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第二章 幸運の始まり

第22話 初めて友達

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 孤児院から家に帰ると、仕事が早く終わったみたいでハリエットさんは帰宅していた。

「ウォード君、おかえり♪どうだった?」
「ハリエットさんと相談したお陰で良い提案が出来たので、明日から採集の手伝いをしてもらう事になりましたよ♪」
「それは良かったね♪でも、明日からは本当に大変だと思うけど頑張るんだよ」

 提案を受けてもらうのは簡単だ。明日から始める支援活動が孤児院の為に成らなければ、独り善がりになって意味が無い。その事を含めたハリエットさんの『頑張るんだよ』の言葉をしっかり受け止めて、俺は気合を入れて返事する。

「はい!無責任な結果に成らないように頑張ります!」
「うん、それじゃご飯を食べて明日に備えないとね。いっぱい食べて精をつけないとね」
「はい、いただきま~す♪」

 ハリエットさんの手料理をたくさん食べて、食後の会話は控えめにし、俺は明日に備えて早めに就寝した。

 そして翌朝、俺は朝食の用意を準備を済ませてから、ハリエットさんを起こして一緒にサンドイッチと紅茶を飲んだ後、ハリエットさんが仕事へ出掛けるのを見送ろうとすると、嬉しいハプニングがあったんだ。

「頑張って来るんだよ(チュッ)」
「えっ……」
「上手く行くおまじないだよ♪」

 そう言ってハリエットさんは仕事へ出掛けた。俺は少し『ぼーっ』としたけど、直ぐに我にかえっで孤児院までミリムを迎えに行った。

 孤児院が見えてくると、ミリムとリンスさんが既に待って居てくれたので、小走りで駆け寄る。

「おはようございます!」
「ウォード君、ミリムを頼みますね」
「お兄ちゃん、今日はよろしくね♪」

 孤児院の前で挨拶を済ませてから、俺はミリムを連れて村の外へ出て採集ポイントへと向かう。
 道中はミリムと話しながら移動だった。

「お兄ちゃんは毎日お仕事してるの?」
「そうだよ。僕は才能が無いからさ、毎日仕事をしないとお金を稼げないんだ(汗)」
「才能?」
「ミリムは〚水魔法〛や〚棒術〛があるだろ?僕には戦う才能が無いからね。毎日コツコツと頑張るしかないんだよ」
「戦えないとお金をいっぱい稼げないの?」
「う~ん、戦えると仕事の種類が増えるからね。僕は採集しか無いけど、他の人は魔物を倒せるからたくさん仕事があるから稼ぎも多くなるんだよ。ちょっと難しい話かな?」
「ううん、いっぱい話しが出来て楽しい♪」
「ミリム、あの辺りが採集のポイントなんだよ」

 話しをしながら移動だったので、直ぐに採集ポイントへ着いた気がした。早速、採取の方法を簡単に説明してからミリムの作業を見守る。
 額に汗を流しながら丁寧に採取して、取れた薬草を見ると綺麗に根っ子まで取れてるので、十分に合格点を与えられるものだった。

「ミリム、凄く上手に出来てるよ♪」
「お兄ちゃんの教え方が上手だからだよ」
「ありがとう。たくさん取れたから休憩してから次のポイントへ行こうか」
「うん♪」

 俺はドライフルーツと砂糖水の入った水筒を出して、休憩をしながら話しをする。

「ねぇ、お兄ちゃんはどうしてハンターになったの?」
「僕はね、天賦が〚幸運〛だけで農作業で役に立たないからさ、家から出るように言われてハンターになったんだよ」
「あっ、ごめんね。嫌な事聞いちゃった……」
「大丈夫だよ!だってハンターになったからミリムとも知り合えただろ?」
「うん♪私もお兄ちゃんと友達になれて凄く嬉しいよ♪」
「友達か、ミリムは僕に出来た初めての友達になるんだね。これからもよろしく頼むよ♪」
「うん♪」

 俺は前世から含めて初めての友達が出来た。
 可愛い友達出会えた〚幸運〛に感謝だね!
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