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第三章 未知なる世界へ
第112話 教会での鑑定結果
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精算を済ませた後は、俺に〚錬金術師〛の天賦があるのかを確認する為に教会へ向かった。スキルの確認は儀式以外でも、代金を払えば鑑定してもらう事は出来る。
教会の中へ入っていって、シスターに声をかけて鑑定をお願いする。
「こんばんは、遅くにきて申し訳ないのですが、僕の鑑定をして頂く事は可能でしょうか?」
「大丈夫ですよ。鑑定には銀貨20枚が必要ですが用意は出来ますか?」
「はい」
俺はシスターへ銀貨を渡すと、祭壇前へと案内されて暫く待った。日が暮れているので神父は自分の部屋へ戻っているみたいだ。
しばらくすると、普段着に着替えていた神父がやってきて声を掛けてきた。
「お待たせしたね。今日の勤めが終わったので、このような服装で申し訳ないね。どなたが鑑定を希望してるのかな?」
「大変遅くにきて申し訳ありません。僕の鑑定をお願いしたいです」
「君だね。こちらへ来てくれるかな」
「はい」
俺は神父の前に移動して、片足を付いて頭を下げると、頭に手を添えられ鑑定が始まる。
「うむ、鑑定は終わりました。君の天賦と通常のスキルは、」
【天賦】〚幸運〛〚錬金術師〛
【通常】〚|罠士〛〚弓士〛
【通常】〚剣士〛〚槍士〛
「以上だよ。〚錬金術師〛とはこの街に適した天賦を持っているようだね」
協会でも鑑定メガネと同じ結果で、どうやら俺には〚錬金術師〛の天賦があるようだ。知らないうちに天賦がある事が不思議なので、司教にそれとなく聞いてみる事にした。
「鑑定結果で天賦の有無を知った後に、本人の知らないうちに天賦を得る事はあるのですか?」
「うむ、持って生まれた天賦以外に、新たに得るという事例は過去にもあるんだよ。私は実物を見た事がないので、自信を持ってそうだとは言えないんだけどね」
曖昧な言葉でハッキリとは言わない神父に、奇跡の石の事かと思い聞いてみた。
「それは、噂に聞く奇跡の石の事でしょうか?」
「あっ、君は博識なんだね。教会にある記録では、奇跡の石を使えば望む天賦を得られるそうだよ。君は欲しい天賦があるのかね?」
「いいえ、本人の努力で天賦を身に付けたという噂を耳にしたので、そんな事があるのかと思い神父様に質問をしました」
「ははっ、努力で天賦を得られるなら、教会で勤めを果たす者の全てが、聖魔法を身に付ける事が出来るだろうね。だからありえないよ」
神父は努力で天賦は身に付かないと、笑いながら絶対にないと断言をした。俺もそうだと思う。ただ、自分の身に起こった現象を、どう理解すればよいのか判らないので『モヤモヤ』した感じを拭えなかった。
「今日は遅くに鑑定にきて申し訳ありませんでした。そして、他愛のない質問に答えて頂いてありがとうございました」
「いいえ、君のような聡明な人と話せて楽しかったよ。神のご加護をあらん事を」
最後に深く礼をしてから教会を後にすると、ハリエットが俺の顔を覗き込みながら、嬉しそうに話し掛けてきた。
「〚錬金術師〛の天賦があって良かったね」
「うん、理由は判らないけど、〚幸運〛のおかげと思う事にするよ。ハリエットに出会えた事と同じように〚錬金術師〛の天賦に出会えたと思う事にするよ」
結局、俺の天賦については謎のままだけど、普通ではありえないよ現象を〚幸運〛が起こしてくれたのかな?と思えば納得できる気がした。
教会の中へ入っていって、シスターに声をかけて鑑定をお願いする。
「こんばんは、遅くにきて申し訳ないのですが、僕の鑑定をして頂く事は可能でしょうか?」
「大丈夫ですよ。鑑定には銀貨20枚が必要ですが用意は出来ますか?」
「はい」
俺はシスターへ銀貨を渡すと、祭壇前へと案内されて暫く待った。日が暮れているので神父は自分の部屋へ戻っているみたいだ。
しばらくすると、普段着に着替えていた神父がやってきて声を掛けてきた。
「お待たせしたね。今日の勤めが終わったので、このような服装で申し訳ないね。どなたが鑑定を希望してるのかな?」
「大変遅くにきて申し訳ありません。僕の鑑定をお願いしたいです」
「君だね。こちらへ来てくれるかな」
「はい」
俺は神父の前に移動して、片足を付いて頭を下げると、頭に手を添えられ鑑定が始まる。
「うむ、鑑定は終わりました。君の天賦と通常のスキルは、」
【天賦】〚幸運〛〚錬金術師〛
【通常】〚|罠士〛〚弓士〛
【通常】〚剣士〛〚槍士〛
「以上だよ。〚錬金術師〛とはこの街に適した天賦を持っているようだね」
協会でも鑑定メガネと同じ結果で、どうやら俺には〚錬金術師〛の天賦があるようだ。知らないうちに天賦がある事が不思議なので、司教にそれとなく聞いてみる事にした。
「鑑定結果で天賦の有無を知った後に、本人の知らないうちに天賦を得る事はあるのですか?」
「うむ、持って生まれた天賦以外に、新たに得るという事例は過去にもあるんだよ。私は実物を見た事がないので、自信を持ってそうだとは言えないんだけどね」
曖昧な言葉でハッキリとは言わない神父に、奇跡の石の事かと思い聞いてみた。
「それは、噂に聞く奇跡の石の事でしょうか?」
「あっ、君は博識なんだね。教会にある記録では、奇跡の石を使えば望む天賦を得られるそうだよ。君は欲しい天賦があるのかね?」
「いいえ、本人の努力で天賦を身に付けたという噂を耳にしたので、そんな事があるのかと思い神父様に質問をしました」
「ははっ、努力で天賦を得られるなら、教会で勤めを果たす者の全てが、聖魔法を身に付ける事が出来るだろうね。だからありえないよ」
神父は努力で天賦は身に付かないと、笑いながら絶対にないと断言をした。俺もそうだと思う。ただ、自分の身に起こった現象を、どう理解すればよいのか判らないので『モヤモヤ』した感じを拭えなかった。
「今日は遅くに鑑定にきて申し訳ありませんでした。そして、他愛のない質問に答えて頂いてありがとうございました」
「いいえ、君のような聡明な人と話せて楽しかったよ。神のご加護をあらん事を」
最後に深く礼をしてから教会を後にすると、ハリエットが俺の顔を覗き込みながら、嬉しそうに話し掛けてきた。
「〚錬金術師〛の天賦があって良かったね」
「うん、理由は判らないけど、〚幸運〛のおかげと思う事にするよ。ハリエットに出会えた事と同じように〚錬金術師〛の天賦に出会えたと思う事にするよ」
結局、俺の天賦については謎のままだけど、普通ではありえないよ現象を〚幸運〛が起こしてくれたのかな?と思えば納得できる気がした。
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