232 / 363
第四章 帰郷編
第48話 そして2人は……
しおりを挟む
家馬車で車中泊をした翌日は、ハリエットの操縦で馬車旅が始まる。
俺は家馬車の内装工事に取りかかる。先ずはキッチンからで、料理をするのに部屋内で焚き火という訳にはいかないから、俺が考案した魔導コンロを置けるスペースを確保すると、ぽっかり空いた場所を不思議そうに見ながらパミュルが質問してきた。
「そこはスペースには何か置くの?」
「あぁ、部屋の中だと焚き火は使えないでしょ?だから魔石を燃料にした魔導コンロを作ったんだ。まだ試作段階だけど、少しずつ改良していく予定なんだよ」
俺が魔導コンロの話をすると、どんな物か想像がつかないみたいなので、魔法鞄から魔導コンロを取り出して、どんな物かを説明することにした。
「このスペースにこの魔導コンロを置くんだよ。使い方はここに魔石を入れると、魔力が伝わって銅線が発熱するんだよ。ほら、手をかざしてみて」
パミュルは怖々魔導コンロに手をかざすと、熱を感じたのか驚きの声をあげた。
「あっ、温かいわ」
「あまり近づけないでね?かなりの高温になるから火傷するからね。ここに鍋を置くと熱が伝わってお湯が湧くからね」
「これは凄いわね!画期的なじゃない!」
パミュルが興奮気味に声をあげたので、サーシャとメルローズが俺達の元へやって来て、メルローズがパミュルに話しかけた。
「大きな声をだしてどうしたんですか?」
「ウォードが開発したこの魔導コンロという魔導具が凄いのよ!」
「魔導コンロ?」
メルローズが首をかしげているので、パミュルが俺から聞いた内容を自慢気に説明をすると、2人ともパミュルと同じように大きな声で驚いた。
魔導コンロの説明をしたりして、この日の作業はほとんど進まなかった。日が傾いてハリエットが家馬車を停めると、一目散に俺の元へやって来てキスをしてきた。
「ウォード~、凄く操縦しやすかったよ」
『チュッ』
「わっ、ハリエット!?」
昨日のパミュルは頬だったのに、ハリエットは思い切り抱き着いてきて口にキスをした。
「ちょっと、ハリエット!私は頬だったのよ?」
「それは、私の感謝の気持は頬では表しきれなかったんだもん」
パミュルが文句を言うと、ハリエットは舌を出しながら持論を言った。その様子を見ていた2人が同時に口を開く。
「「私達に馬車の操縦を教えてください!」」
いったいこの2人は何を考えているのだろう?まさか操縦をしたらお礼とか言ってキスをしてくるつもりなのだろうか?
実際に次の日からは、2人が御者席に座ってパミュルやハリエットから操縦方法を教わったのだった。
俺は家馬車の内装工事に取りかかる。先ずはキッチンからで、料理をするのに部屋内で焚き火という訳にはいかないから、俺が考案した魔導コンロを置けるスペースを確保すると、ぽっかり空いた場所を不思議そうに見ながらパミュルが質問してきた。
「そこはスペースには何か置くの?」
「あぁ、部屋の中だと焚き火は使えないでしょ?だから魔石を燃料にした魔導コンロを作ったんだ。まだ試作段階だけど、少しずつ改良していく予定なんだよ」
俺が魔導コンロの話をすると、どんな物か想像がつかないみたいなので、魔法鞄から魔導コンロを取り出して、どんな物かを説明することにした。
「このスペースにこの魔導コンロを置くんだよ。使い方はここに魔石を入れると、魔力が伝わって銅線が発熱するんだよ。ほら、手をかざしてみて」
パミュルは怖々魔導コンロに手をかざすと、熱を感じたのか驚きの声をあげた。
「あっ、温かいわ」
「あまり近づけないでね?かなりの高温になるから火傷するからね。ここに鍋を置くと熱が伝わってお湯が湧くからね」
「これは凄いわね!画期的なじゃない!」
パミュルが興奮気味に声をあげたので、サーシャとメルローズが俺達の元へやって来て、メルローズがパミュルに話しかけた。
「大きな声をだしてどうしたんですか?」
「ウォードが開発したこの魔導コンロという魔導具が凄いのよ!」
「魔導コンロ?」
メルローズが首をかしげているので、パミュルが俺から聞いた内容を自慢気に説明をすると、2人ともパミュルと同じように大きな声で驚いた。
魔導コンロの説明をしたりして、この日の作業はほとんど進まなかった。日が傾いてハリエットが家馬車を停めると、一目散に俺の元へやって来てキスをしてきた。
「ウォード~、凄く操縦しやすかったよ」
『チュッ』
「わっ、ハリエット!?」
昨日のパミュルは頬だったのに、ハリエットは思い切り抱き着いてきて口にキスをした。
「ちょっと、ハリエット!私は頬だったのよ?」
「それは、私の感謝の気持は頬では表しきれなかったんだもん」
パミュルが文句を言うと、ハリエットは舌を出しながら持論を言った。その様子を見ていた2人が同時に口を開く。
「「私達に馬車の操縦を教えてください!」」
いったいこの2人は何を考えているのだろう?まさか操縦をしたらお礼とか言ってキスをしてくるつもりなのだろうか?
実際に次の日からは、2人が御者席に座ってパミュルやハリエットから操縦方法を教わったのだった。
39
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!

異世界に転生したので裏社会から支配する
Jaja
ファンタジー
スラムの路地で、ひもじい思いをしていた一人の少年。
「あれぇ? 俺、転生してるじゃん」
殴られた衝撃で前世の記憶を思い出した少年。
異世界転生だと浮かれていたが、現在の状況は良くなかった。
「王道に従って冒険者からの立身出世を目指すか…。それとも…」
そして何を思ったか、少年は裏社会から異世界でのし上がって行く事を決意する。
「マフィアとかギャングのボスってカッコいいよね!」
これは異世界に転生した少年が唯一無二の能力を授かり、仲間と共に裏社会から異世界を支配していくお話。
※この作品はカクヨム様にも更新しています。

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる