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学園編

第65話 セイレーンの装備

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 今日からセレン様を連れてダンジョンへ向かう事になったの。

「セレン様、装備ってあるの?」
「学園で使ってた物ならあるけど?」
「実戦用の装備は無いって事だね(汗)」

 困った……ダンジョンへ行くなら装備を整えないと危険だもんね。

『ねぇ並列思考バトラー、私の手元にある素材でセレン様に合う装備って作れちゃう?』
『はい、適当に見繕って作成しましょうか?』
『ちょっと待ってね、希望を聞いてみるよ。』

 高級な物は作れないと思うけど、セレン様に好みの装備を聞いてから作る事にしたの。

「セレン様、装備なんだけどね。私の魔法鞄マジックバッグにある素材で作ろうと思うんだけど、何か好みとかあるかな?」
「もし可能ならレンとお揃い風の装備が欲しいかな?」
「OK!武器は扇で良いのかな?」
「そうね、基本は魔法になるので武器に拘りは無いわね」
並列思考バトラー聞いてた?ある素材で装備を作ってあげてね♪』
『畏まりました。完成したら魔法鞄マジックバッグに入れておきます。』

 これで装備は大丈夫だね。

 次は、ダンジョンへ行くメンバーを決めないと、私とセレン様にブラッドさんとミスティーク先生の4人でいいかな?そんな事を考えていると来客が来たの。

「嬢ちゃん、久し振りだねぇ♪見違えるくらいに大人びて綺麗になったねぇ」
「先生!お久し振りです♪相変わらずの若々しい姿は流石エルフだね(笑)」
「今日は嬢ちゃんの成長を確認したいからさ、一緒にダンジョンへ行くよぉ」
「ふふっ……驚かせるからね(笑)それと、こちらは私のクラスメイトのセイレーン様、今日は一緒にダンジョンへ行くからよろしくね!」

 ミスティーク先生にセレン様を紹介すると、背筋を伸ばして挨拶をする。

「セイレーンと申します。今日はよろしくお願いします」
「私はミスティーク、エルフだよ。嬢ちゃんの小さい頃に魔法を教えてた者だよ。そろそろブラッドとガイが来るから、集まったら出発だねぇ」
「OK!セレン様、ちょっと部屋へ来て!装備に着替えちゃおう~」

 私と同じミスリルとオリハルコン合金の扇と、揃いのワンピースに胸当て、グリーヴ、ガントレット、フォールズを渡して着替えたの。

「これって、ミスリルやオリハルコン?このワンピースってオリハルコンが練り込まれた繊維よね?こんな高価な物を……貰っていいの?」
「ハンターをしてるとそれくらい揃えれるよ♪」
 ※ガチャで出た素材で普通のハンターでは揃える事は不可能な代物です。

「そ、そうなのね(汗)このクラスの装備は貴族でも入手するのに苦労しそうだけど、ハンターって凄い職業なのね」
 ※普通のハンターで絶対に手に入りません。

「さぁ、着替えたしダンジョンへ行こう~」

 着替え済ませたので部屋からキッチンへ戻ると、ブラッドさんとガイさんも到着してたの。

「セレスティア、ダンジョンへ行く前に偽装を忘れないでね?」
「あっ……ママありがとう(汗)」

 私は偽装をしてからダンジョンへ向かうんだけど、久し振りにママと出掛ける挨拶をする。

「ママ、行ってくるね。大好き愛してる♪」
「ママも大好きで愛してるわよ♪」

 言葉を交わして思い切りハグをする。

 久し振りの光景にみんなが微笑みながら、少し目を潤ませていたの。
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