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最終章 優しい世界
第35話 役目の終わり
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§アネモネ視点§
アリス様が私達の創造主であったジャミアを葬ったことを感じた。同時に懐かしい記憶が蘇った。
かつての私は人だった。私の一日は神へ祈りを捧げることから始まり、祈りを捧げて終わっていた。その日も当然のように祈りを捧げようとした時、神の名前が口から出ない、目の前にある神像があるのにも関わらず、信じる神の名が頭に浮かばないのだった……。
(ど、どうして……)
私は敬虔な信者だった。それなのに神の名を忘れるという大失態を犯した。その大罪を懺悔する為に神父様の下へ急いだのだが、そこでは神父様やシスター達まで神の名を忘れるという、想像を絶する事態が起こっていた。この現象は私の身の回りのみならず、全世界で起こっていて、『神がこの世から去った』『愚かな私達を見限られた』様々な意見が上がって混乱を極めた。
私は神の名を名を忘れた愚か者だ。それでも神は何処かに居られて、我々の信仰心を試されていると思い、神の名を思い出せなくても祈りを捧げることを続けることにした。
(例え神の名を忘れても、私が神を信仰する気持ちは変わらないもん)
来る日も来る日も、実直に祈りを捧げ続けたある日のこと、いつも通り神に祈りを捧げていると、私の周囲が光りに包まれ浮遊感と共に意識が遠のいた。
「ここは……?」
「ここは我の精神世界で、我はこの世界を創造した唯一神ジャミアである。悪意の力により下界の者は我の名を忘れ、崇めることが不可能になったのだ。この世界には崇めるべき神が必要である。我の力が戻るまでの間、そなたに我の代行となってもらいたいのだ」
「貴方様が●●様、私が神の代行者に?」
名を聞いたにも関わらず、そのお方の名を呼ぶことができない。それでも奇跡の力を行使してることから、このお方が神であると理解したのだった。
「そうだ。我の力の一部『生命』の力を授ける。神の力としては弱いかも知れないが、その力を持って我の代わりに信仰を得るのだ」
●●様より力の一部を授けると言われると、神の代行者なんて大役を下民である私に務まるのか不安になった。もっと高位の教会関係者の方が相応しいと思い、そのことを●●様に伝える。
「私のような者に神の代行者など務めるのでしょうか? もっと信仰に厚い者が居るかと思います」
「教皇や大司教などは、我の名を忘れた日より信仰の務めを果たしておらん! そなた以外に6人の娘だけが、名を口にできずとも変わらず祈りを捧げておる。我はその7名こそが代行者に相応しいと思ったのだ。どうか引き受けてはくれまいか?」
本当に私に務まるのかと思いながらも、唯一神●●様の代行者になることを承諾し、私は七神女神の中でも最初の女神【命の女神アネモネ】としてこの世界に降臨したのだった。
アリス様が私達の創造主であったジャミアを葬ったことを感じた。同時に懐かしい記憶が蘇った。
かつての私は人だった。私の一日は神へ祈りを捧げることから始まり、祈りを捧げて終わっていた。その日も当然のように祈りを捧げようとした時、神の名前が口から出ない、目の前にある神像があるのにも関わらず、信じる神の名が頭に浮かばないのだった……。
(ど、どうして……)
私は敬虔な信者だった。それなのに神の名を忘れるという大失態を犯した。その大罪を懺悔する為に神父様の下へ急いだのだが、そこでは神父様やシスター達まで神の名を忘れるという、想像を絶する事態が起こっていた。この現象は私の身の回りのみならず、全世界で起こっていて、『神がこの世から去った』『愚かな私達を見限られた』様々な意見が上がって混乱を極めた。
私は神の名を名を忘れた愚か者だ。それでも神は何処かに居られて、我々の信仰心を試されていると思い、神の名を思い出せなくても祈りを捧げることを続けることにした。
(例え神の名を忘れても、私が神を信仰する気持ちは変わらないもん)
来る日も来る日も、実直に祈りを捧げ続けたある日のこと、いつも通り神に祈りを捧げていると、私の周囲が光りに包まれ浮遊感と共に意識が遠のいた。
「ここは……?」
「ここは我の精神世界で、我はこの世界を創造した唯一神ジャミアである。悪意の力により下界の者は我の名を忘れ、崇めることが不可能になったのだ。この世界には崇めるべき神が必要である。我の力が戻るまでの間、そなたに我の代行となってもらいたいのだ」
「貴方様が●●様、私が神の代行者に?」
名を聞いたにも関わらず、そのお方の名を呼ぶことができない。それでも奇跡の力を行使してることから、このお方が神であると理解したのだった。
「そうだ。我の力の一部『生命』の力を授ける。神の力としては弱いかも知れないが、その力を持って我の代わりに信仰を得るのだ」
●●様より力の一部を授けると言われると、神の代行者なんて大役を下民である私に務まるのか不安になった。もっと高位の教会関係者の方が相応しいと思い、そのことを●●様に伝える。
「私のような者に神の代行者など務めるのでしょうか? もっと信仰に厚い者が居るかと思います」
「教皇や大司教などは、我の名を忘れた日より信仰の務めを果たしておらん! そなた以外に6人の娘だけが、名を口にできずとも変わらず祈りを捧げておる。我はその7名こそが代行者に相応しいと思ったのだ。どうか引き受けてはくれまいか?」
本当に私に務まるのかと思いながらも、唯一神●●様の代行者になることを承諾し、私は七神女神の中でも最初の女神【命の女神アネモネ】としてこの世界に降臨したのだった。
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