12 / 31
本はうたう
しおりを挟む
「うわあ、すごい場所!」
ユイは感動して大声をあげた。
見渡す限り岩の大地が続いている。
雲一つない透き通った青空の下で、強い日差しが降り注ぐ。
てっぺんを真横に切りそろえられたような岸壁があちこちで背比べをしている。茶色や黄土色、白に近い断層がミルフィーユのように何層も何層も重なりあい、教科書で見た地層の写真を思い起こさせた。
真夏並みの暑さの中で、強く乾いた風が顔と手足を撫でた。嗅いだことのない植物の匂いがした。
ユイはでこぼこした地面で足首をひねらないよう注意しながら、ペン太の横を通り抜けて、切り立った崖に近づいた。
「落ちるなよ」
注意するペン太の声が背後から聞こえた。
おそるおそる下をのぞきこむと、とても深い谷があった。吹き上がる強烈な風に髪がばさばさとなびいた。
壁面には色々な大きさの岩がとび出し、至る所で縦や横に長い影ができている。細かい穴のあいた岩肌や、つるりとした表面の場所など様々だ。
一番下まで何十、いや何百メートルだろうか。底には川が走っているが、距離が遠すぎて曲がりくねる白い線にしか見えない。
目もくらみそうな高さに、ユイのお尻から背中へぞわぞわとしたものが駆けあがった。
「ユイ、あぶないよ」
ペン太が見かねた顔で手を引いた。いつの間にか、頭がだいぶん前に傾いていたらしい。
ユイが「ありがと」とお礼を言って振り返る。
「ペン太、ここってどこなの?」
「グランドキャニオンだよ」
ペン太が岩を器用に避けながら、ユイの手を引いて崖を離れる。
説明口調で言った。
「アメリカ、アリゾナ州にある大峡谷さ。底を走るコロラド川を挟んで、北の崖がノースリム、南がサウスリムと呼ばれてる。高さはおおよそ千二百メートル。『地球のひび』とも言われるんだ」
「へえ、さすがよく知ってるね」
「当然さ! 図書ペンギン司書を目指しているからね」
ペン太がぐいっと胸をつき出した。黒い瞳がうれしくてたまらないときらきら輝いている。
「ところで、さっきからどうして上をちらちら見てるの?」
ユイは気になっていたことを尋ねた。
ペン太の顔がとたんに真面目なものに変わる。
「ん? ひねくれ者でなければ、そろそろかなあって思ってね」
「そろそろ?」
ユイはペン太の視線を追うように顔をあげた。「おっ、来た」とペン太がぴょんと跳ねた。
透き通った青い空が、塗り替わるように白く変化した。まるで白い絵の具をべたぬりした、濃淡のない絵のようだ。
「何が……起こるの」
ユイは視線を空に固定したまま、あぜんとした顔でつぶやいた。
すると、上空がびりびりと震え、どこからともなく大人の女性の透き通った声が響き渡った。
”テゾーロ博士は、その場の光景に圧倒された。しかし、すぐに目的を思い出し、博士にとっての宝を探し始めた”
「な……に?」
「物語が始まったんだ」
「物語?」
弾んだ声で答えたペン太にユイが聞き返した。
「言っただろ? ここは本の世界だよ。場所はユイの世界に本当にあるグランドキャニオンだけど、本物じゃない。あくまで本に書かれている内容をもとにして作り上げられたイメージの世界なのさ」
「じゃあ、ここは現実じゃないの? 岩とか植物も?」
「そのとおり」ペン太がうなずく。
「ぼくらがこの世界に入って時間がたったから、本が物語を聞かせようとしているんだ。それがさっきの空から聞こえた声の正体だよ」
ユイは目を丸くする。
あわてて空を見上げると、同じ声が降ってきた。
”目当ての宝は見つからなかった。事前情報ではあちこちにいると聞いていたが、運が悪いのか、なかなか見つからない”
「おっ、場所が移動したね」
「……ほんとだ」
そこは数秒前にユイが立っていた崖の上ではなかった。似た景色だが、確かに記憶とは違う。
「ユイはやっぱり運がいいよ。物語を進めてくれるかどうかは本の気分次第なんだ。気まぐれなやつがすごく多くてね。見習いになったころはよく困ったもんだ」
ユイが首をかしげる。
説明不足だと思ったのか、ペン太が言葉を足した。
「試験の一つに、『最初から最後まで物語の世界に居座ること』っていうのがあったんだ。でも本の中に入るだけじゃダメなんだよ。へそ曲がりな本もいて、ずうっと無視されて全然物語が進まないってパターンもあるんだよ」
ペン太が思い出すように苦笑いする。
「それで、どうなったの? あきらめて外に出たの」
「ううん……歌を聞かせたんだ」
「歌を?」
ユイがぐっと身を乗り出した。
ペン太が「下手だから歌わないぞ」と先に断り、
「どうしようかってなやんでいた時に、たまたま図書ペンギンの学校で習う歌を口ずさんだんだ。そこからだよ……なぜか一気に物語が進んだ」
と、うれしそうに言った。
「本って、感情みたいなものがあるんだ……」
ペン太が「あたりまえだろ」と笑う。
「読まれてうれしいと思うのは本を書いた著者だけじゃない。生み出された本だってそう思うにきまってるじゃないか。だからぼくらは本を追いかけるんだ」
