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最終章 世界の夜明け
第25話 出発準備③
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急いで家馬車へ戻ると、俺達に気づいたタタンが手を振ったので、こちらも手を振り替えしてながら声をかけた。
「やぁ、少し素材集めをしていたんだ。ナナリさんとママリさんは家馬車の中かな?」
「あぁ、上半身のサイズを測っているけど、なんの為にそんなことをするんだ?」
「それは……」
上半身のサイズを測ったのは、鱗の乾燥対策にスライムの皮が有効だと思いついたので、鱗の部分を覆うことができる服を作るのだと伝えた。タタンは話の途中から目を丸くしながら驚いていて、伝え終わってもしばらく間は口が開いたままだった。
「そうだ、タタン達の計測は終わったの? まだなら僕が測るよ」
「あっ、俺達3人は終わっている。でも、本当にスライムの皮なんかで大丈夫なのか?」
有効性を説明したけど、それだけでは信じきれないようだ。実際にスライムの服を作って、本人に身に着けてもらうのが一番だと思うので、服作りに取り掛かることにした。
「まぁ、言葉だけじゃ納得できないみたいだから、これからスライムの服を作るから少し待ってくれるかな?」
サイズを測ったメモは、今も計測中のハリエットが持っているので、俺は魔法鞄からスライムの皮を取り出して、下準備となる生地作りを始める。
取り出したスライムの皮は厚みが1cm程で、表面はツルツル裏面は少し弾力がある。この弾力がある面を触ってみると、『ポツポツ』と小さな気泡のような物がたくさんある。スライムはこの気泡部に水を蓄えることで、体の乾きを抑えることができるから、陸上でも瑞々しい状態で生きることができているのだ。
俺はハサミを手にして、スライムの皮を正方形や長方形に裁断していく。テキパキと手慣れた動作で作業を進めていると、タタンとその子供達が食い入るように見つめていたので、作業の手を止めずに錬金術師であることを説明する。
「男が服を作るなんて珍しいよね? 僕はこう見えても錬金術師で、色々なアイテムを作ることができるから、裁縫もお手のものなんだよ」
「他にどんな物を作ったの?」
モモンは男の子だけあって物作りに興味があるようで、目を輝かせながら質問をしてきた。
「あの家馬車や、この魔法鞄も僕が作ったんだよ」
「えぇ~! あんな大きな馬車も! ウォードさんって凄い人なんだね」
「僕が凄いんじゃなくて、先人の錬金術師達が凄いんだよ。僕は真似をしているだけだから」
「僕も頑張れば錬金術師になれるかな?」
「なれるよ。僕には錬金術師の天賦はなかったけど、物を作り続けることで錬金術師の天賦が身に付いていたんだからね」
「そうなの! 僕も頑張ってみるよ」
「努力をすれば立派な錬金術師になれるよ」
そんな話をしていると、家馬車のドアが開いてハリエットが出てくると、ナナリとママリの2人が後に続いて出てきた。
「やぁ、少し素材集めをしていたんだ。ナナリさんとママリさんは家馬車の中かな?」
「あぁ、上半身のサイズを測っているけど、なんの為にそんなことをするんだ?」
「それは……」
上半身のサイズを測ったのは、鱗の乾燥対策にスライムの皮が有効だと思いついたので、鱗の部分を覆うことができる服を作るのだと伝えた。タタンは話の途中から目を丸くしながら驚いていて、伝え終わってもしばらく間は口が開いたままだった。
「そうだ、タタン達の計測は終わったの? まだなら僕が測るよ」
「あっ、俺達3人は終わっている。でも、本当にスライムの皮なんかで大丈夫なのか?」
有効性を説明したけど、それだけでは信じきれないようだ。実際にスライムの服を作って、本人に身に着けてもらうのが一番だと思うので、服作りに取り掛かることにした。
「まぁ、言葉だけじゃ納得できないみたいだから、これからスライムの服を作るから少し待ってくれるかな?」
サイズを測ったメモは、今も計測中のハリエットが持っているので、俺は魔法鞄からスライムの皮を取り出して、下準備となる生地作りを始める。
取り出したスライムの皮は厚みが1cm程で、表面はツルツル裏面は少し弾力がある。この弾力がある面を触ってみると、『ポツポツ』と小さな気泡のような物がたくさんある。スライムはこの気泡部に水を蓄えることで、体の乾きを抑えることができるから、陸上でも瑞々しい状態で生きることができているのだ。
俺はハサミを手にして、スライムの皮を正方形や長方形に裁断していく。テキパキと手慣れた動作で作業を進めていると、タタンとその子供達が食い入るように見つめていたので、作業の手を止めずに錬金術師であることを説明する。
「男が服を作るなんて珍しいよね? 僕はこう見えても錬金術師で、色々なアイテムを作ることができるから、裁縫もお手のものなんだよ」
「他にどんな物を作ったの?」
モモンは男の子だけあって物作りに興味があるようで、目を輝かせながら質問をしてきた。
「あの家馬車や、この魔法鞄も僕が作ったんだよ」
「えぇ~! あんな大きな馬車も! ウォードさんって凄い人なんだね」
「僕が凄いんじゃなくて、先人の錬金術師達が凄いんだよ。僕は真似をしているだけだから」
「僕も頑張れば錬金術師になれるかな?」
「なれるよ。僕には錬金術師の天賦はなかったけど、物を作り続けることで錬金術師の天賦が身に付いていたんだからね」
「そうなの! 僕も頑張ってみるよ」
「努力をすれば立派な錬金術師になれるよ」
そんな話をしていると、家馬車のドアが開いてハリエットが出てくると、ナナリとママリの2人が後に続いて出てきた。
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好きな展開です!また見に来ますね!
コメントありがとうございます(*^^*)
私の作品はチート系が多いのですが、この作品は少し異質なので、私も気に入ってるです。
ウォード君、脱ぼっちおめでとう🎉
少しずつですが幸運を掴むウォード君を応戦してあげて下さいね!