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第五章 ウォード覚醒編
第54話 想定外の化物
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§クリムゾン視点§
モンスタールームからスタンピードの状況報告を受ける。その内容に顔が歪んでしまう……
第一波の通常ゴブリンは城塞に取り付くことすらできずに全滅して、続く第二波は僅かな数のゴブリンが城塞に辿り着いたが、門にダメージを与えることなく全滅した。
そして、第三波からようやく門に取り付くことできて、徐々に門にダメージを与え始める。ただ、オークや大蜥蜴等の大型種を優先的に倒されて、門の破壊には至らなかった。
数時間にも及ぶスタンピードなのに、未だに市街地に侵攻できないとは……、どれだけ優秀な兵を揃えてるのかと驚いていると、衝撃の事実を告げられる。
「クリムゾン様……、ここまでのスタンピードで魔物の大群を倒したのは、1人のハンターと召喚された幻影猫のようです……」
「!?」
言葉が出なかった。
数時間にも及ぶスタンピードで、魔物の殆どを1人と1体で倒しきっただと? しかも人が幻影猫を従えているなどあり得ることなのだろうか? 災厄級の魔物を従えるなんて、想定外の化物がヤンカー市に居たということか。ソイツがモンスタールームを破壊したんだな。
「危険な存在だな」
「クリムゾン様、私が行きます。お守りできないので魔王領へお戻りください」
「ダメだ。お前には荷が重すぎる」
「あなたが命を削ったように、私は理性を解き放って命が尽きるまで暴走します」
「!?」
覚悟を決めた者の目だ。
「判った。人類滅亡の礎となってくれ」
「はい、全てはセレンスティア様の為に!」
「さらば、我が友アズーロよ」
死にゆく友と抱擁を交わして、俺は魔王領へと戻ったのだった。
§メインストーリー§
魔人化したことで戦況は一変する。
セレーナが魔物の山を崩すことに成功して、当面は魔物が城塞を越えることはなくなった。俺も太刀の一振り斬撃を飛ばすことで、次々と魔物を斬り伏せていくと、溢れていた魔物がついに途切れたのだった。
「乗り切ったぞ!」
「「おぉ~!」」
城塞の領兵から勝鬨が上がるが、まだまだスタンピードは終わっていない。モンスタールームで現れていた皇帝と将軍のゴブリンが現れていないからだ。
「気を抜くな!まだスタンピードは終わっていない。次に備えるんだ!」
俺は気を抜くなと伝えたのに、領兵はとんでもない愚行を犯してしまう。
「煩い!終わりだ!おい、大量の魔石を回収するから門を開けろ」
「「おぉ~!」」
愚かな判断により城塞の門は開けられ、短剣を手にした領兵が出てくると、魔物の亡骸から魔石の回収を始めたのだった。
「ダメだ!スタンピードは終わってないんだぞ!早く城塞に戻って門を閉じるんだ」
「どこに魔物の群れが居るんだ。少し活躍した程度でいい気になるな!」
俺の言葉に耳を貸さずに、より大きな魔石を求めて俺が戦っていた前線に領兵がやって来ると、再び魔物が押し寄せる足音が鳴り響きだしたのだった……。
モンスタールームからスタンピードの状況報告を受ける。その内容に顔が歪んでしまう……
第一波の通常ゴブリンは城塞に取り付くことすらできずに全滅して、続く第二波は僅かな数のゴブリンが城塞に辿り着いたが、門にダメージを与えることなく全滅した。
そして、第三波からようやく門に取り付くことできて、徐々に門にダメージを与え始める。ただ、オークや大蜥蜴等の大型種を優先的に倒されて、門の破壊には至らなかった。
数時間にも及ぶスタンピードなのに、未だに市街地に侵攻できないとは……、どれだけ優秀な兵を揃えてるのかと驚いていると、衝撃の事実を告げられる。
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「!?」
言葉が出なかった。
数時間にも及ぶスタンピードで、魔物の殆どを1人と1体で倒しきっただと? しかも人が幻影猫を従えているなどあり得ることなのだろうか? 災厄級の魔物を従えるなんて、想定外の化物がヤンカー市に居たということか。ソイツがモンスタールームを破壊したんだな。
「危険な存在だな」
「クリムゾン様、私が行きます。お守りできないので魔王領へお戻りください」
「ダメだ。お前には荷が重すぎる」
「あなたが命を削ったように、私は理性を解き放って命が尽きるまで暴走します」
「!?」
覚悟を決めた者の目だ。
「判った。人類滅亡の礎となってくれ」
「はい、全てはセレンスティア様の為に!」
「さらば、我が友アズーロよ」
死にゆく友と抱擁を交わして、俺は魔王領へと戻ったのだった。
§メインストーリー§
魔人化したことで戦況は一変する。
セレーナが魔物の山を崩すことに成功して、当面は魔物が城塞を越えることはなくなった。俺も太刀の一振り斬撃を飛ばすことで、次々と魔物を斬り伏せていくと、溢れていた魔物がついに途切れたのだった。
「乗り切ったぞ!」
「「おぉ~!」」
城塞の領兵から勝鬨が上がるが、まだまだスタンピードは終わっていない。モンスタールームで現れていた皇帝と将軍のゴブリンが現れていないからだ。
「気を抜くな!まだスタンピードは終わっていない。次に備えるんだ!」
俺は気を抜くなと伝えたのに、領兵はとんでもない愚行を犯してしまう。
「煩い!終わりだ!おい、大量の魔石を回収するから門を開けろ」
「「おぉ~!」」
愚かな判断により城塞の門は開けられ、短剣を手にした領兵が出てくると、魔物の亡骸から魔石の回収を始めたのだった。
「ダメだ!スタンピードは終わってないんだぞ!早く城塞に戻って門を閉じるんだ」
「どこに魔物の群れが居るんだ。少し活躍した程度でいい気になるな!」
俺の言葉に耳を貸さずに、より大きな魔石を求めて俺が戦っていた前線に領兵がやって来ると、再び魔物が押し寄せる足音が鳴り響きだしたのだった……。
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