俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第五章 ウォード覚醒編

第40話 生きる価値もない者

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 カイとの約束を果たす為に、俺達はマヤさんを攫ったパーティーを追った。

 闇雲に追うのではなく、追い付くことを願うことで〚幸運〛に導かれるように進んで行った。

 移動中にパミュルがマヤのことで話しかけてきた。攫ったパーティーに追い付けた時に、見るであろう光景に俺が耐えられないと思ったようだ。

『ウォード、追いついた時のことたけど、マヤは……』
『言わなくても判ってる。その時は許すつもりはない。そんな奴等には生きる価値もない』
『そう、判ってるならいいの』

 攫われたマヤが身代金目的なら相手も手を出さないと思うけど、パートナーに手をかけた時点で、自分達の快楽という欲望の為だろう。どれくらいの時間が経ったのかは判らないけど、全くの無事とはいかないことは判っている。

 判っていたけど……、惨劇の現場にたどり着いた時、俺の理性は怒りのあまりに抑えが効かなかった。

「おい、お前達!何をしてるぅ!」
「あっ? 見りゃ判るだろう。お楽しみの仕上げをしたところだよ」

 俺の目の前には、頭部を切断されたマヤの亡骸に対して、未だに腰を振ってる光景だった。

「ゴメズの兄貴は少し変わっててな、生きた状態でヤリながら最後は首を刎ねんだよ。本当は俺達も味わいたかったけど、兄貴の獲物に手を出せねえから我慢してたんだ。良い女を連れてるようだから、俺達がいただくぜ!」

『スパッ!』
『ボトッ』

 マヤは無惨な姿で亡くなっていた。さらに俺の大事な人達にまで手を出すと言った瞬間に、俺は男の首を刎ねていた。

 男達は、仲間が殺され驚いた。

 屈強な男5人のパーティーなので、俺達のような女性中心のパーティーから仕掛けてくるとは思ってもいなかったようだ。

「「てめぇ!」」
「俺の愉しみを邪魔しやがって、お前の目の前で後ろの女達を犯してやるからな」

『これを見ても人類を救うべきだと思う?』

 精神の間で、俺の心に語り掛けてきた言葉が脳裏をよぎった。そう、全ての人類が悪ではないけど、目の前の男達は完全な悪だ。

 こいつ等は……、生きる価値もない者だ!

 俺の中で答えが出ると、武器を取ろうとした3人を瞬時に斬り伏せて、マヤを凌辱していたゴメズの首元に太刀を添えた。

「ま、待て!悪かった。手持ちの金品を全て渡すから助けてくれ!」
「そんな物はいらない」

『シュンッ』

 俺は恐怖で萎えたモノを斬り落とした。

「がぁあああ!俺のイチモツがァあああ」

 無くなったモノの場所に手を当て、大声で叫ぶゴメズはそのまま地面に両膝を着く。

「煩い!」

『シュバッ!』
『ボトッ』

 太刀を一振してゴメズの首を刎ねた後、俺は目を閉じて上を向いた。

(カイさん、マヤさん、救えなくてごめんなさい……)

 俺が声に出さずに心の中で泣いていると、ハリエットが後ろから優しく抱きしめてくれた。

 その優しさが本当にありがたく思った。
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