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第三章 未知なる世界へ
第83話 長鼻族の錬金術師
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メリルの案内で職人街へ向かう事になった。しかし、俺達に付き合っててお店は大丈夫なのだろうか?あのお父さんが1人だと不安しかないんだけどね……
なんて考えているとメリルが俺の顔を覗き込むように喋り掛けてきた。
「それで、ウォードさんはどんな錬金術を学びたいんですか?」
「アイテムへの効果付与ですね。魔法鞄や魔法地図を自作したんですが、少し学んで自分でバージョンアップしようかと思ってるんです」
「元々、錬金術を学んでたんですか。その若さでアイテム錬金が出来るなんて凄いですね」
「錬金術の本を読んだ程度なので、劣化版の物しか作れないですけどね」
俺が劣化版しか作れないと言った後に、メリルは目を丸くして驚いていた。まぁ、劣化版しか作れないのに短期間でバージョンアップさせたいと言うば『馬鹿なのか?』と思うよね。だけどメリルの口から出た言葉は俺の考えとは違っていた。
「本を読んだだけで劣化版とはいえ魔法鞄と魔法地図を作れたの?錬金術の世界は絶え間ぬ努力の積み重ねで、アイテム錬金で物を作るのに何年もの下積みが必要なんですよ?それを本を読んだだけでって……ウォードさんは何者なんですか?」
興奮したメリルは、捲し立てるように喋るので俺は圧に押されてしまう。
「あっ、えっと、落ち着きましょうね」
「あっ、ごめんなさい。驚きのあまり興奮してしまいました。でも、それくらい凄いことなんですからね!アストンさんの工房へ行くのが良さそうですね。直ぐに行きましょう」
落ち着けと言ったのにも拘らず、まだ興奮状態のメリルは俺の手を引っ張ったまま、急ぎ足でアストンの工房へと移動を始めた。
(この人は激情タイプの人なのか……)
職人街を色々と散策しながら回ろうと思っていたのに、メリルの暴走によりどこにも寄る事もないまま少し古びた工房の前に到着した。
「ここがアストンさんと言って、長命で有名な長鼻族の方でアイテム錬金の第一人者なんですよ」
長鼻族は確かに長寿で有名だけど、人との関わりを極端に嫌う筈なんだけど大丈夫なのか?連れて来たという事は当然知り合いなんだろうと思ったけど、工房の中へ入ろうとしないのでメリルに確認をした。
「あの~メリルさん?工房の中へ入らないんですか?」
「はい、だって入れば怒鳴られるので……アストンさんはかなり気難しい方なんですよ」
まさか、全く知り合いでもないのに長鼻族の工房へ連れてきたのか……もう少し考えて行動をして欲しいものだね。
まぁ、確実に断られるだろうけど、せっかく来たので工房へ入って話してみる事にした。
なんて考えているとメリルが俺の顔を覗き込むように喋り掛けてきた。
「それで、ウォードさんはどんな錬金術を学びたいんですか?」
「アイテムへの効果付与ですね。魔法鞄や魔法地図を自作したんですが、少し学んで自分でバージョンアップしようかと思ってるんです」
「元々、錬金術を学んでたんですか。その若さでアイテム錬金が出来るなんて凄いですね」
「錬金術の本を読んだ程度なので、劣化版の物しか作れないですけどね」
俺が劣化版しか作れないと言った後に、メリルは目を丸くして驚いていた。まぁ、劣化版しか作れないのに短期間でバージョンアップさせたいと言うば『馬鹿なのか?』と思うよね。だけどメリルの口から出た言葉は俺の考えとは違っていた。
「本を読んだだけで劣化版とはいえ魔法鞄と魔法地図を作れたの?錬金術の世界は絶え間ぬ努力の積み重ねで、アイテム錬金で物を作るのに何年もの下積みが必要なんですよ?それを本を読んだだけでって……ウォードさんは何者なんですか?」
興奮したメリルは、捲し立てるように喋るので俺は圧に押されてしまう。
「あっ、えっと、落ち着きましょうね」
「あっ、ごめんなさい。驚きのあまり興奮してしまいました。でも、それくらい凄いことなんですからね!アストンさんの工房へ行くのが良さそうですね。直ぐに行きましょう」
落ち着けと言ったのにも拘らず、まだ興奮状態のメリルは俺の手を引っ張ったまま、急ぎ足でアストンの工房へと移動を始めた。
(この人は激情タイプの人なのか……)
職人街を色々と散策しながら回ろうと思っていたのに、メリルの暴走によりどこにも寄る事もないまま少し古びた工房の前に到着した。
「ここがアストンさんと言って、長命で有名な長鼻族の方でアイテム錬金の第一人者なんですよ」
長鼻族は確かに長寿で有名だけど、人との関わりを極端に嫌う筈なんだけど大丈夫なのか?連れて来たという事は当然知り合いなんだろうと思ったけど、工房の中へ入ろうとしないのでメリルに確認をした。
「あの~メリルさん?工房の中へ入らないんですか?」
「はい、だって入れば怒鳴られるので……アストンさんはかなり気難しい方なんですよ」
まさか、全く知り合いでもないのに長鼻族の工房へ連れてきたのか……もう少し考えて行動をして欲しいものだね。
まぁ、確実に断られるだろうけど、せっかく来たので工房へ入って話してみる事にした。
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