19 / 36
飲み会
しおりを挟む
校前のホームルームも終わった金曜日の夕方。
多くの先生方が戻ってきた職員室は普段よりも随分騒がしく慌ただしい。
生徒を帰宅させた後のこの時間。
この時間が忙しい教員にとって唯一自分の仕事を行える時間なのだ。
昼間に行った小テストの採点、明日以降の授業準備に備品の調達。それに加えて自分の担当科目だけではなく学校運営の為にする別の仕事もある。やる事なんて山積みで時間がいくらあっても足りない。
(部活動の顧問をしてるともっと大変だろうな……)
今年は免除されてるけど来年はもっと忙しくなるんだと思うと冷や汗が出てくる。……もっと効率的に動けるよう頑張らないと。ふう、と息を吐き、長い事占領していたコピー機の前から移動すると、三戸先生が自分のマグカップを片手に立ち上がる所だった。きっとコーヒーでも淹れるつもりなんだろう。自分も気分転換に淹れようと机のマグカップを持って先生の後ろを追いかけた。
「お疲れ様です」
「おーお疲れ。コーヒーいるか?」
「はい。でも自分で淹れますよ」
「いいよついでだついで。ほらマグカップ」
すみません、と差し出すと自分の分とはもう1つスティック型のインスタントコーヒーを取り出した。ほどなくしてそう広くない給湯室にコーヒーのいい香りが広がる。
「随分コピー機の前占領してたな」
「明日使うプリント作るのギリギリになっちゃって」
「あーあるあるだな。俺当日の朝刷ったことあるぞ」
「いやそれはギリギリすぎませんか?」
「すっかり忘れててなぁ。あれは間に合わないかと思った」
しみじみという事じゃないでしょと突っ込むと隣で小さく肩を震わせる。
最近の三戸先生はこうして昔の自分の話とか、失敗談とかを話してくれるようになった。最初の頃は俺が何かやらかして、それにアドバイスする時ぽろりと「それ位みんなしてるから気にすんな」という程度だったのに。雑談のつもりなのかよくわからないけど、俺としては昔の先生の話が聞けて正直嬉しい。それに、自分の失敗とか駄目な所を教えてくれるっていうのは普通あまり気乗りしないもの。それを雑談としてでも話していいと思える程度には、俺は三戸先生に心開いてもらってるのかな……なんて。
コーヒーを受け取り仕事…とはならず、なんとなくそのまま2人並んでカップに口をつけた。そのまま今日の授業や、学校であった事など取り留めない事を話す時間も最近になって増えてきた事の1つだ。
だらたらとした雑談の合間にふと視線をそらすと、給湯室の壁にかけられた時計が午後6時を示していた。ヤバい話過ぎた。先生と話し始めるといつもこうだ。楽しくてつい喋りすぎてしまう。
「ヤバ、もう6時……!」
「あ、喋りすぎたな。仕事戻るか」
いつもならそうするけど今日ばかりはそうもいかない。
慌てて飲みかけのコーヒー片手に机の戻る。さっき印刷したばかりのプリントを片付けていると隣で作業に戻っていた三戸先生がちらりと俺に視線を向ける。
「……なんか今日慌ただしいな。急ぎの用事でもあんのか?」
「あ、今日大学時代の同期と飲み会なんです」
同期の多くが教師になったからなかなか予定が合わず今日まで伸びてしまった。集合時間を考えたらそろそろ出ないとまずいのに思ったより遅くなってしまった。やっぱり昼休みのうちに作業しておけばよかった……。このプリント達は明日の朝急いで確認しよう。机の下から鞄を引っ張り出していると、三戸先生がどこか羨ましそうにへえ、と相槌を打った。
「へぇ、いいな同期飲み」
「そうなんです。卒業式以来なんで楽しみで」
