俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第四章 帰郷編

第6話 嬉しい申し出だけど……

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 俺達はノースホランに到着して、そのままハンター協会へと向かう事にした。サーシャは少し浮かない顔をしてるようで、仕事が見つかるのか不安なんだろうと思い、軽く肩に触れてから声をかける。

「大丈夫ですよ。サーシャさんは凄く優秀な方ですから、きっと仕事が見つかりますよ。今のサーシャさんは、他の仕事を選べるだけの力も身につけてますから、自信を持ちましょう」
「そうだよ。サーシャのサポートが無くなるのが少し残念だもん。力を見せれば色んなパーティーから引っ張りだこだよ!」

 俺とハリエットが声をかけると、何か吹っ切れた表情になって笑顔になって返事をした。

「はい、ありがとうございます。ただ、今日は時間的に面接などは無理だと思うので、ハンター協会の雰囲気だけ見るって事で良いでしょうか?」
「そうですね。僕達も素材の買取りをしてもらうので、一緒に雰囲気を確認しましょう」
「はい、ありがとうございます」

 今日は様子見という事で、4人でハンター協会の建物を探しながら大通りを進むと、剣と盾の看板が目についたので、看板が掲げられた建物へと入っていく。

 デルポトと比べると、やはり賑やかさに欠けるけど、それ以外と比べると十分に活気のあるように思えた。

(ルクンナ村を経験すると、どこへ行っても賑やかに思えるな~)

 なんて事を思いながら、依頼ではなく素材の買取りのカウンターへと向かって行くと、タイミングよく並ばずに済み、受付係が挨拶をしてきた。

「ようこそ、ハンター協会ノースホラン支部へご用を伺います」
「こんにちは、ハンターをしてるウォードです。ノースホランについたばかりなんですが、素材の買取とお勧めの宿を教えてもらえますか?」

 俺は受付係に声をかけてからパーティーカードと4人分のハンターカードを提出してから、カウンターへ暴猪ワイルドボアの皮と牙を取り出した。

「カードの確認と素材の確認をするので、しばらくお待ちください」
「よろしくお願いします」

 待ってる間に建物内を見渡すと、ハンター協会の基本的な形状は統一されてるようで、規模が違うだけだった。これならサーシャも安心してると思い話しかける。

「なかなか良さそうな所ですね」
「はい、非常に良い雰囲気だと思います」
「デルポトは少し騒々しいくらいだったから、これくらいが丁度良いかもね」

 同じハンター協会の職員だったハリエットも、働くには良い環境だと太鼓判を押した。

 その後は、買取とお勧めの宿を聞いたので、ハンター協会を後にして宿へ向かって、俺達とサーシャは別々の部屋を取って、明日に備える事にした。

「では、明日はハンター協会ですね?僕達も一緒に行きますよ」
「あの、ちょっと相談があるのでこの後にお邪魔しても良いですか?」
「はい、構いませんよ」

 明日の事での相談だと思い、サーシャを俺達の部屋へ招いて話をする事になった。そして席につくとサーシャは直ぐに口を開いた。

「あの、私をウォードさん達のパーティーへ入れてもらえませんか?」
「「えっ……?」」

 俺達3人は驚いた。確かにサーシャのサポートがあれば戦闘は飛躍的に楽になるから、非常に嬉しい申し出だけど……ハンター協会の職員を目指してたんじゃないの?と思ったからね。

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