俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ（笑）

第五章 ウォード覚醒編

第3話 ラミュルの忠告

　ラミュルが口にした言葉が気になったので、そのことを聞いてみることにした。

「その、人と魔物が交わる者って、なにか問題があるのかな？」
「うん、女がゴブリンに犯されると受胎した場合は100%ゴブリンが生まれるんとけど、その逆の場合は人の要素があるゴブリンが生まれる事象があるんだよ」

　なんと、この世界にはゴブリンの雌を性の対象にする人が居るのか……流石に驚いてると、パミュルから話しかけられた。

『ふふっ、ウォードはスライムの私を愛してくれたでしょ？』
『あっ、確かにそうだね。ごめんね』
『まぁ、私の場合は完全な人の容姿をしてるから、ゴブリンと交わった者とはかなり違うわね』

　パミュルに言われて、スライムだということを思い出した。もし、パミュルが受胎することになれば、生まれる子供はどうなるのかと思った。

『スライムの繁殖は細胞分裂みたいな感じだから、ウォードとの行為で繁殖することはないから大丈夫よ』

　俺がパミュルと話してると、ラミュルが不思議そうな顔をしながら話しかけてきた。心の中で話をしてるから、黙って考え込んでるように見えたみたい。

「お兄ちゃん、パミュルさんと話してるの？」
「あっ、ごめん。今の言葉だと僕はかなり特殊なケースになるよね？」
「口に出さずに話せるってそういう感じなんだね。あっ、話を戻すけどかなり特殊だね。直接体内へ埋め込んだわけだから、問題は今の状態がどちらかなんだよ。もしも魔物と判定されると処分対象になるかも知れないの」

　なるほど、どんな形であれ魔物と呼ばれるようになれば処分するのがこの世の常識なんだね。これまで生きてきて、種族確認なんて書類に記入するだけの自己申告しかしてない。そんなに気にする必要はないと思った。

「種族なんて自己申告だから、これまで通りに人と書けば良いんじゃないの？」
「私達はそれで良いんだけどね。もし、種族鑑定で魔物だと判明したら処分されるから、知っておいた方が良いと思うの」

　教会には鑑定スキルを持つ者が常駐してるし、街中でも知らないうちに鑑定されるかも知れない、ラミュルの忠告に知っておくべきだと思った。

「そうだね、直ぐに調べるからハリエットを呼んでくれる？」
「えっ、調べるって、ハリエットさんは〚鑑定〛持ちなの？」
「ううん、鑑定メガネを持ってるんだよ」
「そんな貴重な物を……、判った呼んでくる」

　ラミュルは部屋を出てハリエットを呼びにいったから、戻れば直ぐに種族を鑑定できるはず。

（仮に魔物になってたら、直ぐにヤンカー市から出ていくしかないのかな？）