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ペン太がユイをかばうように立ち、体よりも長い聖剣グラディウスを真横に構えた。ユイがゆっくりと体を起こし、首を回した。
口に炎をためたピロスの瞳に、一瞬恐怖が走り抜けたように見えた。ピロスは、「なにを恐れている」と自分をしかったのだろう。小さく首を振って、首から上をのけぞらせた。
――来る!
ユイの予想通り、ピロスが顔を前に突き出し、高熱の炎を吐いた。
ペン太がタイミングを見計らったように聖剣グラディウスを横に振りぬいた。真っ白な光と真っ赤な炎がぶつかり合い、肌が焼けそうなほどの熱風が荒れ狂った。
互角だった。光と炎はその場から姿を消した。
驚きに目を見開くピロスは、二回目の炎を吐くことを忘れたのか、あぜんと口を開けた。
ペン太がさらに聖剣を頭の上に構え、間髪いれず振り下ろす。
縦に衝撃が走った。ピロスの真横を白い斬撃が通り抜け、遠くに見える森の側に消えた。
地面が深くえぐれ、溝ができた。
ペン太が聖剣を地面に刺した。腕組みをして、自分よりもはるかに大きなドラゴンを見上げて言った。
「まだやるかい?」
ペン太は自信ありげに笑う。
これは考えていた作戦だ。ユイもそれに気づいて、痛む足に耐えて、ゆっくりと立ち上がった。慣れない腕組みをして、ピロスを精一杯にらんだ。
「まだやるの?」
ピロスが目に見えてあとずさった。本の中では臆病なピロスだ。本音は戦いたくないはず。森の仲間に頼まれて、しぶしぶドラゴンの大きな体をいかして人間に立ち向かうのだ。
ピロスの瞳が揺れた。ユイにもはっきりわかった。
――いいかい、ユイ。聖剣グラディウスの力を見せて、完全に形勢が逆転したところで、「背中に引っかかったバッジを取りたいだけだ」と優しく言えばぼくらの勝ちだ。これで直接手は出していないし、バッジも手に入る。
ペン太の言葉が頭に浮かんだ。
じりじりと緊迫した時間が過ぎた。十秒、二十秒、一分。
仲間の期待と目の前の聖剣の恐ろしさを比較して、ピロスはまだ迷っているのだろう。
もう一押ししないと。
ユイはそう思ってちらりと隣に視線を送った。
「……ペン太?」
スローモーションを見ているように、ペン太が後ろに倒れていった。
聖剣グラディウスは地面に突き刺さったままだ。ユイがあわてて駆けよる。
荒い息を吐きながら、ペン太が途切れ途切れに言った。
「も……限界だ。使うほど……体力を吸われる聖剣って……きついな」
ユイはあんぐり口を開けた。
確かに『勇者アンドリュー』の話の中で、本気で聖剣の力を使うのはたった一度。最後に倒すドラゴンに向けてだけだ。
体力を根こそぎ奪う聖剣だからこそ、その場面でしか使わなかった。
「なんとか立ってたけど、これはきつい。アンドリューが膝をついたのがよくわかる」
「ちょっと!? そんな感想言ってる場合じゃないでしょ?」
ユイは慌てふためき、おそるおそるドラゴンを見上げる。
さっきまで恐れおののいていたピロスは、にんまりと口元を歪めていた。何を考えているのか手に取るように分かった。
「もうっ! ちゃんと最後まで決めてよ!」
ユイは勇気を奮い立たせて立ち上がった。
ペン太が倒れた以上は、どうしようもない。ピロスは聖剣が向けられることはないと考えているはず。
このままだと、ペン太のバッジも試験もダメになるかもしれない。そんなのは嫌だ。
それに、痛みを隠して石につまづいたのはユイだ。
「うっ、重い」
足の痛みでふらつきながらも、ユイは聖剣を腰の横で構える。重すぎて、剣先が地面から上がらない。
ちらりと刃の部分を確認すると、ペン太の時のように光っていない。
たぶん使えない。そう直感した。
どうすればいい? ユイは湧きあがるあせりを必死に押さえつけて、考えをめぐらす。
今まで読んだ本の中で似た場面はなかった?
大きな敵と戦うときにはどうすれば?
自分が持っているもので武器になりそうなものは?
