俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第五章 ウォード覚醒編

第15話 身体強化の効果

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 討伐から戻ると、俺とアナスタシアは宿の前でハリエット達と別れて、部屋に戻って先に休ませてもらう。3人はハンター協会で精算に向った。

 俺は宿に戻るとアナスタシアに声をかける。

「じゃあ、みんなが戻るまで少し休もうか」
「はい、具合が悪くなったら、遠慮なく声をかけてくださいね」
「うん」

 声をかけた後、部屋に入って着替えていると、パミュルが話しかけてきた。

『久しぶりの討伐はどうだった?』
『少し緊張したかな?』
『緊張してたの?鼓動が安定していて、とても落ち着いてると感心してたのよ?』
『鼓動には現れない心の緊張だよ』
『そうなのね。じゃあハリエット達が戻るまでゆっくり休んでね』
『うん、ありがとう』

 パミュルと少し話した後は、ベッドで横になって軽く睡眠を取ることにした。

『ツンツン』

 何か頬に当たった気がしたけど、眠気に負け勝てず起きることができなかった。このまま夢心地が続くのかと思ったら、眠気と全く違う感覚が襲いかかってきて目が覚めた。

「うっ……」

 思わず声が漏れ出て目を開けると、ハリエットが俺の下半身を刺激していた。目覚めたことに気づくと、妖艶な笑みを浮かべながら口に含んだまま激しく動くので、耐えきれずにハリエットの口で果ててしまった。

「ふふっ、ごめんね。起こそうとしたのに起きないから……ねっ」
「思ったより疲れてたのかな?起きるよ」

 イタズラな笑顔でそんなことを言われると、俺としては逆に『ありがとう』と言いたくなる。食事の準備ができてみんなが待ってるので、食事を取りながら明日の討伐に向けて話をする。

「明日からは僕とアナちゃんも討伐に参加するね。僕は指示役で、アナちゃんは身体強化でのサポートになるから、戦闘は3人に任せることになるけどね」
「身体強化って初めてなんだけど、飛躍的に向上するものなの?」

 ハリエットが初めて経験することになる身体強化について聞いていたので、アナスタシアの強化魔法を使ってもらいながらレクチャーする。

「何もしない状態で力比べをするよ」
「OK!」

 ハリエットとサーシャが力比べをすると、ハリエットが圧倒する。これまでの経験を考えれば当然の結果なので、アナスタシアにはサーシャへ強化魔法を使ってもらう。

「アナちゃん、サーシャに力が強くなるイメージで〚攻撃強化ATKエンハンス〛と唱えてくれるかな」
「はい、〚攻撃強化ATKエンハンス〛!」
「OK!じゃあ力比べをしてみて」
「「OK!」」

 2人が力比べを始めると、『ガシッ』と組んだ瞬間に全く違うことに気づいた2人が驚きの声をあげる。

「「全然違う!」」

 結果的にはハリエットが力比べに勝利したけど、1回目と違って圧倒することはなかった。

「これが身体強化だよ。効果的に使えば戦況を一変することができると思わない?」
「その通りだと思います。本当に凄いです」
「明日は身体強化に慣れることを含めた討伐をするからね」
「「OK!」」

 身体強化の効果を目の当たりにしたアナスタシアは、自分の天賦が戦闘の役に立つと判って、とても嬉しそうにしてたのが印象的だった。
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