俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第三章 未知なる世界へ

第79話 ランクアップ

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 俺はルクンナ洞の上層と下層のダンジョンマップや、出現する魔物の特性と攻略法を記載した書類一式を支部長へ手渡した。
 早速、俺の渡した書類に目を通し始めると、支部長は食い入るように書類を見ながら俺の方へ顔を向けた。

「これはルクンナ村にあるルクンナ洞だが、君達3人で上層と下層の全てをマッピングして、全ての魔物を討伐したという事なのか?」

 かなり驚いた支部長が興奮気味に聞いていたので、俺は事実をそのまま伝える。

「そうですよ。僕には劣化版ですが魔法地図マジックマップがあるので、ダンジョンマッピングが可能なんです」

 そう言ってから支部長へ魔法地図マジックマップを見せる。劣化版なので俺の魔力にしか反応しないので、少し説明するのが面倒だったけど、マッピングが可能な事は理解してくれた。

「マッピングについては理解したが、あのダンジョンの魔物は全て防御に特化していて、君達のランクでは簡単には倒せなかっただろう?」
「魔物の特徴を少しずつ理解して、最も効果的な戦い方を見出しました。僕達はハンターとしての経験は浅いですが、これまで戦った魔物には必ず弱点があったので、それを見つければなんとかなるもんですよ」
「なるほど、弱点を見つける事で魔物を討伐なら、Eランクの君達でもCランク相当の魔物を倒せるのか、君達は本当に素晴らしいよ」

 支部長から褒められたけど、力のあるハンターならこんな回りくどい事はしないからね。

「力の無い者はこういう戦い方しか出来ないので、高ランクのハンターに笑われますよね」
「いや、才能豊かなハンターがこのように戦えば、更に強大な魔物を倒せる手本となるだろう。君達が貴重な情報を公開する理由は、同じ境遇のハンターの為なのかい?」
「確かにその通りですね。才能に恵まれずにハンターになる事を諦めた人や、僕達のような駆け出しハンターの役にたてばと思ってます」

 俺の言葉を聞いた支部長は『ウンウン』と頷いてから、立ち上がって深く頭を下げた。

「ウォード君、この情報のおかげで、たくさんのハンターに希望を与えるよ。そしてたくさんの命を救う事になる。本当にありがとう」
「頭を上げてください。才能に恵まれていればこんな事をしてなかったた思うので……」
「才能が無い?冗談を言うな。君の才能は我々でも計り知れないよ。もっと自信を持ってハンター活動に励んでくれ!そして君達の実績を踏まえて、ハンターランクをCランクに昇格させてもらうよ」

 支部長からCランクに昇格と告げられ驚く。俺とハリエットはEランクだし、パミュルに至っては登録中だからだ。

「すみません、僕達はEランクでもう1人はハンター登録の手続き中なんです。いきなりCランクは飛躍し過ぎだと思います」
「3人で協力してたのなら問題ないだろう。支部長の権限でCランクまでなら、自由に昇格させる事が出来るから問題ない。受付には伝えるから、ハンターカードを更新してもらうように。ウォード君と話せて本当に良かったよ」

 断るにも強引に話を打ち切られて、俺達のハンターランクはCランクへとランクアップしたのだった。



 
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