使えそうな知識を次々に引き出しから引っ張り出し、つなぎ合わせた。
――これしかない。
ユイは深く息を吸った。きっと瞳を吊り上げて、ピロスを見上げた。
「いい加減、気づきなさいよ! 怖がりのピロス!」
ピロスが目を真ん丸に変えた。即座に怒りが頂点に達したのか、全身をわななかせる。
「小さな人間が、なぜ私の秘密の名前を? それに……この私を臆病者だと!」
ペン太の驚いている気配が隣から伝わってきたものの、視線は向けずにピロスを睨む。
「何でも知ってる! お母さんのドラゴンはセルクル、お兄さんはトラペーツ、弟はアヴァール。そして、一番ケンカに弱かった次男がピロス、あなたよ!」
ユイが負けじと声を張り上げた。
ピロスが度肝を抜かれたような顔でよろめいた。大きな銀色の体が弱弱しく震える。
「あなたは臆病者と笑われてドラゴンの里を出た。ヒューレーの森にたどりつくまで、ずっと寂しかった。でも、人間が森を襲ってきて、ヒーローになった。大きな体を使って、これからはみんなを守ろうって、動物たちの前で誓った」
「だ……だまれ、だまれ!」
居心地悪そうに視線をそらすピロスの横顔を、ユイがじっと見つめる。
「あなたはとても優しくて賢い。そんなあなたが、聖剣の一振りをわざと外したペン太の想いに気づかないわけがない。ピロスを傷つけるつもりがないからだってわかるでしょ? ピロスはヒューレーの森に必要なドラゴンなんだから」
ピロスが雷に打たれたように体を震わせた。まじまじとユイを見つめ、よろよろと立ち上がったペン太に強い視線を送る。聖剣の傷跡を横目で確認して頷いた。
すると、空が真っ白に輝いた。女性の声が響き渡る。
”猿の賢人アエルが予言したとおり、三日後には人間の群れがヒューレーの森の西に現れた。誰もが武器を手にし、馬に乗っていた”
――やった。戻った!
ユイは小躍りした。ここに来る前に何度も目を通した本だ。今の言葉には確かに聞き覚えがあった。ペン太とユイを認識しない物語に戻ったのだ。
「……こうしてはおれん。森の仲間を守らなければ」
ピロスが重々しく言葉を放ち、体を反転させた。
「全てを知る魔女のような人間よ。名はなんという?」
ユイは目をぱちぱちと瞬かせたあと、にこりとほほ笑んだ。
「ユイ、よ」
「覚えておこう、不思議な魔女と……変わったペンギンのしもべよ。それと――私の過去はできれば忘れてくれ」
ピロスは苦笑いを交えて言い、どしんどしんと速度をあげた。
ヒューレーの森の西では土煙が舞い上がっている。ピロスは仲間を守るために、これから戦場に向かうのだろう。
ユイが腰を落とした。全身が鉛のように重くて、聖剣グラディウスを手放した。
カランという金属音が響き渡ると同時に、ペン太が近寄った。黒い目が点のように小さくなっている。
「どこであんな演技を身につけたんだい? 練習してたのかい?」
「そんなわけないでしょ。ぶっつけ本番」
ぶっきらぼうに言ったユイに、ペン太が「ファァ」と感心した声をあげた。
「いや……ほんとすごかった。なんだかんだと乗り切れた」
「でも、バッジがまだでしょ?」
ユイの質問に、ペン太が首を左右に振る。
「この本の物語が終わったら、ピロスに事情を話せば背中のバッジくらい取らせてくれるだろ。なにせ、ユイのしもべのぼくだからね」
いたずらっぽく言うペン太に、ユイはジト目を向けた。
「根に持ってるでしょ」
「いいや。ユイと一緒にいると、こんな立ち位置ばっかりだなあってむしろ感心するよ。枝切りネズミにも間違われたしね。ぼくよりユイの方が隊長に向いてるよ」
「毎回こんなのじゃ身が持たないって」
ユイは「やめてよ」と手を振った。
「あとは、この物語が進むのを待つだけでいいの?」
「――ユイは、一人でもやっていけそうだね」
「?」
かみ合わない言葉に、ユイは首をひねった。
ペン太が目を細めて遠くを眺める。
白い砂塵が舞い上がっていた。ユイは霧だと思った。けれど、それはどんどん広がった。高く広く、白い壁がせり上がるように迫ってくる。
地面に、巨大な金色に輝く何かが見えた。横に広がりながら次々と影を現した。
「あれは……なに?」
口に炎をためたピロスの瞳に、一瞬恐怖が走り抜けたように見えた。ピロスは、「なにを恐れている」と自分をしかったのだろう。小さく首を振って、首から上をのけぞらせた。
――来る!
