俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)

小桃

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第二章 幸運の始まり

第19話 俺に出来る事

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 部屋に案内されてリンスさんと話しをする事になった。

「ウォード君のご両親はどこに居るのかな?」
「村の外れで農家をしてますよ」
「どうしてここに来たのかな?」
「僕に手伝える事があれば、力になりたいと思ったので来ました」
「家のお手伝いはしなくても良いのかな?」
「僕は農作業で役に立たないので、家から出て独立してるので家の手伝いをする必要は無いです」
「家を追い出されたのね……可哀想に」

 リンスさんは完全に勘違いをしてる(汗)

「あの、僕はハンター協会で働いてるハリエットさんの家で暮らしてるので、孤児院の世話になりに来た訳ではありませんよ?ハンターとしての収入もあるので生活も成り立ってますから」
「強がらなくても良いのよ?確かにこの孤児院の運営状況は厳しいけど、あと数人なら保護できるからね」
「いえ、本当に僕は大丈夫です。嘘だと思うならハンター協会で確かめてください」
「判ったわ。後で確認をするので、明日にでももう一度来てもらってもいいかな?」
「はい、では失礼します」

 このまま話しをしても埒が明かないので、出直す事にした。リンスさんの部屋から出て帰ろうとすると、女の子に話し掛けられた。

「あなたも孤児院に来るの?」
「僕は来ないよ。来ると問題でもあるの?」
「1人増えるとあたし達の食べ物が減るから困るの……」
「食料が足りてないの?」
「うん……お金が無いから買えないの」
「明日も来るからさ、その時は何か食べる物を持ってくるよ!」
「ほんと!絶対だよ?約束だからね!」
「うん、楽しみにしててね♪」

 女の子と少し話しをしてから俺は帰宅して、ハリエットさんに約束したスープを作り始める。
 慣れた手付き料理を作りながら孤児院の事を考える。孤児院は資金繰りに苦労してるみたいなので、どうすれば力になれるかを考える事にした。
 ただお金を寄付するだけど、俺に依存してしまう可能性があるので駄目だ。孤児院の子供達が自立出来る手伝いを考えないとね。

「ただいま~、美味しそうなスープの匂い♪」
「おかえりなさい♪兎肉のホロホロスープです。ハリエットさんの口に合うと良いんだけど」
「白パンを買ってきたから、直ぐに夕食にしちゃおう!この匂いを嗅ぐと我慢出来ないよ♪」

 軽くパンを炙ってからテーブルにパンとスープを置いて食事を開始。食事中に孤児院へ行った事などを話してると、ハリエットは軽く溜息をつきながら話した。

「ウォード君、本当に孤児院の子供達へ自立支援をするの?自分の事で目一杯だよね?」
「うん……何故か放っておけないんです(汗)」
「ウォード君が決めた事だから反対はしないけど、なかなか厳しいと思うよ」
「承知してます。僕の出来る範囲で支援してみます。断られたらそれまでだけど(笑)」
「無理をして自分の生活を犠牲にしちゃ駄目だからね?」
「はい、約束します!」

 その後も色々と話をして、ハリエットさんのアイデアでいくつか良い案が浮かんだ。後はリンスさんとの話し合い次第だけど上手く行きそうな気がする。

 俺には〚幸運〛があるからね(笑)
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