「俺も丁度今日飲み会なんだ。一緒だな」
「そうなんですか!えっ、時間大丈夫なんですか?」
「俺は集合遅いしもう少し大丈夫。津木こそ早く帰らないでいいのか?」
「うわっまずい!すみませんお先に失礼します」
「おーおつかれ」
津木は弾けるように立ち上がると、鞄片手にせわしなく挨拶し職員室を飛び出していく。残っていたほかの先生が何事かと驚いていたので「用事があるらしいっすよ」と軽く説明しておいた。ここで騒がしいわね、となるわけでもなくむしろ「そんなに楽しみな用事なのかしら」と微笑ましそうにされるのは津木先生のキャラクターゆえになのか。同じ先生というより、年配者の先生には学生を同じ位置付けで見られているような気がしなくもない。
さてと俺はもう少し作業するか、と伸びをした時、ふと津木先生の机の上のマグカップが目に留まる。慌てて帰っていったので片付けるのを忘れてたんだろう。机に置きっぱなしのカップに思わずふ、と笑いが漏れた。
(あーあ、土日放置したら大変な事になるぞ)
仕方ない一緒に洗ってやるか。
放置しておいて月曜気がついた時の津木の反応も見てみたい気がするけど。流石に可哀想だ。
自分のカップを持ち、津木の机に手を伸ばした時だった。
指先に触れたカップが予想していたより重みがあって「はて?」と首をかしげる。中を見ると俺と席に戻った時持っていたものとほとんど量が変わってなかった。
(……飲まなかったのか?)
いや飲めなかったのか。それほどまでに急いでるならあの時コーヒーなんてわざわざ淹れなければよかったのに。俺の後ろをカップを持ってついて来た津木を思い出して、もしや……と1つの仮説が頭をちらつく。
(……まさか俺がコーヒー淹れてたからついてきたのか?)
急いでたのに給湯室では俺の雑談に楽しそうに付き合ってくれていた。
あいつは相変わらず感情が分かりやすいから「俺の話が楽しい」と思ってるのがにじみ出ていてつい喋りすぎてしまう。
……もし仮に仮設通りなら津木も俺と話したいと思ってくれてるという事だろか。それこそ忙しい中接点をつくるくらいには。
(……あー駄目だ可愛すぎる)
先日の体育祭の時、彼が不意に見せた表情と有言実行で俺のカバーをしてくれた時は年甲斐もなくキュンとしてしまったけど、やっぱりあいつはかっこいいより可愛いが勝つな。ふとしたやり取りが可愛くて愛しくて毎日が楽しい。こんなに仕事にくるのが楽しいのなんて初めてだ。世の中の職場内恋愛している人はきっとこんな気持ちなんだろう。
「……だいぶ落ちてるな、俺」
無意識に緩んでしまう口元を隠すように軽く手のひらで押さえた後、2人分のカップを手に立ち上がった。
◇
よくある居酒屋チェーン店。店の前に行くと既にほかの奴らは中に入っているらしくて店の前は誰もいない。ったく、連絡しろよ……なんて思いつつ店員に断って会場になってる座敷へと向かう。複数ある個室は金曜という事もあってほとんど埋まっているらしい。賑やかな部屋の前を通り過ぎて案内された部屋を開けると、一斉に向いた視線が俺を捉えた。
「わーー津木じゃん!」
「久しぶりぃー遅いって!」
「悪い。けど入ってるなら連絡位しろよ。一瞬店間違えたかと焦ったわ」
「まあ中にくるかな、って思ってさ」
「津木こっち来いよ」
「何飲む?」
一斉に喋んな。苦笑しつつよばれるまま席に着くとあちこちから食べかけの料理が手元に寄せられた。ああ、この遠慮ない感じ久しぶりだ。当たり前だけど職場の飲み会とは違う良くも悪くも自由な感じ。大学時代に戻ったような気分になって思わず喋り方も素が出てしまった。