ユイの予想通り、ピロスが顔を前に突き出し、高熱の炎を吐いた。
ペン太がタイミングを見計らったように聖剣グラディウスを横に振りぬいた。真っ白な光と真っ赤な炎がぶつかり合い、肌が焼けそうなほどの熱風が荒れ狂った。
互角だった。光と炎はその場から姿を消した。
驚きに目を見開くピロスは、二回目の炎を吐くことを忘れたのか、あぜんと口を開けた。
ペン太がさらに聖剣を頭の上に構え、間髪いれず振り下ろす。
縦に衝撃が走った。ピロスの真横を白い斬撃が通り抜け、遠くに見える森の側に消えた。
地面が深くえぐれ、溝ができた。
ペン太が聖剣を地面に刺した。腕組みをして、自分よりもはるかに大きなドラゴンを見上げて言った。
「まだやるかい?」
ペン太は自信ありげに笑う。
これは考えていた作戦だ。ユイもそれに気づいて、痛む足に耐えて、ゆっくりと立ち上がった。慣れない腕組みをして、ピロスを精一杯にらんだ。
「まだやるの?」
ピロスが目に見えてあとずさった。本の中では臆病なピロスだ。本音は戦いたくないはず。森の仲間に頼まれて、しぶしぶドラゴンの大きな体をいかして人間に立ち向かうのだ。
ピロスの瞳が揺れた。ユイにもはっきりわかった。
――いいかい、ユイ。聖剣グラディウスの力を見せて、完全に形勢が逆転したところで、「背中に引っかかったバッジを取りたいだけだ」と優しく言えばぼくらの勝ちだ。これで直接手は出していないし、バッジも手に入る。
ペン太の言葉が頭に浮かんだ。
じりじりと緊迫した時間が過ぎた。十秒、二十秒、一分。
仲間の期待と目の前の聖剣の恐ろしさを比較して、ピロスはまだ迷っているのだろう。
もう一押ししないと。
ユイはそう思ってちらりと隣に視線を送った。
「……ペン太?」
スローモーションを見ているように、ペン太が後ろに倒れていった。
聖剣グラディウスは地面に突き刺さったままだ。ユイがあわてて駆けよる。
荒い息を吐きながら、ペン太が途切れ途切れに言った。
「も……限界だ。使うほど……体力を吸われる聖剣って……きついな」
ユイはあんぐり口を開けた。
確かに『勇者アンドリュー』の話の中で、本気で聖剣の力を使うのはたった一度。最後に倒すドラゴンに向けてだけだ。
体力を根こそぎ奪う聖剣だからこそ、その場面でしか使わなかった。
「なんとか立ってたけど、これはきつい。アンドリューが膝をついたのがよくわかる」
「ちょっと!? そんな感想言ってる場合じゃないでしょ?」
ユイは慌てふためき、おそるおそるドラゴンを見上げる。
さっきまで恐れおののいていたピロスは、にんまりと口元を歪めていた。何を考えているのか手に取るように分かった。
「もうっ! ちゃんと最後まで決めてよ!」
ユイは勇気を奮い立たせて立ち上がった。
ペン太が倒れた以上は、どうしようもない。ピロスは聖剣が向けられることはないと考えているはず。
このままだと、ペン太のバッジも試験もダメになるかもしれない。そんなのは嫌だ。
それに、痛みを隠して石につまづいたのはユイだ。
「うっ、重い」
足の痛みでふらつきながらも、ユイは聖剣を腰の横で構える。重すぎて、剣先が地面から上がらない。
ちらりと刃の部分を確認すると、ペン太の時のように光っていない。
たぶん使えない。そう直感した。
どうすればいい? ユイは湧きあがるあせりを必死に押さえつけて、考えをめぐらす。
今まで読んだ本の中で似た場面はなかった?
大きな敵と戦うときにはどうすれば?
自分が持っているもので武器になりそうなものは?
