き勝手頼んだ料理をつまみつつ適当に相槌を打っていると、俺の反応が気になったのか1人が「っていうかさぁ」と口を開いた。
「津木は?さっきから飯くってばっかじゃん」
「そうじゃん。お前も色々あるだろ話しちまえよ」
「え?あ、いや俺は……」
「こんな場で遠慮とかいいから!」
「いや、本当になんてないっていうか」
どうしよう。ここで「俺は愚痴とか特にない」とか言うと流石に角が立つよな。
愚痴とは言えせっかく盛り上がっていた所に水を差すみたいになってしまうだろうし、「お前らとは違う」と言ってるように捉えられてしまったら……。
“あいつ嫌いなんだよなー。なんか俺は人とは違います、って顔で回り見下してんの丸わかり”
心底嫌そうに吐き捨てたあの時の彼の顔が脳裏にちらつく。
違うのに……もう何年も前の事だしあの時のあいつらとは違うのに。
でももし俺の言動があの時と同じような感情を抱かせてしまったら……。
「あ、えっと……」
どうしよう。なんて返すのが正解なんだろう。
直前まで酒を飲んでたはずなのに口の中がカラカラに乾いて無意識に生唾を飲む。
「本当に何もないから気にせず聞かせてくれ」と笑って誤魔化そう。意を決して口を開きかけたその時だった。俺が声を発するよりも早く小芝のよく通る声が俺の発言に被さる。
「もーーーあんたら飲み過ぎ!さっきから同じ話ばっかじゃん」
ダンっとグラスで机を鳴らすとそれまで俺に向いていた視線が一気に小芝へと集まる。ふくれっ面をした彼女の発言で冷静になったのか、数人が気まずそうにそっと視線をそらした。
「ていうか愚痴もわかるけどそればっかだと気分が滅入るって。せっかく同期会なのに」
「……たしかに、そうだよな」
「悪い、色々溜まってて……」
「別に愚痴言うなとは言わないって。もっと楽しい話とか笑える話とかも聞かせてって事。やべえ上司とかいないの?」
「っはははは、やべぇ上司ってなんだよ!」
「私のとこにいるからさぁ。後で話したげるわ。小芝ちゃんのすべらん話」
「ぎゃははははっ!お前自分でハードル上げんなよ」
(……すげぇ。一気に空気変わった)
彼女のこんな所にずっと助けられていた。
肝心な所で変われてない自分を彼女のはきはきした性格と物言いで何度も助けてもらった。こんな風に発言1つで周囲を変える事なんて俺にはとてもできない。飲み会の時の三戸先生もだけど、これができる人は凄いと思う。
(俺、皆に助けられてばっかだな)
思考が落ちかけた時、隣で俺の名前を呼ぶ声にハッと顔を上げる。
小芝達が突然ぼーっとしだした俺を心配そうに見つめていた。その雰囲気にさっきまでの詰め寄る感じは一切感じない。
「あ、悪いちょっとぼーっとしてた」
「マジかよお前もう眠いとか言わないだろうな。今日はまだこれからだぞ!」
「ほんと久しぶりに浴びるように飲んでやるって決めてんだからな。帰さねえぞ!」
「いや帰してくれよ。飲むなら勝手に飲めって」
ワッと盛り上がる席。良かった楽しそうな雰囲気に戻った。
こっそり安堵のため息をつくと、何か言いたげな小芝と目が合う。首を傾げるとナチュラルメイクを施した瞳が意味ありげにパチリ、と瞬く。
「津木は相変わらずだねぇ」
「……悪い、助かった」
「何の事?愚痴に飽きてきたから活入れただけだけど?」
あくまで俺を助けてくれたとは言わないらしい。
そんなところも含めて彼女には助けられっぱなしで、そんな感情を全部込めてただ一言「ありがとな」と呟く。
「ところで津木は?今の所どんな感じなの?」
「え、俺?別に普通だけど」
「そういう事じゃなくって!楽しい事とか苦労してる事とかなんかあるでしょ?!」
「苦労……そうだな、授業準備はいまだにちょっと苦労してるな」
「あーー分かるわ。あれほんと終わんない。授業してみたらぜんっぜん予定通りに行かないし」
「なになに?なんの話?」
「授業準備苦手って話」
小芝の隣の奴は身に覚えがあったのか「あああわっかるわーー!」と叫ぶ。その声に一旦は落ち着いた面々も次々と会話に戻ってきた。