ほどなくして運ばれてきたビールを一気に煽っていると、ちょん、と肩をつつかれる。振り返るとビールジョッキ片手に見知った顔が「隣いい?」と笑顔を浮かべていた。
「……小芝!久しぶり」
「ひっさしぶりぃー。元気してた?」
「元気元気。小芝は?」
「私もぼちぼちかな。忙しくて死にそうだけど」
(まさか小芝も来てるなんて)
同期の中で割と仲の良かった彼女もまたこの県内で教職についている。高校教員を目指しているメンバーは皆仲が良く、大学時代はそれこそ毎日の様につるんではあれこれ情報交換したり就活の愚痴を言い合ったりしていたっけ。さばさばして行動力のある彼女には随分お世話になった。
仲がいい事を変に感くぐられ他時もあったけど彼女はあくまで同期の1人。
それこそ死に物狂いで日々を送っていた俺らは『同士』とか『戦友』ってのが近いかも。軽く周囲を見渡してみるが、他のメンバーが見当たらず、隣で飲みかけのビールを煽った彼女に問いかけた。
「他の奴らは?」
「ちょっと残業だって。その内来るでしょ」
「うへぇ……金曜に残業とかお疲れだな」
「津木は定時で上がれたの?」
「うん。ちょっと押したけどぎりぎり帰れた」
「わぁ。やっぱどこの先生も大変だよねぇ」
噛み締めるように呟く小芝に、俺はどっちつかずの相槌を返してグラスに口付ける。
……まあ大変なのはそうだけど、今日押したのは半分以上自分のせいだからな。三戸先生と喋りたすぎて我慢できなかった。
「津木って今どこの学校なんだっけ?」
「俺は金華高校。地元だよ」
「ええーいいなぁ。見知った学校って安心するよね」
「小芝はどこなんだっけ?」
「私は南部の方。おかげで引っ越しやらなんやら超大変でさぁ」
「あぁ……分かるわ。というか役所関係が面倒だよな」
そんな話をしてると不意に開かれる扉。
残業組がようやくやってきたらしい。
中に仲良かったメンバーがいて手を振ると、パァっと表情を明るくさせて駆け寄ってきた。
多くの先生方が戻ってきた職員室は普段よりも随分騒がしく慌ただしい。
生徒を帰宅させた後のこの時間。
この時間が忙しい教員にとって唯一自分の仕事を行える時間なのだ。
昼間に行った小テストの採点、明日以降の授業準備に備品の調達。それに加えて自分の担当科目だけではなく学校運営の為にする別の仕事もある。やる事なんて山積みで時間がいくらあっても足りない。
(部活動の顧問をしてるともっと大変だろうな……)
今年は免除されてるけど来年はもっと忙しくなるんだと思うと冷や汗が出てくる。……もっと効率的に動けるよう頑張らないと。ふう、と息を吐き、長い事占領していたコピー機の前から移動すると、三戸先生が自分のマグカップを片手に立ち上がる所だった。きっとコーヒーでも淹れるつもりなんだろう。自分も気分転換に淹れようと机のマグカップを持って先生の後ろを追いかけた。
「お疲れ様です」
「おーお疲れ。コーヒーいるか?」
「はい。でも自分で淹れますよ」
「いいよついでだついで。ほらマグカップ」
すみません、と差し出すと自分の分とはもう1つスティック型のインスタントコーヒーを取り出した。ほどなくしてそう広くない給湯室にコーヒーのいい香りが広がる。
「随分コピー機の前占領してたな」
「明日使うプリント作るのギリギリになっちゃって」
「あーあるあるだな。俺当日の朝刷ったことあるぞ」
「いやそれはギリギリすぎませんか?」
「すっかり忘れててなぁ。あれは間に合わないかと思った」
しみじみという事じゃないでしょと突っ込むと隣で小さく肩を震わせる。
