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第四章 帰郷編
第65話 パミュルの決意
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俺がみんなのもとに戻ってしばらくすると、診察結果をまとめたラミュルが戻ってきた。
「嘘偽りなく報告させてもらうね。お兄ちゃんの胸の痛みは、胸に負った傷が原因で心臓の筋組織が機能してないの。負った傷は完治してしまっていて、私の白魔法ではどうすることもできないの……傷が治る前なら、なんとかなったかも知れないのに……」
「「……」」
ラミュルの言葉の後は、みんな言葉を失い沈黙が続いた。あの時の傷はそんな深傷だったとは、本当なら即死していたところを〚幸運〛のおかげで、セナに逢うまで生き長らえたのだと思った。
「そうか、そんな状態だったのか、ラミュル、辛いことを言わせてしまって、ごめんね」
「そんな……うっうぅ……」
俺がラミュルに辛い役目を背負わせたことを詫びると、下を向いて泣き出してしまう、アナスタシアは姉に近寄って心配そうに肩をさすり、セナはラミュル同様に涙を流していた。
俺の隣に座っていたハリエットは現実を受け止めきれずに呆然としていた。
そんた時、深く目を閉じたまま微動だにしなかったパミュルが口を開いた。
「宿へ戻りましょう。サーシャやメルローズにもこのことを伝えてあげないと、ウォードもそれでいいわね?」
「そうだね。ちゃんと伝えてあげないとね。セナ、今日は宿へ戻るけどまた顔を見せるからね」
この場に居ない2人にも早く伝えなければならないので、セナに宿へ戻ることとまた顔を見せるとだけ伝えると、首を横に振りながら答えた。
「あっ、私のことはいいから、自分の身体を第一に考えてね」
「身体のことはお互い様だよ?後悔はしたくないんだ。だからまた逢いに来るよ」
セナに自分の思いを伝えると、目を閉じて軽く頷いてから精一杯の笑顔を作りながら、俺の気持ちに応えてくれた。
「はい、あなたに任せます」
「うん、じゃあまた」
また来ると伝えた後は、ハリエットとパミュルに寄り添われながら宿へと戻っていた。
§パミュルの覚悟§
ラミュルの言葉を聞いた時は、頭が真っ白になってしまった。
何も考えることができなかったけど、宿に残っているサーシャとメルローズに、身体のことを伝えようと言って宿へ戻ることにした道中に、私は必死に考えを巡らせた。
私が存在する理由であるウォードが、居なくなるなんて想像すらできなかった。ただラミュルが言った心臓の筋組織が機能すれば、ウォードは生き続けることが可能になるかと思った。私の考えが可能なのかラミュルに確認することにした。
「ちょっと、先に戻ってくれるかしら?」
「良いけどどうかしたの?」
ウォードが不思議そうな顔をして聞いてきたので、私は適当にごまかしてその場を凌ぐ、本当のことを言えば必ず反対をするから。
「ラミュルに無茶を言ったから少し励まそうかと思ったのよ」
「そう、ありがとう。パミュルが戻ったら2人に説明するから早く戻ってね」
「えぇ、すぐに戻るわね」
私はウォードと分かれた後に、ラミュルの家へと急いで私の考えを伝えに行った。
そう、私がウォードの心臓になれるのかと……
「嘘偽りなく報告させてもらうね。お兄ちゃんの胸の痛みは、胸に負った傷が原因で心臓の筋組織が機能してないの。負った傷は完治してしまっていて、私の白魔法ではどうすることもできないの……傷が治る前なら、なんとかなったかも知れないのに……」
「「……」」
ラミュルの言葉の後は、みんな言葉を失い沈黙が続いた。あの時の傷はそんな深傷だったとは、本当なら即死していたところを〚幸運〛のおかげで、セナに逢うまで生き長らえたのだと思った。
「そうか、そんな状態だったのか、ラミュル、辛いことを言わせてしまって、ごめんね」
「そんな……うっうぅ……」
俺がラミュルに辛い役目を背負わせたことを詫びると、下を向いて泣き出してしまう、アナスタシアは姉に近寄って心配そうに肩をさすり、セナはラミュル同様に涙を流していた。
俺の隣に座っていたハリエットは現実を受け止めきれずに呆然としていた。
そんた時、深く目を閉じたまま微動だにしなかったパミュルが口を開いた。
「宿へ戻りましょう。サーシャやメルローズにもこのことを伝えてあげないと、ウォードもそれでいいわね?」
「そうだね。ちゃんと伝えてあげないとね。セナ、今日は宿へ戻るけどまた顔を見せるからね」
この場に居ない2人にも早く伝えなければならないので、セナに宿へ戻ることとまた顔を見せるとだけ伝えると、首を横に振りながら答えた。
「あっ、私のことはいいから、自分の身体を第一に考えてね」
「身体のことはお互い様だよ?後悔はしたくないんだ。だからまた逢いに来るよ」
セナに自分の思いを伝えると、目を閉じて軽く頷いてから精一杯の笑顔を作りながら、俺の気持ちに応えてくれた。
「はい、あなたに任せます」
「うん、じゃあまた」
また来ると伝えた後は、ハリエットとパミュルに寄り添われながら宿へと戻っていた。
§パミュルの覚悟§
ラミュルの言葉を聞いた時は、頭が真っ白になってしまった。
何も考えることができなかったけど、宿に残っているサーシャとメルローズに、身体のことを伝えようと言って宿へ戻ることにした道中に、私は必死に考えを巡らせた。
私が存在する理由であるウォードが、居なくなるなんて想像すらできなかった。ただラミュルが言った心臓の筋組織が機能すれば、ウォードは生き続けることが可能になるかと思った。私の考えが可能なのかラミュルに確認することにした。
「ちょっと、先に戻ってくれるかしら?」
「良いけどどうかしたの?」
ウォードが不思議そうな顔をして聞いてきたので、私は適当にごまかしてその場を凌ぐ、本当のことを言えば必ず反対をするから。
「ラミュルに無茶を言ったから少し励まそうかと思ったのよ」
「そう、ありがとう。パミュルが戻ったら2人に説明するから早く戻ってね」
「えぇ、すぐに戻るわね」
私はウォードと分かれた後に、ラミュルの家へと急いで私の考えを伝えに行った。
そう、私がウォードの心臓になれるのかと……
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