俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

文字の大きさ
上 下
45 / 363
第二章 幸運の始まり

第36話 vsゴブリン

しおりを挟む
 俺とミリムは正式パーティー登録をして活動を始めて1ヵ月が経過した。相変わらず採集と罠を使った狩猟がメインだけど、1日の精算金額は金貨1枚は稼げているので、パーティー貯金を除いても毎日銀貨25枚の手取りがあるので、ハンターでいうなら半人前の収入はある。

 魔物討伐については、かなり煮詰まってきてるんだ。状態異常効果を与える【痺れ薬】を調合して、薬をすり込んだ矢で魔物を矢を射って、痺れたところをミリムが仕留めるという戦法がほぼ完成した。

今日は林へ出張して、ゴブリン相手に連携を確認しにきた。

「あそこにゴブリンが1体いる。僕が弓で先制攻撃を仕掛けるから、矢が当たったら倒しに行くからね」
「うん、ウォード頑張ってね♪」

 俺は矢を2本もってゴブリンめがけて1本目、2本目と連続で矢を射る。

『シュバッ!』「ガギャ~」
『シュバッ!』「グガァッ」

 其々の矢は太腿と右肩に当たって、当選だけどゴブリンにこちらの位置が知られた。右肩に矢を受けたゴブリンはすぐに向かって来るけど、太腿にあたった方は動きが遅いので、実質1対1になるので落ち着いてゴブリンが来るのを待った。
 やって来る間も【痺れ薬】が徐々に効いてくるからね。近付いて来たゴブリンの足へ追撃の矢を放って、素早い動きを封じたところをミリムのが魔法でトドメをさす。

「ウォード、ナイス♪〘水刃ウォーターカッター〙」

 ミリムの放った水の刃が通り抜けると、ゴブリンの頭が地面に『ポトリ』と落ちた。
 太腿に傷を負ったゴブリンは、俺達の近くに来る頃には痺れて動くのもままならない状態で、ミリムは棒の尖った先端部分で頭を突いて倒した。

「やったぞ!ミリム~!」
「ウォード凄いよ、これなら魔物も倒せるよ」

 俺とミリムは抱き合って喜んだ。絶対に無理たと思ってた魔物討伐に成功して、俺はミリムに改めて感謝の言葉を伝えた。

「ミリムのおかげだよ。あの時の言葉があったからこうして魔物を倒せたんだ……ありがとう」
「ウォード、お礼を言うのは私だよ。出逢ってなければ……ウォード大好き」

 そう言ったあと、ミリムの唇が俺の唇に重なった……俺は今、ミリムとキスした事を理解した。

「ミ、ミリム?」
「へへっ、キスしちゃった♪怒った?」
「いや、僕なんかで良いのかと(汗)」
「ウォードじゃなきゃダメなの。ずっと一緒に」
「待って!」

 ミリムが最後まで話す前に俺は止めた。

「僕達はまだ子供で、この先に何が起こるか判らないんだ。これからずっと2人で頑張り続けて大人になったその時は、僕がミリムにその言葉の続きを伝えるよ」
「本当に?ずっと一緒に頑張ってくれるの?」
「ミリムが去らない限り一緒に居るよ」

 俺の言葉を聞いたミリムは大粒の涙を流しながら、もう一度俺にキスをした。

「さぁ、討伐部位と切り取って村へ帰るよ。ハリエットさんに魔物討伐の報告をしないとね」
「うん、帰ろう♪」

 こうして、初めての魔物討伐と初めてのキスを同じ日に初体験して、2人で手を繋いで村へと帰っていった。

 


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョン美食倶楽部

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。 身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。 配信で明るみになる、洋一の隠された技能。 素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。 一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。 ※カクヨム様で先行公開中! ※2024年3月21で第一部完!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...