最近の三戸先生はこうして昔の自分の話とか、失敗談とかを話してくれるようになった。最初の頃は俺が何かやらかして、それにアドバイスする時ぽろりと「それ位みんなしてるから気にすんな」という程度だったのに。雑談のつもりなのかよくわからないけど、俺としては昔の先生の話が聞けて正直嬉しい。それに、自分の失敗とか駄目な所を教えてくれるっていうのは普通あまり気乗りしないもの。それを雑談としてでも話していいと思える程度には、俺は三戸先生に心開いてもらってるのかな……なんて。
コーヒーを受け取り仕事…とはならず、なんとなくそのまま2人並んでカップに口をつけた。そのまま今日の授業や、学校であった事など取り留めない事を話す時間も最近になって増えてきた事の1つだ。
だらたらとした雑談の合間にふと視線をそらすと、給湯室の壁にかけられた時計が午後6時を示していた。ヤバい話過ぎた。先生と話し始めるといつもこうだ。楽しくてつい喋りすぎてしまう。
「ヤバ、もう6時……!」
「あ、喋りすぎたな。仕事戻るか」
いつもならそうするけど今日ばかりはそうもいかない。
慌てて飲みかけのコーヒー片手に机の戻る。さっき印刷したばかりのプリントを片付けていると隣で作業に戻っていた三戸先生がちらりと俺に視線を向ける。
「……なんか今日慌ただしいな。急ぎの用事でもあんのか?」
「あ、今日大学時代の同期と飲み会なんです」
同期の多くが教師になったからなかなか予定が合わず今日まで伸びてしまった。集合時間を考えたらそろそろ出ないとまずいのに思ったより遅くなってしまった。やっぱり昼休みのうちに作業しておけばよかった……。このプリント達は明日の朝急いで確認しよう。机の下から鞄を引っ張り出していると、三戸先生がどこか羨ましそうにへえ、と相槌を打った。
「へぇ、いいな同期飲み」
「そうなんです。卒業式以来なんで楽しみで」
「俺も丁度今日飲み会なんだ。一緒だな」
「そうなんですか!えっ、時間大丈夫なんですか?」
「俺は集合遅いしもう少し大丈夫。津木こそ早く帰らないでいいのか?」
「うわっまずい!すみませんお先に失礼します」
「おーおつかれ」
津木は弾けるように立ち上がると、鞄片手にせわしなく挨拶し職員室を飛び出していく。残っていたほかの先生が何事かと驚いていたので「用事があるらしいっすよ」と軽く説明しておいた。ここで騒がしいわね、となるわけでもなくむしろ「そんなに楽しみな用事なのかしら」と微笑ましそうにされるのは津木先生のキャラクターゆえになのか。同じ先生というより、年配者の先生には学生を同じ位置付けで見られているような気がしなくもない。
さてと俺はもう少し作業するか、と伸びをした時、ふと津木先生の机の上のマグカップが目に留まる。慌てて帰っていったので片付けるのを忘れてたんだろう。机に置きっぱなしのカップに思わずふ、と笑いが漏れた。
(あーあ、土日放置したら大変な事になるぞ)
仕方ない一緒に洗ってやるか。
放置しておいて月曜気がついた時の津木の反応も見てみたい気がするけど。流石に可哀想だ。
自分のカップを持ち、津木の机に手を伸ばした時だった。
指先に触れたカップが予想していたより重みがあって「はて?」と首をかしげる。中を見ると俺と席に戻った時持っていたものとほとんど量が変わってなかった。
(……飲まなかったのか?)
いや飲めなかったのか。それほどまでに急いでるならあの時コーヒーなんてわざわざ淹れなければよかったのに。俺の後ろをカップを持ってついて来た津木を思い出して、もしや……と1つの仮説が頭をちらつく。
(……まさか俺がコーヒー淹れてたからついてきたのか?)
