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第二章 幸運の始まり
第26話 双子の問題
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翌朝も孤児院へと向かった。
「おはようございます。ウォードです」
孤児院の前へ来たので挨拶をすると、ミリムが駆け付けて俺に抱き着いてきた。
「お兄ちゃん、おはよう♪」
「おはよう♪リンスさんは?」
「あのね、カールとコールがお手伝いへ行かないって言いだしたから、話してるとこだよ」
カールとコールが急に俺の手伝いを嫌がったと聞いて、恐らくメンディが何かを言ったんだと思う。無理やり連れて行くつもりはないので、取り敢えずミリムにリンスさん達のいる場所へ案内してもらった。
「リンスさん、おはようございます」
「あっ、ウォード君、おはよう。ちょっと待ってくれる?」
「ミリムに聞いたのですが、無理強いするつもりは無いので大丈夫ですよ」
そのようにリンスさんに伝えると、カールとコールは『ほっ』とした表情になり、逆にミリムは嬉しそうな顔でリンスさんに話し掛けた。
「2人が行かないなら私がお手伝いに行くね♪お兄ちゃんもそれで良いよね?」
「リンスさんがそれで良いのなら、僕の方は問題ないですよ」
「本当にごめんなさいね……人との約束事を守れないなんて本当に困ったわね(汗)」
「カール達も気が向いたら声を掛けてね。僕はいつでも君達を待ってるからね」
「「う、うん……」」
俺の都合もあるので後の事はリンスさん達に任せて、ミリムと2人で採集へと向かった。
採集ポイントへ着くまでの間に、ミリムが孤児院へ帰ってからの事を聞いた。
「リンスさんにお金を渡したら驚いていたよ。メンディも驚いてたけど直ぐに『むすっ』としてかな?カールとコールもあの時はお手伝いを楽しみにしてたんだけどね……」
「メンディに何か言われたのかな?」
「私は部屋が別だから判らないよ」
双子に何があったのかは直接聞くしか無いのかな?リンスさんが上手く聞き出せてると良いんだけど、子供達に対して甘そうだから無理か……
俺の採集の手伝いは無理でも、孤児院で薬草を育てる事ならリンスさんの手伝いになるから、双子もメンディに睨まれる事はないかと思ったので、ミリムに頼み事をしてみた。
「ミリム、双子に薬草を育てる手伝いを頼んでくれないかな?リンスさん手伝いならメンディも文句は言わないと思うんだよ」
「うん、言ってみるね。」
話しながら移動してると、今日の採集ポイントへ到着したので採取方法を説明してから採取を始める。相変わらずの丁寧な作業に感心する。
必要な数になったのでミリムに声を掛けて作業を終了して、休暇を取るついでにレモンの小さな木があったので、根を傷付けないように注意して掘り返して持ち帰る事にした。
クッキーを食べながらミリムが俺に木をどうするのか聞いてきた。
「これを孤児院に植えるんだよ。木が育てばレモンの実がなるから、それを果実水にして飲むととても美味しいだよ♪」
「孤児院で美味しい果実水が飲めるようになるの?お兄ちゃんって本当に凄いね!」
孤児院で果実水が飲めるかも知れない事でミリムは嬉しそうだ。
ミリムより俺の方が歳上だから『お兄ちゃん』で間違い無いけど、『お兄ちゃん』と呼ばれる事に違和感を感じたのでウォードと呼ぶように頼んでみた。
「ミリム、これからは僕の事をウォードと呼んでくれないか?」
「どうして?」
「親しい友達には名前で呼んで欲しいんだよ」
「親しい友達……うん、ウォードって呼ぶ♪」
「ありがとう♪」
『お兄ちゃん』ラミュル以外に言われると違和感を感じるんだよな(汗)
