俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第五章 ウォード覚醒編

第44話 オークと謎の物体

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 2階層のマッピングを終えて3階層に降りると、開けた場所だったので一旦休憩をとる。

「階層が変わって良いタイミングだから、ここで休憩にしようか」
「「OK!」」

 水と干し肉で軽くエネルギーをチャージしながら、階層が変わったことでの注意点を伝える。協会で手に入れた情報は信憑性に欠けるので、全てを鵜呑みにはできないけど、3階層からは出現する魔物が変わってくるらしい。

「3階層からはオークが現れるみたいなんだ。大きな体から繰り出される一撃は重いから、掠るだけでも大怪我をするから注意ね。それと、ここからはパーティーで連携するから指示を出すね」
「「OK!」」
「やっと、私達の出番だね!みんな頑張ろうね」
「「はい!」」

 ハリエットが握り拳に力を込めて鼓舞すると、応えるように返事をしたところで、休憩を終えてマッピングを再開した。

 メルローズが先頭で、僕とアナスタシアが真ん中、ハリエットとサーシャが殿で3階層を進む。ダンジョン内の雰囲気は変わってないので、注意するのは魔物だけで済むのはありがたい。順調に進んでいると、後方から何かが近付いてくるのを感じた。

「後ろから何か来る!方向転換して迎え撃つ。サーシャ、植物魔法は使えそう?」
「相手がオークだと、この場所の苔だと抑えきれないかも知れない」
「OK、オークの場合はメルの重力魔法で、それ以外はサーシャが植物魔法で拘束してね」
「「OK!」」

 メルローズが盾を構えて魔物が現れるのを待っているけど、思った以上に時間が掛かっていることから、俺はオークして指示を出しなおす。

「動きが遅いからオークのはずつだから、メルの拘束でいく数は1体だから僕が仕留めるね」
「「OK!」」

「ブモォ~!」

 オークの動きは本当に遅い。指示を出し直しても余裕で待ち受けることができた。もし、この階層の魔物がオークだけなら、不意打ちの心配はなさそうだと考えていると、ようやく視界に捉えることができた。

「いくよ!〚重力グラビティー〛」
「ブ、ブヒィ!」

 メルローズの魔法により数倍の荷重がかかる。オークは耐えきれずに片膝をつくと、間合いを詰めて一気に太刀を振り抜く。

『スパンッ!』

「ブモ……」

 簡単に首を刎ねると、オークは魔石と丸い物体を残して消滅した。太刀を鞘に戻してドロップを回収する前にみんなに声をかける。

「お疲れ様。次は植物魔法がどこまで通用するかを試してみるね。しかし、これは何だろうね?」
「普通は牙が肉塊なんだけど、私もこんな物体は初めてかな」

 ハンター協会の受付で、様々な物を見てきたサーシャが初めて見る物体だと言うので、鑑定メガネを付けて確認することにした。

 この物体はかなりヤバい物で、取り扱いについて大いに揉めることになるとは思ってもいなかった……

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