急いでたのに給湯室では俺の雑談に楽しそうに付き合ってくれていた。
あいつは相変わらず感情が分かりやすいから「俺の話が楽しい」と思ってるのがにじみ出ていてつい喋りすぎてしまう。
……もし仮に仮設通りなら津木も俺と話したいと思ってくれてるという事だろか。それこそ忙しい中接点をつくるくらいには。
(……あー駄目だ可愛すぎる)
先日の体育祭の時、彼が不意に見せた表情と有言実行で俺のカバーをしてくれた時は年甲斐もなくキュンとしてしまったけど、やっぱりあいつはかっこいいより可愛いが勝つな。ふとしたやり取りが可愛くて愛しくて毎日が楽しい。こんなに仕事にくるのが楽しいのなんて初めてだ。世の中の職場内恋愛している人はきっとこんな気持ちなんだろう。
「……だいぶ落ちてるな、俺」
無意識に緩んでしまう口元を隠すように軽く手のひらで押さえた後、2人分のカップを手に立ち上がった。
◇
よくある居酒屋チェーン店。店の前に行くと既にほかの奴らは中に入っているらしくて店の前は誰もいない。ったく、連絡しろよ……なんて思いつつ店員に断って会場になってる座敷へと向かう。複数ある個室は金曜という事もあってほとんど埋まっているらしい。賑やかな部屋の前を通り過ぎて案内された部屋を開けると、一斉に向いた視線が俺を捉えた。
「わーー津木じゃん!」
「久しぶりぃー遅いって!」
「悪い。けど入ってるなら連絡位しろよ。一瞬店間違えたかと焦ったわ」
「まあ中にくるかな、って思ってさ」
「津木こっち来いよ」
「何飲む?」
一斉に喋んな。苦笑しつつよばれるまま席に着くとあちこちから食べかけの料理が手元に寄せられた。ああ、この遠慮ない感じ久しぶりだ。当たり前だけど職場の飲み会とは違う良くも悪くも自由な感じ。大学時代に戻ったような気分になって思わず喋り方も素が出てしまった。
ほどなくして運ばれてきたビールを一気に煽っていると、ちょん、と肩をつつかれる。振り返るとビールジョッキ片手に見知った顔が「隣いい?」と笑顔を浮かべていた。
「……小芝!久しぶり」
「ひっさしぶりぃー。元気してた?」
「元気元気。小芝は?」
「私もぼちぼちかな。忙しくて死にそうだけど」
(まさか小芝も来てるなんて)
同期の中で割と仲の良かった彼女もまたこの県内で教職についている。高校教員を目指しているメンバーは皆仲が良く、大学時代はそれこそ毎日の様につるんではあれこれ情報交換したり就活の愚痴を言い合ったりしていたっけ。さばさばして行動力のある彼女には随分お世話になった。
仲がいい事を変に感くぐられ他時もあったけど彼女はあくまで同期の1人。
それこそ死に物狂いで日々を送っていた俺らは『同士』とか『戦友』ってのが近いかも。軽く周囲を見渡してみるが、他のメンバーが見当たらず、隣で飲みかけのビールを煽った彼女に問いかけた。
「他の奴らは?」
「ちょっと残業だって。その内来るでしょ」
「うへぇ……金曜に残業とかお疲れだな」
「津木は定時で上がれたの?」
「うん。ちょっと押したけどぎりぎり帰れた」
「わぁ。やっぱどこの先生も大変だよねぇ」
噛み締めるように呟く小芝に、俺はどっちつかずの相槌を返してグラスに口付ける。
……まあ大変なのはそうだけど、今日押したのは半分以上自分のせいだからな。三戸先生と喋りたすぎて我慢できなかった。
「津木って今どこの学校なんだっけ?」
「俺は金華高校。地元だよ」
「ええーいいなぁ。見知った学校って安心するよね」
「小芝はどこなんだっけ?」
「私は南部の方。おかげで引っ越しやらなんやら超大変でさぁ」
「あぁ……分かるわ。というか役所関係が面倒だよな」
そんな話をしてると不意に開かれる扉。
残業組がようやくやってきたらしい。
中に仲良かったメンバーがいて手を振ると、パァっと表情を明るくさせて駆け寄ってきた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる