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第五章 ウォード覚醒編

第18話 緑門

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 討伐から戻ってからは、アナスタシアのもう1つ天賦である付与魔法について調べようと思い、魔法全集を開いてみた。

 基本的にはアイテムに効果を付与する魔法で、1つのアイテムに重複して効果は付与できない。付与できるのは魔法を蓄えることができる物のみで、効果を付与すると徐々に効果が薄れていく、これは素材によって浸透率が違う為に、3日で効果が切れる物もあれば10日持つ物もある。ちなみに普通の布切れなどのように、魔法を浸透しない素材には付与はできない。

(これからは多少値が張っても、魔法浸透率のある素材で装備を整えないといけないね)

 アイテムへの付与については、術者が効果を理解していないと付与できないので、これからはアナスタシアに付与したい効果を学んでもらうことになる。

(これはからはアナと2人で、勉強漬けの毎日になりそうだな)

 アイテムへ付与する効果については、属性効果を付与するとなると個々に違うので、全員が恩恵を受けるとことができない。そうなると攻撃・防御・敏捷あたりが無難かなと思ったので、みんなと話し合う機会を作って、効果の優先順位を決めようと思った。

 そして翌朝になり、ヤンカー市にある唯一のダンジョン【緑門】へと向う。この緑門は前世の俺が死ぬことになった、スタンピードの原因になった場所だ。

「ねぇ、どうして緑門って言われてるの?」
「私も知りたいな」

 ハリエットが緑門と言われる所以を聞いてきた。アナスタシアも知らないようなので、移動しながら説明する。

「緑門はその名の通り【緑の魔物】が現れるダンジョンなんだよ。ゴブリンやオーク以外にも大蜥蜴リザード大蛇サーペントなど、とにかく緑色の魔物が生息してるんだよ」
「へぇ~、鬼のつく魔物が現れた鬼の棲家と似たような感じなんだね」
「そうだね。ダンジョンの名前なんて適当なものだよ。スライムの穴もそうだからね」

 そんな話をしてると緑門の前に到着した。

 スタンピードの教訓を活かして、入口周辺は堅固な壁に囲まれていた。入場手続きを済ませMAPを受け取った後に、大きな鉄門を通り抜けてダンジョンの中へと足を踏み入れた。

「ここからは隊列を組むよ。メルを先頭にしてサーシャ、僕、アナ、ハリエットの順で進んでいくよ」
「「OK!」」

 入場手続き時にMAPをもらったけど、酷いものだったのでマッピングをしていくことにしたので、先頭を進むメルローズに声をかける。

「一応MAPをもらったけど、かなり粗悪な物だからマッピングをしていくから、進行速度は遅めでよろしくね」
「OK!」

 さぁ、緑門の攻略開始だ。前回の鬼の棲家はダンジョンが消滅したけど、今回はどんなことが起こるのか考えると、胸の鼓動が高鳴るのだった。
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