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第三章 未知なる世界へ

第87話 2人の嫉妬

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 買い出しを終えてアパートへ戻ると、ハリエットとパミュルの機嫌が悪いようだったので、その事を聞いてみた。

「2人ともどうかしたの?1日中外を歩いてたから疲れちゃった?」
「む~」
「む~」

 口を尖らせながら2人同時に抱き着きてきた。突然の行動に益々理解が出来ずに、慌てながら2人に説明を求めた。

「えっ、どうしたの?怒らせちゃった?」

 直ぐに返事をしてくれずに、『ギュッ』と抱き着いたまま暫くしてから、ハリエットがやっと話してくれたけど、意味がよく判らなかった。

「ウォードはあの子が気になるの?」
「あの子ってメリルさんの事?」
「そう、ずっと一緒に手を繋いでいたでしょ?なんか2人の世界って感じがしたからさ……」
「えっと、あれはメリルさんが、勝手に手を引っ張られてただけだよ」
「特別な感情はないの?」
「面倒見の良い人とは思ったけど、それ以外にどんな感情があるの?」

 特別な感情と聞かれても、その辺りしか思いつかないので返事をすると、ハリエットの表情が柔らかくなった。隣のパミュルも同じ感じなので、2人とも機嫌が治ったのかな?

「そう、良かった!あんな『グイグイ』くるタイプが好みなのかと思ったもん」
「好みって……そんな事を考えていたんだ。僕はどっちかと言えば苦手かな?僕はのんびり派だからペースが合わないよ」

 2人とも俺とメリルの事で嫉妬してたみたい。
 パミュルが真顔で顔を近づけて、俺に向かって忠告してきたので迫力に少し気圧された。
 
「あの子は完全にウォードを狙ってるわよ」
「狙うって、僕の隣には2人が居るって判ってるんじゃないの?」
「そんな事を気にするタイプじゃないわよ。既成事実を作って自分のものにしようとする筈だから、絶対に2人きりになっちゃ駄目よ?」

 既成事実を作るとか、俺は成人に満たない子供なんだけど……そんな事をしてくるのか?なんて思っていたら、ハリエットが俺の考えてる事が判ったのか、真顔で忠告してきた。

「前世のウォードは義理の母親としちゃってる事を忘れてない?パミュルの言ってる事は間違ってないから気をつけるのよ?」

 セナとの事を言われると反論できずに、俺は頷く事しか出来なかった。
 言い訳できるならあの時とは状況が違うし、セナはハリエットやパミュルに負けないくらいに魅力的だったから、あの状況になれば拒めないけど、メリルなら多分だけど断ると思う。

「気をつけるけど、僕はメリルさんを2人みたいに魅力的だと思ってないからさ、少しは信用して欲しいかな?」

 俺のメリルに対する気持ちを伝えたら、2人とも少し頬を赤らめてから、俺の胸に顔を押し付けたのでそのまま倒れ込んで、そのままお楽しみモードへ突入したのは言うまでもない。

 

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