237 / 363
第四章 帰郷編
第53話 胸の違和感
しおりを挟む
俺は水トカゲの首を刎ねると、直ぐにパミュルの元へと駆け寄っていく。
「パミュル!」
「っ、ウォード……具合はどうなの?」
俺を庇って怪我をしたのに、自分のことより俺の具合を気にしていた。
「ごめん……、僕を庇ったから怪我を」
「大丈夫よ。私には〚自己回復〛があるから少しずつ回復するの。それよりウォードの体調はどうなの?何があったのか教えて欲しいの」
俺もなにが起こったのかは理解してない。どう説明すれば良いのか判らないけど、判ってる範囲で説明することにした。
「水トカゲの首を刎ねようとした時、突然胸に痛みが走って動けなくなったんだ。これまでこんな症状は1度もなかった。今は胸に痛みはないからどうか安心して欲しい。僕から言えることはそれだけだよ」
「本当に胸の痛みはないのね?」
「うん、大丈夫だよ」
「そう、良かったわ」
パミュルが念を押すように確認するので、俺は大きく頷いてから『大丈夫』と応えると、安堵の表情を見せてから胸に抱き寄せた。
「でも、しばらくは戦闘に参加しないで私達への指示に専念して欲しいかな?」
ハリエットも少し不安な表情をしながら、戦闘を控えるように言ってきた。確かに胸の痛みが出ると、戦闘で迷惑をかけることになるので、言われた通りに指示役に専念することにした。
「うん、戦闘では指示に回るね。ヤンカー領に着くまで異常がなければ、その時は戦闘に復帰することにするね」
「それだけじゃダメです。ヤンカー領に着いたらちゃんとした医師に見てもらって、問題がないと言われないと復帰は認めませんからね」
俺が復帰の条件を言うと、メルローズは医師の診断で問題がないことが条件だと言った。それにはパミュル達も頷いたので、これは決定事項となった。
(どうかこのまま異常が出ませんように。そして身体に問題がありませんように……)
「復帰の条件は了解したよ。ヤンカー領まではみんなで僕を守ってね」
「「OK!」」
「それじゃ、水トカゲを解体して魔石と素材を回収しちゃうよ」
その後は、水トカゲを解体して巨大な魔石と、牙や鱗などの素材を大量に回収してから、家馬車へ戻って体を休めた。
§パミュルの不安§
水トカゲとの戦闘中にウォードが倒れた。胸を押さえて苦しむ様子を見た時は生きた心地がしなかった。
幸い痛みは引いたというので、しばらくは戦闘に参加せずに指揮に専念することになった。このまま異常が出ないことを願いたい。
でも、妙な胸騒ぎがして仕方ない、ウォードに異常が起こらないことを祈りながら、様子を見守ることしかできなかったの。
「パミュル!」
「っ、ウォード……具合はどうなの?」
俺を庇って怪我をしたのに、自分のことより俺の具合を気にしていた。
「ごめん……、僕を庇ったから怪我を」
「大丈夫よ。私には〚自己回復〛があるから少しずつ回復するの。それよりウォードの体調はどうなの?何があったのか教えて欲しいの」
俺もなにが起こったのかは理解してない。どう説明すれば良いのか判らないけど、判ってる範囲で説明することにした。
「水トカゲの首を刎ねようとした時、突然胸に痛みが走って動けなくなったんだ。これまでこんな症状は1度もなかった。今は胸に痛みはないからどうか安心して欲しい。僕から言えることはそれだけだよ」
「本当に胸の痛みはないのね?」
「うん、大丈夫だよ」
「そう、良かったわ」
パミュルが念を押すように確認するので、俺は大きく頷いてから『大丈夫』と応えると、安堵の表情を見せてから胸に抱き寄せた。
「でも、しばらくは戦闘に参加しないで私達への指示に専念して欲しいかな?」
ハリエットも少し不安な表情をしながら、戦闘を控えるように言ってきた。確かに胸の痛みが出ると、戦闘で迷惑をかけることになるので、言われた通りに指示役に専念することにした。
「うん、戦闘では指示に回るね。ヤンカー領に着くまで異常がなければ、その時は戦闘に復帰することにするね」
「それだけじゃダメです。ヤンカー領に着いたらちゃんとした医師に見てもらって、問題がないと言われないと復帰は認めませんからね」
俺が復帰の条件を言うと、メルローズは医師の診断で問題がないことが条件だと言った。それにはパミュル達も頷いたので、これは決定事項となった。
(どうかこのまま異常が出ませんように。そして身体に問題がありませんように……)
「復帰の条件は了解したよ。ヤンカー領まではみんなで僕を守ってね」
「「OK!」」
「それじゃ、水トカゲを解体して魔石と素材を回収しちゃうよ」
その後は、水トカゲを解体して巨大な魔石と、牙や鱗などの素材を大量に回収してから、家馬車へ戻って体を休めた。
§パミュルの不安§
水トカゲとの戦闘中にウォードが倒れた。胸を押さえて苦しむ様子を見た時は生きた心地がしなかった。
幸い痛みは引いたというので、しばらくは戦闘に参加せずに指揮に専念することになった。このまま異常が出ないことを願いたい。
でも、妙な胸騒ぎがして仕方ない、ウォードに異常が起こらないことを祈りながら、様子を見守ることしかできなかったの。
25
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる