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第三章 未知なる世界へ
第101話 わだかまり解消
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師匠の元で錬金術の修行を終えてアパートへと帰ろうとする。工房を出ると日は徐々に沈んで薄っすらと暗くなり始めた。
「少し遅くなっちゃったな。2人とも心配してるのかな?早く帰って安心させないとね」
俺は薄暗い街中を歩きながら呟いた。
錬金術を学んでいる時は感じなかったけど、アパートへ帰ろうと思った時に、2人の事が頭に浮かぶのは『好き』や『愛』という感情があるんだと子供の俺にも判った。
「ちゃんと2人の期待に応える男になる為にも、錬金術の修行もハンター活動も頑張ろう!」
一人前の男になって、2人に支えられるのではなく並び立つようになる為に頑張ろうと、沈む夕陽に手を向けて誓いを言葉にした。
「そ、そんなにあの2人の事が大事なの?」
「えっ?」
いきなり後ろから声を掛けられ驚く、咄嗟に身構えながら後ろを向くとメリルが居た。
「メ、メリルさん?どうしてこんな所に居るんですか?」
「ウォードさんが職人街へ行くのが見えたので、どこへ行くのか確認しちゃいました。声を掛けずに見てるだけなら良いかと思って……」
これまでなら大声をあげながら駆け寄って来て、周りの目が気になって恥ずかしかったけど、これは別の意味で怖いなって思った。更に俺は朝から今まで修行をしてた訳だけど、ずっとここに居たのかと思って確認をした。
「僕が職人街来たのは朝だったと思うんですが、朝からずっとアストン師匠の近くで待ってたんですか?」
「はい……いつ出てくるか判らないので」
「何故そこまで?」
正直に言えば、メリルが俺に固執する理由が全く判らなかった。何をしたかといえば馬車が壊れていた所を助けた程度だ。なので思わずメリルに聞いてしまった。
「私は見ての通り容姿は良くないので、異性の人に優しく話し掛けられる事なんてありませんでした。あの日、ウォードさんが困ってる私達を助けてくれた時に、嫌な顔せずに優しく声を掛けてくれた時に『一目惚れ』したんです。とても綺麗な2人と旅をされてましたが、歳が離れてるように見えたので親しくなるかと期待しちゃって……」
俺としては普通の行動をとったつもりだったけど、メリルにとっては特別な行動に思えたのか、人の考え方には色々あるんだと思うと同時に、改めて俺の気持ちを伝える事にした。
「改めて言いますが、メリルさんがさっき聞いた通りです。ハリエットとパミュルは何よりも大事な存在です。だから期待に応える事は出来ません。本当にごめんなさい」
「ううん、答えは判ってました。デルポト市に滞在されてる間だけでも、友達として付き合うのはダメでしょうか?」
完全に吹っ切れた表情のメリルが友達になって欲しいと言うので、俺は快く受ける事にした。根の部分は本当に良い人だし、何と言ってもアストン師匠の工房を教えてくれた恩人だからね。
「判りました。これからは友としてよろしくお願いします」
俺は返事をして手を出すと、笑顔で返事をしてから俺の手を握りしめた。
「ありがとう!よろしくね」
「もう、暗くなってしまったね。家まで送るので早く帰りましょうか」
「はい!」
こうして俺とメリルは友達となり、お互いのわだかまりは完全に解消されたのだった。
「少し遅くなっちゃったな。2人とも心配してるのかな?早く帰って安心させないとね」
俺は薄暗い街中を歩きながら呟いた。
錬金術を学んでいる時は感じなかったけど、アパートへ帰ろうと思った時に、2人の事が頭に浮かぶのは『好き』や『愛』という感情があるんだと子供の俺にも判った。
「ちゃんと2人の期待に応える男になる為にも、錬金術の修行もハンター活動も頑張ろう!」
一人前の男になって、2人に支えられるのではなく並び立つようになる為に頑張ろうと、沈む夕陽に手を向けて誓いを言葉にした。
「そ、そんなにあの2人の事が大事なの?」
「えっ?」
いきなり後ろから声を掛けられ驚く、咄嗟に身構えながら後ろを向くとメリルが居た。
「メ、メリルさん?どうしてこんな所に居るんですか?」
「ウォードさんが職人街へ行くのが見えたので、どこへ行くのか確認しちゃいました。声を掛けずに見てるだけなら良いかと思って……」
これまでなら大声をあげながら駆け寄って来て、周りの目が気になって恥ずかしかったけど、これは別の意味で怖いなって思った。更に俺は朝から今まで修行をしてた訳だけど、ずっとここに居たのかと思って確認をした。
「僕が職人街来たのは朝だったと思うんですが、朝からずっとアストン師匠の近くで待ってたんですか?」
「はい……いつ出てくるか判らないので」
「何故そこまで?」
正直に言えば、メリルが俺に固執する理由が全く判らなかった。何をしたかといえば馬車が壊れていた所を助けた程度だ。なので思わずメリルに聞いてしまった。
「私は見ての通り容姿は良くないので、異性の人に優しく話し掛けられる事なんてありませんでした。あの日、ウォードさんが困ってる私達を助けてくれた時に、嫌な顔せずに優しく声を掛けてくれた時に『一目惚れ』したんです。とても綺麗な2人と旅をされてましたが、歳が離れてるように見えたので親しくなるかと期待しちゃって……」
俺としては普通の行動をとったつもりだったけど、メリルにとっては特別な行動に思えたのか、人の考え方には色々あるんだと思うと同時に、改めて俺の気持ちを伝える事にした。
「改めて言いますが、メリルさんがさっき聞いた通りです。ハリエットとパミュルは何よりも大事な存在です。だから期待に応える事は出来ません。本当にごめんなさい」
「ううん、答えは判ってました。デルポト市に滞在されてる間だけでも、友達として付き合うのはダメでしょうか?」
完全に吹っ切れた表情のメリルが友達になって欲しいと言うので、俺は快く受ける事にした。根の部分は本当に良い人だし、何と言ってもアストン師匠の工房を教えてくれた恩人だからね。
「判りました。これからは友としてよろしくお願いします」
俺は返事をして手を出すと、笑顔で返事をしてから俺の手を握りしめた。
「ありがとう!よろしくね」
「もう、暗くなってしまったね。家まで送るので早く帰りましょうか」
「はい!」
こうして俺とメリルは友達となり、お互いのわだかまりは完全に解消されたのだった。
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