俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

文字の大きさ
上 下
206 / 363
第四章 帰郷編

第22話 盗賊を討つ②

しおりを挟む
 ハリエットとサーシャが手際よく罠を設置したので、盗賊達が襲撃を仕掛けてくるのを待つ。

 待ってる間に今回の作戦を確認を込めて説明しておく。全ての連携が上手くいく事が勝利の条件だからね。

「僕とハリエットは盗賊を確認したら、弓を撃って行くからね。取りこぼした盗賊が罠で転んだら、パミュルは魔法で攻撃をしてね」
「「OK!」」
「罠を突破してきたらサーシャさんの植物魔法で拘束。僕とパミュルでも仕留めていくからね。ハリエットは馬車の扉側から弓で援護を頼むよ」
「「OK!」」

 盗賊達が一気に押し寄せて来れば、馬車で眠ってるメルローズも流石に気づくはず。外に出る事はないと思うけど、ハリエットを付けておく。

 しばらくすると、小高い丘から身を忍ばせずに盗賊達が駆け降りてくる。射程距離の問題で、最初はハリエットの弓でのみ盗賊を撃っていく。

『ビシュッ』
『ビシュッ』

 1人また1人と盗賊が射抜かれて倒れるけど、勢いは止まらずに駆け降りてくると、俺の射程圏内に入ってきたので一緒に矢を射った。

『ビシュッ』
『シュパッ』

 溝の罠にたどり着く前に8人の盗賊を仕留めた。残った数は20人足らずで、剣を片手に俺達に駆け寄ろうとすると『スボッ!』先頭を走っていた盗賊達が足を取られて転倒する。
 パミュルは転倒する盗賊達へ向かって、風魔法を撃った。

「〚風刃ウインドウカッター〛!」
『シュン、シュン……』
「ぎゃああああぁ!」

 罠に気づいた後続は少し間をおいて、罠を飛び越えようとするが、パミュルの魔法と俺の投げナイフが襲いかかる。

「〚風弾ウインドウショット〛!」
「やぁー!」

 風の弾丸に撃ち抜かれナイフが突き刺さって、盗賊達は次々と倒れていくが、それでも罠を越えて俺達に襲い掛かろうとすると、サーシャの植物魔法が動きを封じた。

「〚拘束バインド〛!ウォードさん!」
「OK!パミュル行くよ」
「任せて!」

 俺は絆の太刀でパミュルは風魔法を使って、拘束されてる盗賊達の頭を貫いていく。

『グサッ!グサッ!』
『シュン!シュン!』

「ぎゃああああぁー!」

 見事な連携で盗賊達を仕留めていくと、残りはリーダーと思われる装備が整った男とその取り巻きの4人となっていた。こちらを見る表情には明らかな焦りがあり、心理状況はこちらが有利だと判った。

「な、なんだと!俺の手駒がたった4人に全員殺られたのか?」
「そうだ!引くなら見逃してやるぞ!」

 残りの4人は手練れだと思うので、戦えば無傷での勝利とはいかないと思ったので、引けば見逃すと言って引く事を祈った。

「はっ、こっちは後がねえんだよ!殺るか殺られるかの勝負をしてやるぜ。行くぞっ!」
「「へい!」」

 盗賊には引けない理由があるようで、戦って白黒をつけるしかないようだ。こちらの手の内は全て曝け出したので、同じ手は使えない状況だけど、4人の力を合わせて盗賊を討つ事に全力を尽くすのだった。

 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!

小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。 しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。 チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。 研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。 ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。 新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。 しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。 もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。 実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。 結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。 すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。 主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...