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最終章 優しい世界

第27話 アリスの願い

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 ジャミアを葬り唯一神となることを七神女神様達に伝えると、全ての女神様達は笑顔で感謝の言葉を口にしながら天界へと戻っていた。話が終ったところで従者達の方へ顔を向けると、全員が涙を流しながら私のことを見つめていた。

(えっ! なんで泣いてるの?)

 従者達が流す涙の理由が判らない。ただ、悲しみの感情ではないことだけは、その表情から読み取れたので、内心慌てながら話しかけたの。

「涙なんて流してどうしたの?」
「アリス様がこの世界の唯一神なると宣言されたことに、我々は感動いたしました」

 私の宣言が聞こえた? 女神様との会話は精神世界で行われていて、時間の概念はなく止まっているはず。どうして聞こえていたのか理解できない……。そんなことを考えていると、並列思考セラフィムが理由をん教えてくれた。

『アリス様が目を覚まされるまでの間、七神女神は従者に対して天啓を告げていました。繋がった状態を意図的に維持していた為に、七神女神との会話を聞き取ることができたのだと思われます』

 従者達が七神女神様へ祈りを捧げたことで、天啓を下していたとは……、しかも七神女神様達はわざと繋がった状態を維持して、私の決意を従者達に聞かせることで退路を断った訳だね。

(面倒なことをしてくれたね……)

 元より唯一神になることをなかったことにするつもりなんてなかったけど、この世界を統べる者としての心構えができてから、みんなに伝えようと思っていたので、どうしたものかと考慮する。

(うん、今の気持ちをそのまま伝えよう!)

 悩むなんて性に合わないので、今の気持ちをそのままみんなに伝えることにした。だって、多少無茶なことを言ったとしても、私のことを信じて付いてきてくれるとはずだと思ったからね。

 私は大きく深呼吸をしてから、ジャミアを倒した後に創ろうと思う世界観と、純粋な想いを伝える。

「みんなも聞いていたと思うけど、邪神ジャミアを葬った後はルミナス神アリスとして、この世界の唯一神になろうと思う。これまでは七神女神様によって管理されていた世界を、種族間の差別や争いのない【優しい世界】にしようと思う。その世界を実現して継続させる為に、私が最も信頼するみんなにお願いがあるの」
「「願いとは?」」
「私って超がつく寂しがり屋だからさ、たった1人で神として生きていくのは嫌なんだよね。だからさ……、一緒に永遠の時間を過ごして欲しいの。あくまで私の我儘な願いだから強制はしないよ? だって永遠に尽きることのない命なんて想像もつかないもん。かなり辛いことになるかも知れないからさ、よく考えてから答えて欲しいの」

 永遠の時間をたった1人で過ごすとか超寂しい。だから、一緒に居て欲しいという身勝手な願いをみんなに伝えたのだった。

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