そして、休暇の後は別の採集ポイントへ移動して、採取と罠の確認をしてからその日の作業を終え、村へ戻ってハンター協会で依頼達成と獲物の買取りしてもらった。
「おはようございます。ウォードです」
孤児院の前へ来たので挨拶をすると、ミリムが駆け付けて俺に抱き着いてきた。
「お兄ちゃん、おはよう♪」
「おはよう♪リンスさんは?」
「あのね、カールとコールがお手伝いへ行かないって言いだしたから、話してるとこだよ」
カールとコールが急に俺の手伝いを嫌がったと聞いて、恐らくメンディが何かを言ったんだと思う。無理やり連れて行くつもりはないので、取り敢えずミリムにリンスさん達のいる場所へ案内してもらった。
「リンスさん、おはようございます」
「あっ、ウォード君、おはよう。ちょっと待ってくれる?」
「ミリムに聞いたのですが、無理強いするつもりは無いので大丈夫ですよ」
そのようにリンスさんに伝えると、カールとコールは『ほっ』とした表情になり、逆にミリムは嬉しそうな顔でリンスさんに話し掛けた。
「2人が行かないなら私がお手伝いに行くね♪お兄ちゃんもそれで良いよね?」
「リンスさんがそれで良いのなら、僕の方は問題ないですよ」
「本当にごめんなさいね……人との約束事を守れないなんて本当に困ったわね(汗)」
「カール達も気が向いたら声を掛けてね。僕はいつでも君達を待ってるからね」
「「う、うん……」」
俺の都合もあるので後の事はリンスさん達に任せて、ミリムと2人で採集へと向かった。
採集ポイントへ着くまでの間に、ミリムが孤児院へ帰ってからの事を聞いた。
「リンスさんにお金を渡したら驚いていたよ。メンディも驚いてたけど直ぐに『むすっ』としてかな?カールとコールもあの時はお手伝いを楽しみにしてたんだけどね……」
「メンディに何か言われたのかな?」
「私は部屋が別だから判らないよ」
双子に何があったのかは直接聞くしか無いのかな?リンスさんが上手く聞き出せてると良いんだけど、子供達に対して甘そうだから無理か……
俺の採集の手伝いは無理でも、孤児院で薬草を育てる事ならリンスさんの手伝いになるから、双子もメンディに睨まれる事はないかと思ったので、ミリムに頼み事をしてみた。
「ミリム、双子に薬草を育てる手伝いを頼んでくれないかな?リンスさん手伝いならメンディも文句は言わないと思うんだよ」
「うん、言ってみるね。」
話しながら移動してると、今日の採集ポイントへ到着したので採取方法を説明してから採取を始める。相変わらずの丁寧な作業に感心する。
必要な数になったのでミリムに声を掛けて作業を終了して、休暇を取るついでにレモンの小さな木があったので、根を傷付けないように注意して掘り返して持ち帰る事にした。
クッキーを食べながらミリムが俺に木をどうするのか聞いてきた。
「これを孤児院に植えるんだよ。木が育てばレモンの実がなるから、それを果実水にして飲むととても美味しいだよ♪」
「孤児院で美味しい果実水が飲めるようになるの?お兄ちゃんって本当に凄いね!」
孤児院で果実水が飲めるかも知れない事でミリムは嬉しそうだ。
ミリムより俺の方が歳上だから『お兄ちゃん』で間違い無いけど、『お兄ちゃん』と呼ばれる事に違和感を感じたのでウォードと呼ぶように頼んでみた。
「ミリム、これからは僕の事をウォードと呼んでくれないか?」
「どうして?」
「親しい友達には名前で呼んで欲しいんだよ」
「親しい友達……うん、ウォードって呼ぶ♪」
「ありがとう♪」
『お兄ちゃん』ラミュル以外に言われると違和感を感じるんだよな(汗)
そして、休暇の後は別の採集ポイントへ移動して、採取と罠の確認をしてからその日の作業を終え、村へ戻ってハンター協会で依頼達成と獲物の買取りしてもらった。
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