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最終章 世界の夜明け

第20話 魚人との交流②

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 俺は休憩ポイントの開けた場所から、木々の中を徒歩で進んでいく。10分程歩き続けていると、水の上に船上ハウスのようなものが見えてきた。落木で作った粗末なものが1つ浮いていていて、タタンの家族だけがここで生活をしているようだ。

「ゆっくり休めたのか?」

 そのまま船上ハウスへ近づいていると、俺の気配に気づいたタタンが、入り口から顔出して声をかけてきた。

「おかげ様で疲れは完全に癒えたよ」
「そうか、狭い家だが入ってくれ」
「ありがとう」

 家から離れた場所で2人で話すのかと思ったが、俺達は警戒すべきヒューマンではないと思ってくれたようで、好意に甘えてお邪魔して話をすることになった。

 家の中へ入って行く。部屋は一部屋のみ、そこにタタンん以外に4人の魚人フィシャーが居たので、俺は挨拶をする。

「僕はウォード。突然の訪問で驚かせて申し訳ない。そして、家へ招いて頂き感謝します」

 家族からの返事はなく頷くのみで、タタンは軽く頭を掻きながら申し訳なさそうな表情をしながら口を開いた。

「俺の家族を紹介する。母のナナリ、妻のママリ、息子のモモン、娘のララリだ」

 タタンが4人の家族を紹介するも頷くだけ。ヒューマンに対する印象はかなり悪いようだが、こればかりは王都での状況を踏まえれば仕方のないことだろう。この場で話すことで少しでも打ち解ければと思った。

「突然訪れたにも関わらず、水場での休憩を認めてもらい感謝します。ご主人から聞いてるかと思いますが、家族に半森人ハーフエルフがいることで異端者に認定されたことで、王都から逃れてクルーズ共和国へ向かう途中なんです」

 クルーズ共和国へ向かうという言葉に、ナナリが何か言おうとしたが、それをタタンが手で制して首を横に振ると押し留まった。

「他種族と婚姻して子を設けたとなると、共和国へ行く選択肢は正しい。それで、ヒューマニアとエルフィアのどっちへ行くんだ?」
「いや、共和国の制度については知識がないんだよ。その2つがお勧めなのかな?」
「あぁ、共和国と交流のない国々では、その辺りの情報を知ることはできないか。俺の知ってる範囲で教えておくよ」
「ありがとう」

 タタンが言うには、ヒューマンの国ヒューマニア、森人エルフの国エルフィア、穴人ドワーフの国アングラン、獣人アニマルの国アニラム等という国があるらしい。どの国も互いの種族を尊重しあっているが、基本的には自分と同じ種族の国に身を置いているらしい。偶然とはいえ、この水場に訪れたのは幸運のおかげかな? 

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