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最終章 世界の夜明け
第2話 親子の会話
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全ての準備を終えて、俺達は王都を目指して馬車を走らせる。バラハット村で過ごした3年間は、冒険者というよりも猟師をして生活を送っていた。俺の家族に害を成さないのなら、魔物を討伐する必要はないと判断したからだ。
魔物は無差別に人を襲う訳ではなく、生活領域を侵さなければ何もしてこないのだ。だから、俺の生活領域を侵さない魔物には手を出さず、襲ってくる場合にのみ討伐するようにしていた。
そんな俺達が王都を目指す旅の道中は、魔物よりも盗賊による襲撃の方が圧倒的に多かった。生活領域を守る為に戦う魔物に対して、盗賊は街道を通る旅人などを見境なく襲い全てを略奪するからだ。本当に人の悪意は醜い……。
俺は悪意を向ける相手に遠慮しない、なので襲ってきた全ての盗賊は討ちとっていった。
王都に着くまでに幾つかの街を訪れたが、王都へ近づくほどに差別は色濃くなる。種族としては人族と魔族と言われているが、人族にも人間・エルフ・ドワーフ・獣人などがあって、人間を基準にして容姿がかけ離れる者との差別化を図っている。その考えは人魔共生の道を完全に断ち切った、過去の愚王スレインが示した道だから。
「この耳の形にすら偏見の目を向けられるなんて、本当に人って何かと優越をつけたがるのね」
王都に一番近い街アルゼリオンでは、ハリエットの耳を見てハーフエルフと認識すると、偏見の目を向けられるのだった。その様子を見たアミュルが不思議そうな顔をしながら、俺に疑問を投げかけてきた。
「パパ、ママと私の耳の形は変なの?」
「変なんかじゃない。パパはねママとアミュルの耳が大好きだよ。この世界に生きる全ての人には、見た目の違いはあるけど同じ生き物だよ」
「魔物も?」
「そうだよ。魔物は自分達の家を奪いに来るから戦うだけで、それはパパ達も同じだよ」
「魔物は悪くないの?」
「うん、パパはみんな仲良くできると思ってるんだ。アミュルはどうかな?」
「私もそう思う!」
「うん、アミュルはいい子だね」
俺とアミュルが話していると、ハリエット達が微笑みながら見守っていた。ただ王都に着けばこんな話を外ですることはできないだろう。下手に衛兵達の耳に届くと、不穏分子として囚われの身になってしまう可能性がある。これから先はそういったことにも、注意を払わなければならない状況なのだと、理解しなければならないのだった。
魔物は無差別に人を襲う訳ではなく、生活領域を侵さなければ何もしてこないのだ。だから、俺の生活領域を侵さない魔物には手を出さず、襲ってくる場合にのみ討伐するようにしていた。
そんな俺達が王都を目指す旅の道中は、魔物よりも盗賊による襲撃の方が圧倒的に多かった。生活領域を守る為に戦う魔物に対して、盗賊は街道を通る旅人などを見境なく襲い全てを略奪するからだ。本当に人の悪意は醜い……。
俺は悪意を向ける相手に遠慮しない、なので襲ってきた全ての盗賊は討ちとっていった。
王都に着くまでに幾つかの街を訪れたが、王都へ近づくほどに差別は色濃くなる。種族としては人族と魔族と言われているが、人族にも人間・エルフ・ドワーフ・獣人などがあって、人間を基準にして容姿がかけ離れる者との差別化を図っている。その考えは人魔共生の道を完全に断ち切った、過去の愚王スレインが示した道だから。
「この耳の形にすら偏見の目を向けられるなんて、本当に人って何かと優越をつけたがるのね」
王都に一番近い街アルゼリオンでは、ハリエットの耳を見てハーフエルフと認識すると、偏見の目を向けられるのだった。その様子を見たアミュルが不思議そうな顔をしながら、俺に疑問を投げかけてきた。
「パパ、ママと私の耳の形は変なの?」
「変なんかじゃない。パパはねママとアミュルの耳が大好きだよ。この世界に生きる全ての人には、見た目の違いはあるけど同じ生き物だよ」
「魔物も?」
「そうだよ。魔物は自分達の家を奪いに来るから戦うだけで、それはパパ達も同じだよ」
「魔物は悪くないの?」
「うん、パパはみんな仲良くできると思ってるんだ。アミュルはどうかな?」
「私もそう思う!」
「うん、アミュルはいい子だね」
俺とアミュルが話していると、ハリエット達が微笑みながら見守っていた。ただ王都に着けばこんな話を外ですることはできないだろう。下手に衛兵達の耳に届くと、不穏分子として囚われの身になってしまう可能性がある。これから先はそういったことにも、注意を払わなければならない状況なのだと、理解しなければならないのだった。
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