景色を変えるグランドキャニオンを黒い瞳がながめている。
ユイは胸がつまった。
図書委員になってから、図書室のことは何でも知っていると思っている。自分が当番の日以外に誰がカウンターに座っているのかも知っているし、よく本を借りにくる二年生の双子の女の子も知っている。
でも、肝心の本についてはどうだろうか。新しく入った本ばかりを図書委員の特権とばかりに一番に手に取り、背表紙をテープで補修された本や本棚のすみっこでひっそり眠る本は一度も開いたことはない。
考えてみれば、タイトルすら記憶にない。
がくぜんとするユイに気づかない様子で、ペン太が言った。
「あの時、ぼくが入った本は気づいてたんだ。ああ、こいつは試験に合格したいだけのバカなやつだ。本に興味なんてないんだ――ってね」
グランドキャニオンが夕日に包まれようとしていた。
ペン太が手ごろな大きさの岩の上にぴょんと飛び乗り、さらに遠くに目をこらした。
「そんなぼくが口にした歌の歌詞はどんなものだと思う?」
ペン太は答えを待たずに言った。
「『ぼくらはみんな本が好き、だれに読まれなくてもぼくが読む』……ってね。途中はこんな歌詞なんだ。はっきり言えば、その時のぼくは歌に気持ちなんて全然込めてなかったんだけどね……」
ペン太が再び地面に飛び降り、変わりゆく景色を眺める、
空が遠くから濃紺に染まり始めた。そこはまるで満点の星空を映し出す鏡のようだ。
夕日と闇がせめぎあい、どんどん夜が広がった。
「でも、本は言葉だけでもうれしかったんだろう。試験の本当の意味がその時わかったんだ。本だって、読み手を選びたいわけだよ」
ペン太が「クァァ」と辺りに笑い声を響かせた。
周囲が完全にまっくらに変わりかけた。と、空が再び白く光った。
ユイは感動して大声をあげた。
見渡す限り岩の大地が続いている。
雲一つない透き通った青空の下で、強い日差しが降り注ぐ。
てっぺんを真横に切りそろえられたような岸壁があちこちで背比べをしている。茶色や黄土色、白に近い断層がミルフィーユのように何層も何層も重なりあい、教科書で見た地層の写真を思い起こさせた。
真夏並みの暑さの中で、強く乾いた風が顔と手足を撫でた。嗅いだことのない植物の匂いがした。
ユイはでこぼこした地面で足首をひねらないよう注意しながら、ペン太の横を通り抜けて、切り立った崖に近づいた。
「落ちるなよ」
注意するペン太の声が背後から聞こえた。
おそるおそる下をのぞきこむと、とても深い谷があった。吹き上がる強烈な風に髪がばさばさとなびいた。
壁面には色々な大きさの岩がとび出し、至る所で縦や横に長い影ができている。細かい穴のあいた岩肌や、つるりとした表面の場所など様々だ。
一番下まで何十、いや何百メートルだろうか。底には川が走っているが、距離が遠すぎて曲がりくねる白い線にしか見えない。
目もくらみそうな高さに、ユイのお尻から背中へぞわぞわとしたものが駆けあがった。
「ユイ、あぶないよ」
ペン太が見かねた顔で手を引いた。いつの間にか、頭がだいぶん前に傾いていたらしい。
ユイが「ありがと」とお礼を言って振り返る。
「ペン太、ここってどこなの?」
「グランドキャニオンだよ」
ペン太が岩を器用に避けながら、ユイの手を引いて崖を離れる。
説明口調で言った。
「アメリカ、アリゾナ州にある大峡谷さ。底を走るコロラド川を挟んで、北の崖がノースリム、南がサウスリムと呼ばれてる。高さはおおよそ千二百メートル。『地球のひび』とも言われるんだ」
「へえ、さすがよく知ってるね」
「当然さ! 図書ペンギン司書を目指しているからね」
ペン太がぐいっと胸をつき出した。黒い瞳がうれしくてたまらないときらきら輝いている。
「ところで、さっきからどうして上をちらちら見てるの?」
ユイは気になっていたことを尋ねた。
ペン太の顔がとたんに真面目なものに変わる。
「ん? ひねくれ者でなければ、そろそろかなあって思ってね」
「そろそろ?」
ユイはペン太の視線を追うように顔をあげた。「おっ、来た」とペン太がぴょんと跳ねた。
透き通った青い空が、塗り替わるように白く変化した。まるで白い絵の具をべたぬりした、濃淡のない絵のようだ。
「何が……起こるの」
ユイは視線を空に固定したまま、あぜんとした顔でつぶやいた。
すると、上空がびりびりと震え、どこからともなく大人の女性の透き通った声が響き渡った。
”テゾーロ博士は、その場の光景に圧倒された。しかし、すぐに目的を思い出し、博士にとっての宝を探し始めた”
「な……に?」
「物語が始まったんだ」
「物語?」
弾んだ声で答えたペン太にユイが聞き返した。
「言っただろ? ここは本の世界だよ。場所はユイの世界に本当にあるグランドキャニオンだけど、本物じゃない。あくまで本に書かれている内容をもとにして作り上げられたイメージの世界なのさ」
「じゃあ、ここは現実じゃないの? 岩とか植物も?」