使えそうな知識を次々に引き出しから引っ張り出し、つなぎ合わせた。
――これしかない。
ユイは深く息を吸った。きっと瞳を吊り上げて、ピロスを見上げた。
「いい加減、気づきなさいよ! 怖がりのピロス!」
ピロスが目を真ん丸に変えた。即座に怒りが頂点に達したのか、全身をわななかせる。
「小さな人間が、なぜ私の秘密の名前を? それに……この私を臆病者だと!」
ペン太の驚いている気配が隣から伝わってきたものの、視線は向けずにピロスを睨む。
「何でも知ってる! お母さんのドラゴンはセルクル、お兄さんはトラペーツ、弟はアヴァール。そして、一番ケンカに弱かった次男がピロス、あなたよ!」
ユイが負けじと声を張り上げた。
ピロスが度肝を抜かれたような顔でよろめいた。大きな銀色の体が弱弱しく震える。
「あなたは臆病者と笑われてドラゴンの里を出た。ヒューレーの森にたどりつくまで、ずっと寂しかった。でも、人間が森を襲ってきて、ヒーローになった。大きな体を使って、これからはみんなを守ろうって、動物たちの前で誓った」
「だ……だまれ、だまれ!」
居心地悪そうに視線をそらすピロスの横顔を、ユイがじっと見つめる。
「あなたはとても優しくて賢い。そんなあなたが、聖剣の一振りをわざと外したペン太の想いに気づかないわけがない。ピロスを傷つけるつもりがないからだってわかるでしょ? ピロスはヒューレーの森に必要なドラゴンなんだから」
ピロスが雷に打たれたように体を震わせた。まじまじとユイを見つめ、よろよろと立ち上がったペン太に強い視線を送る。聖剣の傷跡を横目で確認して頷いた。
すると、空が真っ白に輝いた。女性の声が響き渡る。
”猿の賢人アエルが予言したとおり、三日後には人間の群れがヒューレーの森の西に現れた。誰もが武器を手にし、馬に乗っていた”
――やった。戻った!
ユイは小躍りした。ここに来る前に何度も目を通した本だ。今の言葉には確かに聞き覚えがあった。ペン太とユイを認識しない物語に戻ったのだ。
「……こうしてはおれん。森の仲間を守らなければ」
ピロスが重々しく言葉を放ち、体を反転させた。
「全てを知る魔女のような人間よ。名はなんという?」
ユイは目をぱちぱちと瞬かせたあと、にこりとほほ笑んだ。
「ユイ、よ」
「覚えておこう、不思議な魔女と……変わったペンギンのしもべよ。それと――私の過去はできれば忘れてくれ」
ピロスは苦笑いを交えて言い、どしんどしんと速度をあげた。
ヒューレーの森の西では土煙が舞い上がっている。ピロスは仲間を守るために、これから戦場に向かうのだろう。
ユイが腰を落とした。全身が鉛のように重くて、聖剣グラディウスを手放した。
カランという金属音が響き渡ると同時に、ペン太が近寄った。黒い目が点のように小さくなっている。
「どこであんな演技を身につけたんだい? 練習してたのかい?」
「そんなわけないでしょ。ぶっつけ本番」
ぶっきらぼうに言ったユイに、ペン太が「ファァ」と感心した声をあげた。
「いや……ほんとすごかった。なんだかんだと乗り切れた」
「でも、バッジがまだでしょ?」
ユイの質問に、ペン太が首を左右に振る。
「この本の物語が終わったら、ピロスに事情を話せば背中のバッジくらい取らせてくれるだろ。なにせ、ユイのしもべのぼくだからね」
いたずらっぽく言うペン太に、ユイはジト目を向けた。
「根に持ってるでしょ」
「いいや。ユイと一緒にいると、こんな立ち位置ばっかりだなあってむしろ感心するよ。枝切りネズミにも間違われたしね。ぼくよりユイの方が隊長に向いてるよ」
「毎回こんなのじゃ身が持たないって」
ユイは「やめてよ」と手を振った。
「あとは、この物語が進むのを待つだけでいいの?」
「――ユイは、一人でもやっていけそうだね」
「?」
かみ合わない言葉に、ユイは首をひねった。
ペン太が目を細めて遠くを眺める。
白い砂塵が舞い上がっていた。ユイは霧だと思った。けれど、それはどんどん広がった。高く広く、白い壁がせり上がるように迫ってくる。
地面に、巨大な金色に輝く何かが見えた。横に広がりながら次々と影を現した。
「あれは……なに?」
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