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第四章 帰郷編

第11話 ガレリアへの護衛①

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 ガレリア学園までメルローズを連れて行く日を迎えたので、俺達はコスター男爵邸へ訪れた。

 既に玄関前には馬車も着いていて、2人の御者が執事と談笑をしていたので、俺達は近寄って挨拶を交わす。

「おはようございます。護衛依頼受けた者です」
「おはようございます。あなたがウォード様で後ろのお嬢様方がパーティーメンバーの方ですね。メルローズ様の護衛は、何かと大変かと思いますがよろしくお願いします」

 俺が執事と話してると、御者の2人も話しかけてきた。これから10日ほど共に行動をするので、しっかりとコミュニケーションを取っておく。

「あんたがリーダーなのか?俺は御者のネイトだ。随分と若いのに綺麗な女を連れてるんだな。羨ましいぜ」
「おい、ネイト!護衛のハンターに失礼な事を言うなよ。機嫌を悪くしないでくれ、俺はケント同じく御者を勤めるから護衛を頼むよ」

 少しヤンチャなネイトと礼儀正しいケントの2人が御者を勤めてくれるらしい、俺も手を出して返事をしてからケントと握手をする

「ウォードです、道中の安全は任せてください。お互いにコミュニケーションを取って安全な場所旅にしましょう」
「よろしく」

 ネイトは舌を『ペロリ』と舐めてからパミュルへ近寄って話しかける。

「俺は金髪のお姉さんと仲良くなりたいねぇ~」
「私は仲良くするつもりはないわ」
「連れないな~、俺って良い仕事するんだぜ?」

 そう言いながらパミュルの腰に触れようとすると、パミュルは冷たい表情になり短剣をネイトに向けた。

「言葉が通じないなら、体に直接説明するのが良いのかしら?」
「まっ、待った!悪かった冗談だ……」
「私達はあなたに興味はないの、次はないわよ」
「……判ったよ」
「おい、バカはよせ!ウォード済まない」

 パミュルに気圧されたネイトが下がると、ケントが慌てて俺に謝罪をしたので、俺は頷いて返事をした。

 そんな事があった後、しばらくするとコスター男爵夫妻とメルローズ達が玄関から現れた。

「御者とウォード君たち、お待たせしたね」
「「おはようございます」」
「ウォード君達のパーティーは名前を付けないのかい?パーティーで活動してるなら不便じゃないかい?」

 男爵からパーティー名の事を指摘されて、確かにこういう場面ではパーティー名が合った方が良いと思った。

「今回の護衛中にでも決めたいと思います」
「うん、それが良いね。では、私のメルの護衛を頼むよ。あと、専属メイドのキシリアを同行させるのでよろしく」
「「かしこまりました」」

 コスター男爵の言葉の後に専属メイドのキシリアが丁寧な挨拶をしてきた。

「メルローズお嬢様のメイドを勤めるキシリアです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」

 そして、最後にメルローズが俺の前にやって来て、美しい笑顔で挨拶をしてきた。

「ウォード様、護衛よろしくお願いしますね。よろしければ移動中に勉強を見て頂けると嬉しいのですが?」
「僕に教える事ができるか判りませんが、内容を確認してからの返事でよろしいですか?」
「はい、よろしく頼むわね」

 その後は荷物の積み込みを済ませて、御者の合図でガレリアへ向けて馬車が出発したのだった。
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