「教育実習でも思ったけどほんと授業って思い通りに行かないよな」
「まず生徒が手上げないし、問題解かせてたらめっちゃ時間押すし」
「俺いっつも予定の所まで終わらなくて最後間に合わず終わっちまうんだけど……」
「……あ。それ俺も前までそうだった」
思い出すのは三戸先生と初めて飯行った時の事。
……懐かしいな。あの時は先生に呆れられたくなくて必死に隠してたんだっけ。
結果的にバレて相談する形になったけど。
「えっ?前までって津木はどうやって解決したの?」
「俺は……教育担当の人に相談した。そんで色々アドバイス貰ってそれを実践してるうちに少しずつ……って感じかな」
「へーーちなみにどんなアドバイス貰ったんだよ。頼む教えてくれ」
「えっ?えっとそうだな……」
例えば時間いっぱい詰め込んだ予定を立てると、何かイレギュラーが起きた瞬間崩壊する。
新任時代はカリキュラム通りに進めようと必死になりがちだけど、新任だからこそちあえてちょっと時間が余る位のプランを作っておくべきという事。
生徒の反応なんて予定立てられるものでもない。
その時その授業を受けてる子によって反応もつまずくポイントも違うのだから、最後のその余った時間は生徒の反応を見て追加で解説をしたり、板書の時間に当てたり……。とにかく生徒を見て進めるといいという事。
そんなんを繰り返していけば「時間余り過ぎるな」とか逆に足りないとか気がついてくる事があるはず。それを元に自分に最適な方法へ変えていけばいいという事。
「俺が教えてもらったのはそれ位かな。本人は教科も違うし参考にならないだろって笑ってたけど」
「…………」
「……津木、お前の教育担当神かよ」
「それな。マジ超いい人じゃん。お前羨ましすぎるわ!」
「っ、そうだろ。あの人本当に優しくて凄いんだよ……!」
他にも日々の中でもらったアドバイスだとかをぽつぽつ話すと、同じ悩みを持つ彼らは目に見えて喜び、メモしたり食い気味に相槌を打ってくる。
(三戸先生が褒められた……嬉しい)
よく考えたら三戸先生の事を第三者に聞いてもらうのって初めてかも。
優しくてかっこよくて、面倒見がいいんだってもっと知って欲しい。
あの人がどんなに俺の支えになってるのか聞いて欲しい。
一度話始めた口は止まらなくて、俺はただひたすらに彼の事を話し続けた。
「それでな、この間飯言った時は……」
「っだあああもういい!ストップ!なんだこれ惚気かよ!」
「津木酔いすぎじゃね?まじ一生喋ってんじゃん」
「お前がその三戸先生の事好きなのはじゅーぶん伝わったから!もう止めてくれノイローゼなるわ」
口を押えられたことに目を丸くしてると「いや無自覚かよ」と苦笑される。
こいつら何言ってんだ。俺が三戸先生の事好きなのは当たり前だろ。10年追っかけてきた憧れの人だぞ。
「ちょっと飲み過ぎたね。一旦落ち着く?」
「そうだな、俺アイス食いたい」
「いやアイスって女子かよ!俺も食う」
「食うのかよ!!」
「俺トイレー。俺の分コーラ頼んどいてー」
場の空気を変えるように告げた小芝の声でひたすら飲み喋っていたのが休憩の雰囲気に変わっていく。時計をちらりと見ると飲み会開始から2時間半ほどたった所だった。嘘だろ、もうこんなに経ってたのか。
借りている大部屋には何人か帰った奴もいるみたいだけど、それでもまだ半分以上の奴が残っている。この分だとお開きまではまだ遠そうだ。
俺も今のうちトイレ行っておこうと、賑やかな部屋に背を向けてそっと席を立った。
教育学部出身とはいえ、全員が全員教職に就く訳じゃない。
けどやっぱり圧倒的にそういった職種の人間が多くて、こうして久しぶりに集まるとなると結果的に仕事の話が多くなってしまうわけで。
「……っでさぁ、俺のとこの教頭がまじで頭硬くて最悪なんだよ」
何杯目かのビールを煽ると、母校に赴任したという友人の1人がべしゃりと崩れ落ちた。
「俺のいた頃と校則変わってないの。今時こんなん無意味でしょって進言しても全然聞いてくれないし」
「いや新任で直談判したお前すげえよ。俺は無理」
