俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第四章 帰郷編

第38話 リハビリと訓練と……

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 ガレリアの門を抜けて草原を目指す。

 なぜ森ではなく草原なのか?

 ゴブリンを大量に討伐するなら、ゴブリンの巣がある森へ行くべきだけど、今回の目的は討伐ではなく、俺のリハビリとメルローズの訓練だ。単体や多くても5体辺りとの戦闘が理想なので、ゴブリンの数が少ない草原を選択した。

 草原を移動してると3体のゴブリンを発見したので、俺は直ぐに指示を出して討伐を開始する。

「サーシャは2体を拘束して、僕とハリエットは拘束したゴブリンを1体ずつ弓で仕留めるよ。メルローズは盾と槍を貸してくれるかな?僕なりの戦い方を見せるから参考にしてね」
「「OK!」」

 先ずはサーシャが指示通りに植物魔法を使って2体のゴブリンを拘束する。

「いきます〚拘束バインド〛!」
「グギャッ!」

 簡単に2体のゴブリンを拘束すると、俺とハリエットは頭へ狙いを定めて矢を射る。

『シュッ』
『シュバッ』
「ガッ……」「アガッ……」

 2体がその馬に倒れると、残ったゴブリンがこん棒を片手に向かって来たので、俺はメルローズの槍と盾を借りて対峙する。

「盾で相手の攻撃を受けてから、槍で相手を突くのが基本動作だからね」
「はい」

 俺は右手で持った盾で、ゴブリンが放ったこん棒の一撃を受け止める。

『ゴツッ』

 足下が隙だらけなので、膝へ一突き入れてから盾を構え相手を見る。痛みで片膝をつき反撃はないと判ったので、心臓へトドメの一突きを入れるとそのまま絶命して倒れた。

「基本はこんな感じかな?専門じゃないので、あまり参考にならないかも知れないけどね」

 俺は槍と盾をメルローズに手渡すと、目を『キラキラ』と輝かせながら答えた。

「いいえ、凄く参考になりました。パーティーに指示を出しながら弓も使えて、ウォードさんは万能なんですね」
「いや、今のは基本動作だからね?本職の人はもっと凄いと思うし、メルローズなら直ぐに上手くなるはずだから頑張ろうね」
「はい」

 ダンジョンとは違って倒して消滅しないので、討伐部位になる魔石を心臓部から取り出す。

「普段はダンジョンだから倒すと消滅するけど、地上だとこんな風に取り出す必要があるんだ」
「これは……慣れるのに時間が掛かりそうです」
「そうだね。そこは少しずつ頑張ろうね?サーシャさんもだからね」
「は、はい……」

 魔石を回収した後は、ゴブリンを探しながら草原を進んでいく。

 あまり深い草原に入ると強襲される恐れがあるので、腰丈あたりまでの場所を選んでいる為に、なかなかゴブリンに遭遇しないけど、安全第一なので仕方ない。

 1時間ほど草原を進んでいくと、突然叫び声が聞こえてきた。

「誰か、パパを助けて!」

 俺達は助けを求める声がする方へ進んで行くと、草原を抜けて小さな道に出て、小さな荷馬車がゴブリンの群れに襲われていた。

 1人の男性が必死に抵抗をしているが、全身は傷だらけでかなり危険な状態だと判った。

「助けるよ!ハリエットの土魔法でゴブリンをこっちへ引き寄せて!近づいて来たらパミュルの風魔法で一気に数を減らしてね。魔法をくぐり抜けて来たらサーシャの植物魔法で拘束、僕とメルローズが仕留めていくよ」
「「OK!」」

(傷が深そうだ、早く倒さないと……)




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