「そのとおり」ペン太がうなずく。
「ぼくらがこの世界に入って時間がたったから、本が物語を聞かせようとしているんだ。それがさっきの空から聞こえた声の正体だよ」
ユイは目を丸くする。
あわてて空を見上げると、同じ声が降ってきた。
”目当ての宝は見つからなかった。事前情報ではあちこちにいると聞いていたが、運が悪いのか、なかなか見つからない”
「おっ、場所が移動したね」
「……ほんとだ」
そこは数秒前にユイが立っていた崖の上ではなかった。似た景色だが、確かに記憶とは違う。
「ユイはやっぱり運がいいよ。物語を進めてくれるかどうかは本の気分次第なんだ。気まぐれなやつがすごく多くてね。見習いになったころはよく困ったもんだ」
ユイが首をかしげる。
説明不足だと思ったのか、ペン太が言葉を足した。
「試験の一つに、『最初から最後まで物語の世界に居座ること』っていうのがあったんだ。でも本の中に入るだけじゃダメなんだよ。へそ曲がりな本もいて、ずうっと無視されて全然物語が進まないってパターンもあるんだよ」
ペン太が思い出すように苦笑いする。
「それで、どうなったの? あきらめて外に出たの」
「ううん……歌を聞かせたんだ」
「歌を?」
ユイがぐっと身を乗り出した。
ペン太が「下手だから歌わないぞ」と先に断り、
「どうしようかってなやんでいた時に、たまたま図書ペンギンの学校で習う歌を口ずさんだんだ。そこからだよ……なぜか一気に物語が進んだ」
と、うれしそうに言った。
「本って、感情みたいなものがあるんだ……」
ペン太が「あたりまえだろ」と笑う。
「読まれてうれしいと思うのは本を書いた著者だけじゃない。生み出された本だってそう思うにきまってるじゃないか。だからぼくらは本を追いかけるんだ」
景色を変えるグランドキャニオンを黒い瞳がながめている。
ユイは胸がつまった。
図書委員になってから、図書室のことは何でも知っていると思っている。自分が当番の日以外に誰がカウンターに座っているのかも知っているし、よく本を借りにくる二年生の双子の女の子も知っている。
でも、肝心の本についてはどうだろうか。新しく入った本ばかりを図書委員の特権とばかりに一番に手に取り、背表紙をテープで補修された本や本棚のすみっこでひっそり眠る本は一度も開いたことはない。
考えてみれば、タイトルすら記憶にない。
がくぜんとするユイに気づかない様子で、ペン太が言った。
「あの時、ぼくが入った本は気づいてたんだ。ああ、こいつは試験に合格したいだけのバカなやつだ。本に興味なんてないんだ――ってね」
グランドキャニオンが夕日に包まれようとしていた。
ペン太が手ごろな大きさの岩の上にぴょんと飛び乗り、さらに遠くに目をこらした。
「そんなぼくが口にした歌の歌詞はどんなものだと思う?」
ペン太は答えを待たずに言った。
「『ぼくらはみんな本が好き、だれに読まれなくてもぼくが読む』……ってね。途中はこんな歌詞なんだ。はっきり言えば、その時のぼくは歌に気持ちなんて全然込めてなかったんだけどね……」
ペン太が再び地面に飛び降り、変わりゆく景色を眺める、
空が遠くから濃紺に染まり始めた。そこはまるで満点の星空を映し出す鏡のようだ。
夕日と闇がせめぎあい、どんどん夜が広がった。
「でも、本は言葉だけでもうれしかったんだろう。試験の本当の意味がその時わかったんだ。本だって、読み手を選びたいわけだよ」
ペン太が「クァァ」と辺りに笑い声を響かせた。
周囲が完全にまっくらに変わりかけた。と、空が再び白く光った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
はんぶんこ天使
いずみ
児童書・童話
少し内気でドジなところのある小学五年生の美優は、不思議な事件をきっかけに同級生の萌が天使だということを知ってしまう。でも彼女は、美優が想像していた天使とはちょっと違って・・・
萌の仕事を手伝ううちに、いつの間にか美優にも人の持つ心の闇が見えるようになってしまった。さて美優は、大事な友達の闇を消すことができるのか?
※児童文学になります。小学校高学年から中学生向け。もちろん、過去にその年代だったあなたもOK!・・・えっと、低学年は・・・?
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
児童書・童話
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
Sadness of the attendant
砂詠 飛来
児童書・童話
王子がまだ生熟れであるように、姫もまだまだ小娘でありました。
醜いカエルの姿に変えられてしまった王子を嘆く従者ハインリヒ。彼の強い憎しみの先に居たのは、王子を救ってくれた姫だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる