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第四章 帰郷編
第46話 内装の希望
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パミュルが馬車を操縦して、ガレリアを発ってヤンカー領を目指して馬車旅を開始した。
「移動速度が遅いというのもありますが、それにしてもこの家馬車の乗り心地は素晴らしいですね。護衛の時の馬車旅とは全く違いますよね」
馬車が走り出すと、メルローズは振動を感じない事に気づいたようだ。ハリエットとサーシャも言われてから気づいたようで、ハリエットが馬車を作った俺の方に顔を向けて、乗り心地の事を聞いてきた。
「走行中に受ける衝撃を吸収する為に、緩衝材を作って箱の部分を受けてるんだよ。僕が思ってるよりも緩衝材は良い仕事をしてるね」
俺が馬車の構造を説明すると、3人とも意味は判ってないようだった。この辺りの話はアストン師匠や客車職人じゃないと理解できないね。
「この技術は凄いと思います。緩衝材を商品化すれば、貴族達が必ず欲しがると思いますから、かなりの利益を生むんじゃないですか?」
メルローズの言う通りだとすれば、この事をアストン師匠に伝えてみても良いかもね知れないと思った。
「まぁ、その事は置いといてさ、今は僕達が快適に旅を送ることを考えよう。ハリエットの希望通りにベッドを2つ置いて、余ったスペースを有効に使う案が欲しいかな?」
お金の話よりも家馬車を仕上げていきたいので、みんなの意見を求めると、ハリエットが手を上げてから口を開いた。
「やっぱりキッチンは欲しいかな?」
「確かに欲しいかな、そうなると食卓も必要になりますね」
サーシャもキッチンが欲しいと言って、さらに食事をするスペースも必要だと言った。限られたスペースしかないので、
「キッチンに食卓となると1つの部屋になるね。衣類を収めるクローゼットは魔法鞄があるから必要ない?」
「クローゼットは要らないけど、できれば小さくても良いからシャワールームが欲しいな。馬車旅って汗を流せないのが辛いんだよね」
クローゼットよりもシャワールームが欲しいと言った。男の俺にはたいした事ではないけど、女性にとっては大事なことなんだと思ってると、メルローズもハリエットの意見に同意した。
「あっ、私もシャワールームは欲しいです!」
「OK、1人用になると思うけど、シャワールームは作ることにするね。同じ水を使うことになるキッチンの近くなら、そんなに難しいことじゃないと思うからね」
「「ありがとう~」」
キッチンにシャワールームを作ることが決まったので、俺は早速設計に取りかかることにした。
「とりあえず設計を急ぐから、出来次第にもう1度意見を聞かせてね」
「「よろしくね」」
俺は家馬車の設計図を見ながら、キッチンとシャワールームをどのように配置するかを、考え始めたのだった。
「移動速度が遅いというのもありますが、それにしてもこの家馬車の乗り心地は素晴らしいですね。護衛の時の馬車旅とは全く違いますよね」
馬車が走り出すと、メルローズは振動を感じない事に気づいたようだ。ハリエットとサーシャも言われてから気づいたようで、ハリエットが馬車を作った俺の方に顔を向けて、乗り心地の事を聞いてきた。
「走行中に受ける衝撃を吸収する為に、緩衝材を作って箱の部分を受けてるんだよ。僕が思ってるよりも緩衝材は良い仕事をしてるね」
俺が馬車の構造を説明すると、3人とも意味は判ってないようだった。この辺りの話はアストン師匠や客車職人じゃないと理解できないね。
「この技術は凄いと思います。緩衝材を商品化すれば、貴族達が必ず欲しがると思いますから、かなりの利益を生むんじゃないですか?」
メルローズの言う通りだとすれば、この事をアストン師匠に伝えてみても良いかもね知れないと思った。
「まぁ、その事は置いといてさ、今は僕達が快適に旅を送ることを考えよう。ハリエットの希望通りにベッドを2つ置いて、余ったスペースを有効に使う案が欲しいかな?」
お金の話よりも家馬車を仕上げていきたいので、みんなの意見を求めると、ハリエットが手を上げてから口を開いた。
「やっぱりキッチンは欲しいかな?」
「確かに欲しいかな、そうなると食卓も必要になりますね」
サーシャもキッチンが欲しいと言って、さらに食事をするスペースも必要だと言った。限られたスペースしかないので、
「キッチンに食卓となると1つの部屋になるね。衣類を収めるクローゼットは魔法鞄があるから必要ない?」
「クローゼットは要らないけど、できれば小さくても良いからシャワールームが欲しいな。馬車旅って汗を流せないのが辛いんだよね」
クローゼットよりもシャワールームが欲しいと言った。男の俺にはたいした事ではないけど、女性にとっては大事なことなんだと思ってると、メルローズもハリエットの意見に同意した。
「あっ、私もシャワールームは欲しいです!」
「OK、1人用になると思うけど、シャワールームは作ることにするね。同じ水を使うことになるキッチンの近くなら、そんなに難しいことじゃないと思うからね」
「「ありがとう~」」
キッチンにシャワールームを作ることが決まったので、俺は早速設計に取りかかることにした。
「とりあえず設計を急ぐから、出来次第にもう1度意見を聞かせてね」
「「よろしくね」」
俺は家馬車の設計図を見ながら、キッチンとシャワールームをどのように配置するかを、考え始めたのだった。
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