「俺の教育担当のじじい、絶対俺の事嫌いでさ、何かにつけて嫌味言ってくんのまじウザいのなんのって」
「私はお局に嫌われてるみたい。若いからって恰好派手って毎日怒られる……はぁ」
(ぐ、愚痴大会みたいになってる……)
新任として赴任してはや数ヶ月。みんな色々溜まっていたようで話す口は止まらない。
というか酔っ払い半分だからみんな好き勝手話してるって感じだな。
みんな溜まってるようだし俺は愚痴るような事もほとんどないから聞き専に徹する。誰も頼まないからと好き勝手頼んだ料理をつまみつつ適当に相槌を打っていると、俺の反応が気になったのか1人が「っていうかさぁ」と口を開いた。
「津木は?さっきから飯くってばっかじゃん」
「そうじゃん。お前も色々あるだろ話しちまえよ」
「え?あ、いや俺は……」
「こんな場で遠慮とかいいから!」
「いや、本当になんてないっていうか」
どうしよう。ここで「俺は愚痴とか特にない」とか言うと流石に角が立つよな。
愚痴とは言えせっかく盛り上がっていた所に水を差すみたいになってしまうだろうし、「お前らとは違う」と言ってるように捉えられてしまったら……。
“あいつ嫌いなんだよなー。なんか俺は人とは違います、って顔で回り見下してんの丸わかり”
心底嫌そうに吐き捨てたあの時の彼の顔が脳裏にちらつく。
違うのに……もう何年も前の事だしあの時のあいつらとは違うのに。
でももし俺の言動があの時と同じような感情を抱かせてしまったら……。
「あ、えっと……」
どうしよう。なんて返すのが正解なんだろう。
直前まで酒を飲んでたはずなのに口の中がカラカラに乾いて無意識に生唾を飲む。
「本当に何もないから気にせず聞かせてくれ」と笑って誤魔化そう。意を決して口を開きかけたその時だった。俺が声を発するよりも早く小芝のよく通る声が俺の発言に被さる。
「もーーーあんたら飲み過ぎ!さっきから同じ話ばっかじゃん」
ダンっとグラスで机を鳴らすとそれまで俺に向いていた視線が一気に小芝へと集まる。ふくれっ面をした彼女の発言で冷静になったのか、数人が気まずそうにそっと視線をそらした。
「ていうか愚痴もわかるけどそればっかだと気分が滅入るって。せっかく同期会なのに」
「……たしかに、そうだよな」
「悪い、色々溜まってて……」
「別に愚痴言うなとは言わないって。もっと楽しい話とか笑える話とかも聞かせてって事。やべえ上司とかいないの?」
「っはははは、やべぇ上司ってなんだよ!」
「私のとこにいるからさぁ。後で話したげるわ。小芝ちゃんのすべらん話」
「ぎゃははははっ!お前自分でハードル上げんなよ」
(……すげぇ。一気に空気変わった)
彼女のこんな所にずっと助けられていた。
肝心な所で変われてない自分を彼女のはきはきした性格と物言いで何度も助けてもらった。こんな風に発言1つで周囲を変える事なんて俺にはとてもできない。飲み会の時の三戸先生もだけど、これができる人は凄いと思う。
(俺、皆に助けられてばっかだな)
思考が落ちかけた時、隣で俺の名前を呼ぶ声にハッと顔を上げる。
小芝達が突然ぼーっとしだした俺を心配そうに見つめていた。その雰囲気にさっきまでの詰め寄る感じは一切感じない。
「あ、悪いちょっとぼーっとしてた」
「マジかよお前もう眠いとか言わないだろうな。今日はまだこれからだぞ!」
「ほんと久しぶりに浴びるように飲んでやるって決めてんだからな。帰さねえぞ!」
「いや帰してくれよ。飲むなら勝手に飲めって」
ワッと盛り上がる席。良かった楽しそうな雰囲気に戻った。
こっそり安堵のため息をつくと、何か言いたげな小芝と目が合う。首を傾げるとナチュラルメイクを施した瞳が意味ありげにパチリ、と瞬く。
「津木は相変わらずだねぇ」
「……悪い、助かった」
「何の事?愚痴に飽きてきたから活入れただけだけど?」
あくまで俺を助けてくれたとは言わないらしい。
そんなところも含めて彼女には助けられっぱなしで、そんな感情を全部込めてただ一言「ありがとな」と呟く。
「ところで津木は?今の所どんな感じなの?」
「え、俺?別に普通だけど」
「そういう事じゃなくって!楽しい事とか苦労してる事とかなんかあるでしょ?!」
「苦労……そうだな、授業準備はいまだにちょっと苦労してるな」
「あーー分かるわ。あれほんと終わんない。授業してみたらぜんっぜん予定通りに行かないし」
「なになに?なんの話?」
「授業準備苦手って話」
小芝の隣の奴は身に覚えがあったのか「あああわっかるわーー!」と叫ぶ。その声に一旦は落ち着いた面々も次々と会話に戻ってきた。
「教育実習でも思ったけどほんと授業って思い通りに行かないよな」
「まず生徒が手上げないし、問題解かせてたらめっちゃ時間押すし」
「俺いっつも予定の所まで終わらなくて最後間に合わず終わっちまうんだけど……」
「……あ。それ俺も前までそうだった」
思い出すのは三戸先生と初めて飯行った時の事。
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結果的にバレて相談する形になったけど。
「えっ?前までって津木はどうやって解決したの?」
「俺は……教育担当の人に相談した。そんで色々アドバイス貰ってそれを実践してるうちに少しずつ……って感じかな」
「へーーちなみにどんなアドバイス貰ったんだよ。頼む教えてくれ」
「えっ?えっとそうだな……」
例えば時間いっぱい詰め込んだ予定を立てると、何かイレギュラーが起きた瞬間崩壊する。
新任時代はカリキュラム通りに進めようと必死になりがちだけど、新任だからこそちあえてちょっと時間が余る位のプランを作っておくべきという事。
生徒の反応なんて予定立てられるものでもない。
その時その授業を受けてる子によって反応もつまずくポイントも違うのだから、最後のその余った時間は生徒の反応を見て追加で解説をしたり、板書の時間に当てたり……。とにかく生徒を見て進めるといいという事。
そんなんを繰り返していけば「時間余り過ぎるな」とか逆に足りないとか気がついてくる事があるはず。それを元に自分に最適な方法へ変えていけばいいという事。
「俺が教えてもらったのはそれ位かな。本人は教科も違うし参考にならないだろって笑ってたけど」
「…………」
「……津木、お前の教育担当神かよ」
「それな。マジ超いい人じゃん。お前羨ましすぎるわ!」
「っ、そうだろ。あの人本当に優しくて凄いんだよ……!」
他にも日々の中でもらったアドバイスだとかをぽつぽつ話すと、同じ悩みを持つ彼らは目に見えて喜び、メモしたり食い気味に相槌を打ってくる。
(三戸先生が褒められた……嬉しい)
よく考えたら三戸先生の事を第三者に聞いてもらうのって初めてかも。
優しくてかっこよくて、面倒見がいいんだってもっと知って欲しい。
あの人がどんなに俺の支えになってるのか聞いて欲しい。
一度話始めた口は止まらなくて、俺はただひたすらに彼の事を話し続けた。
「それでな、この間飯言った時は……」
「っだあああもういい!ストップ!なんだこれ惚気かよ!」
「津木酔いすぎじゃね?まじ一生喋ってんじゃん」
「お前がその三戸先生の事好きなのはじゅーぶん伝わったから!もう止めてくれノイローゼなるわ」
口を押えられたことに目を丸くしてると「いや無自覚かよ」と苦笑される。
こいつら何言ってんだ。俺が三戸先生の事好きなのは当たり前だろ。10年追っかけてきた憧れの人だぞ。
「ちょっと飲み過ぎたね。一旦落ち着く?」
「そうだな、俺アイス食いたい」
「いやアイスって女子かよ!俺も食う」
「食うのかよ!!」
「俺トイレー。俺の分コーラ頼んどいてー」
場の空気を変えるように告げた小芝の声でひたすら飲み喋っていたのが休憩の雰囲気に変わっていく。時計をちらりと見ると飲み会開始から2時間半ほどたった所だった。嘘だろ、もうこんなに経ってたのか。
借りている大部屋には何人か帰った奴もいるみたいだけど、それでもまだ半分以上の奴が残っている。この分だとお開きまではまだ遠そうだ。
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