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第五章 ウォード覚醒編
第41話 善と悪
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ハリエットに優しく抱きしめられ、2人を救えなかった事への自責の念が少し楽になった。
「ありがとう」
「ううん、これだけは言っておくね。ウォードが責任を感じることはないんだよ? 私達はダンジョンの攻略してるハンター、あの時の状況なら私も右側へは進まなかったもん。今回は私達の目の前で事件が起こっただけ、どこでも同じようなことが起こってるんだよ。私達もレイバンに無理矢理奴隷にされかけたでしょ? 難しいかも知れないけど割り切らないとダメだと思う」
駆け出しハンターの頃に、俺の天賦〚幸運〛の効果によるドロップを目当てに、奴隷にされそうになった時のことを例にして、身近なところでも犯罪は起こっているから、割り切る必要があると伝えられた。
「うん、気持ちを切り替えるよ」
「それなら、途中に開けた場所があったので、そこで野営にしない? 今日は色々とあったから、心身を休める必要があるよ」
サーシャが道中に開けた場所を確認していたようで、そこで野営をすることを提案してきた。確かに野営をすることで、気持ちを切り替えるには良いタイミングだと思った。
「そうだね。今日のマッピングはここまでにして、サーシャの言う通りに野営にしようか。僕は追跡するのに必死だったから、開けた場所へ案内してくるかな」
「OK!」
サーシャの案内で開けた場所へ着くと、アナスタシアに野営の段取りを教えながら準備をした。夕食を食べた後は、セレーナを召喚して見張りを任せて寝床へ着いた。
俺は横になりながら考える。
精神の間で見たセレン島の悲劇も、今日の惨劇も、俺から見れば悪事を働いた側は明確だけど、スレイン王やゴメズは、自分の行いを悪だとは思っていなかったのでは? 自分本位で考え欲望を満たす為に手段をとっただけだ。俺達が生きる為に、牛や豚を殺すのと同じ程度に思っているのなら、罪の意識なんてある訳がない。
(個々によって善と悪の概念は違うのか……)
そんなことを考えていた為に眠れずにいると、俺のテントに誰かが入ってきたので、目を向けるとハリエットだった。
「どうしたの?」
俺が声をかけると、返事をすることなく俺の口を塞いだ。
「んっ」
そのまま舌を絡ませる濃厚なキスに、俺の理性が飛びそうになるのを耐えて、塞がれていた口を離して話しかける。
「ねぇ、どうしたの?」
「心配してたんだよ? モンスタールームに閉じ込められた時は……」
「あれは、僕の不注意だったよ。本当に心配をかけちゃったね」
「もう、あんな思いは……」
そこから言葉を詰まらせたのかと思うと、服に手をかけ一糸まとわぬ姿になり、俺に抱き着き再び口づけをしたあとに口を開いたのだった。
「ありがとう」
「ううん、これだけは言っておくね。ウォードが責任を感じることはないんだよ? 私達はダンジョンの攻略してるハンター、あの時の状況なら私も右側へは進まなかったもん。今回は私達の目の前で事件が起こっただけ、どこでも同じようなことが起こってるんだよ。私達もレイバンに無理矢理奴隷にされかけたでしょ? 難しいかも知れないけど割り切らないとダメだと思う」
駆け出しハンターの頃に、俺の天賦〚幸運〛の効果によるドロップを目当てに、奴隷にされそうになった時のことを例にして、身近なところでも犯罪は起こっているから、割り切る必要があると伝えられた。
「うん、気持ちを切り替えるよ」
「それなら、途中に開けた場所があったので、そこで野営にしない? 今日は色々とあったから、心身を休める必要があるよ」
サーシャが道中に開けた場所を確認していたようで、そこで野営をすることを提案してきた。確かに野営をすることで、気持ちを切り替えるには良いタイミングだと思った。
「そうだね。今日のマッピングはここまでにして、サーシャの言う通りに野営にしようか。僕は追跡するのに必死だったから、開けた場所へ案内してくるかな」
「OK!」
サーシャの案内で開けた場所へ着くと、アナスタシアに野営の段取りを教えながら準備をした。夕食を食べた後は、セレーナを召喚して見張りを任せて寝床へ着いた。
俺は横になりながら考える。
精神の間で見たセレン島の悲劇も、今日の惨劇も、俺から見れば悪事を働いた側は明確だけど、スレイン王やゴメズは、自分の行いを悪だとは思っていなかったのでは? 自分本位で考え欲望を満たす為に手段をとっただけだ。俺達が生きる為に、牛や豚を殺すのと同じ程度に思っているのなら、罪の意識なんてある訳がない。
(個々によって善と悪の概念は違うのか……)
そんなことを考えていた為に眠れずにいると、俺のテントに誰かが入ってきたので、目を向けるとハリエットだった。
「どうしたの?」
俺が声をかけると、返事をすることなく俺の口を塞いだ。
「んっ」
そのまま舌を絡ませる濃厚なキスに、俺の理性が飛びそうになるのを耐えて、塞がれていた口を離して話しかける。
「ねぇ、どうしたの?」
「心配してたんだよ? モンスタールームに閉じ込められた時は……」
「あれは、僕の不注意だったよ。本当に心配をかけちゃったね」
「もう、あんな思いは……」
そこから言葉を詰まらせたのかと思うと、服に手をかけ一糸まとわぬ姿になり、俺に抱き着き再び口づけをしたあとに口を開いたのだった。
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